DJ Kennedy/life is damn groovy

2010/04/26(月)00:36

FNB Ex. : Mr. Lee's Lucky Beer #2

Friday-Night Boom(19)

           ウェイブが可愛いブルネットのウェイトレスに何やら小声で囁くリーさん。その様子が また、ちょっとカッコイイ。彼女に声を掛けたいのではない、必要があるから呼んだのだ。 それを証拠に、おデイトモードの社長(仮称)と違って、美女を目の前にしてもその鋭い 目線がひたすらディーラーの指先から離れることはない。 「すぐ持ってくるわ」 ウェイトレスが明るく言うと社長が彼女の腕を引っ張って「こっちも」 やはり、シャンペインをブロンドの分まで頼んでいる。リーさんは彼を睨みつける。もう お前に掻き回されるのはたくさんだ、と。 遊びを知らないプレイヤー達は、往々にしてテーブルの流れを壊してしまう。なのに 無常にも、社長ばかりがツイてしまったりすることがある。横でベタベタしている ブロンドはキャッキャキャッキャと騒ぎ、終いには彼等を残してプレイヤーが一斉に 席を立つことも珍しくない。殊にリーさんタイプは明日のお粥がかかっているかも知れぬ のだ。「お前ら馬鹿等はあっちでバカラでもやっていろ」意表を突いたオヤジギャグまで 飛び出さんばかりの「瞳に炎」。周囲の意を代弁している。   軽薄な彼等のツキが止まらない。やがて酔いに任せて拍車のかかる饒舌ぶり。周囲に 自分の勝ちを語り始めると場の雰囲気は警戒レベル4まで引き上げられる。リーさんを 見ると、動く気配はない。何か秘策でも持っているのか。 さっきのウェイトレスがリーさんのドリンクを運んできた。リーさんはどうやら、ビアに クラッシュしたアイスをたくさん入れるよう指示していたようだった。プラスティックカップの 中にはぎゅうっと詰め込まれた小さい氷達と氷のおかげで量の少ないビア。リーさんが トレイに$5のチップを1枚乗せると、彼女は機嫌良く戻って行った。 リーさんは、このビアを一気に飲み干す。 ああ、ここで今起きることは誰のパワーに因るものだろう。リーさんか、カジノの神様か。 もはや呂律が回らなくなり始めた社長の前に次のベットを促すディーラー。その時。 この1時間で20倍にもなったブラックのチップ(1枚$100)から10枚に手をかけようとした瞬間、 彼は目の前のシャンペイングラスを倒し、黒い壁のように積み上げたチップをぶちまけた。 両隣に迷惑を掛けながら微動だにせず、奇妙にも大爆笑の社長と愛人(仮称)。            (カジノでは、ゲームフロアでの写真撮影が禁止されています。             ご覧の写真は自宅のブラックジャック・テーブルです) もう我慢ならんと立ち上がったリーさんは背が低い。我等もこれが潮時か。 するとリーさん、もはやテーブルの奥でなくディーラーの横で様子を窺っていたピットボスに 向かって指を差し、その指を社長に向ける。ピットボスはただ頷くと社長の横に立ちはだかった。 「あなたたち、そこまでです」 (最終回のリーさんをどうぞお楽しみに) Casino Entertainmentの大御所第2弾 Hall & Oates シビれます。 (Click and enjoy the music videos!) にほんブログ村 Thank you so much for all your support!

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