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2007/05/18(金)14:17

「都市化」という名の狂気!

生活(27)

「明治天皇が、1月24日に牛肉を試食した」というのが、明治5年(1872年)1月25日の日刊新聞のトップ記事です。 それまで、日本国民は原則として肉食は行われていなかったのです。 歴代の天皇自ら、具体的には、天武天皇から孝明天皇までの約1200年「殺生肉食禁断のご詔勅」を守ってきました。 「万世一系」と言われている天皇家ですが、孝明天皇と明治天皇以降との間には、少なくとも「肉食」という「断絶」が存在しています。 明治4年11月、岩倉具視を正使とする欧米視察団に随行した久米邦武の「特命大使欧回覧実記」に次のような記述があります。  サンフランシスコで精神病院を訪問し、そこに収容されている病人が約1500名と知らさ れて驚嘆します。  当時、同市の人口は約15万人ですから、「百人に一人が狂人なのか」と慄然とします。  そこで、視察団一行は意見をたたかわせ、  「こうなると、牛羊(けもの)を食う習慣を日本に持ち込むのは考えものだな」との結論。 「西洋の狂気」を目の当たりにしての、この寒々とする直感は、約130年を経た今日、「大正解」として証明されてしまいました。 読者は、私が何のことを言っているのか、この時点では分からないでしょう。 さて、日本人が明治以降、特に戦後において、西洋「文明開花」の「お手本」としたアメリカ合衆国(USA)は、「西洋の狂気のデパート」に過ぎません。 アメリカ国民の成人約1億8千万人のうち、3分の1である6千万人が、実質的に読み書きができない「無筆」です。            村田孝四郎著「反面教師アメリカ」から要約。 1997年では、アメリカ成人男性50人に一人が刑務所に収監され、 20人に一人は保護観察下か仮釈放の身です。 先進国全体での子供による殺人事件の4分の3はアメリカで起きている。            ビル・トッテン著「必ず日本はよみがえる!」から要約。 村田氏は同書の中で、「犯罪と社会」という書籍の内容を紹介した後、次のように記述しています。 「この本はもう10年も前に出されたものだが、アメリカ社会がすでに修復できない所まで来てしまっていることを如実に表わしていると言えよう。 しかもその後、犯罪は激増している。 犯罪を促す要因、例えば貧困、麻薬、無筆、人種対立、道徳律の低下などがさらに大きくなっているからだ。 最近ではこれに失業率の増大が加わる。 もし防犯の効果的な手段がないとすれば、アメリカは近いうちに犯罪者とそれを捕まえる者、起訴する者、弁護する者、裁く者、収監する者、矯正する者、監視する者だけの国になってしまいはしまいか」                         引用終了 この本の出版は、1991年1月(河合出版刊)です。 出版から今日まで16年が経ちました。 アメリカでは、筆者が「近いうちに」と予想したことが「実現」されています。 ごく少数の裕福者によって「アメリカ国民」は監視・コントロールされています。 一方の日本では。 既述の「犯罪と社会」は1979年に出版されていますが、この本に、日本とアメリカの社会を比較研究したベリー教授の論文が収録されています。 日本とアメリカの大きな違いとして、教授は次のように述べています。 「日本では、むしろ家庭、職場、近隣などによる、公式ではない組織により社会の秩序が保たれている」(反面教師アメリカ」から引用)。 その日本が、戦後、占領軍により「家族制度」を崩壊させられ、「個人」が家族から切り離され、「権利」だけを主張し、挙句の果て、「子供の権利」まで制定してしまいました。 「文明化」とは、本来「都市化」という意味ですが、まさに、「都市化」にあっては、人間は親兄弟のみならず、職場・近隣を含む全ての人間から「孤立(個立)」して、狂気を秘め、野蛮化することなのです。 これを推進してきた「占領軍の手先」に過ぎない日本政府は、 肉食を奨励し、 白パン食を勧め、 「砂糖の消費」を「文明のバロメーター」と言って促進し、 「仔牛にも毒である」牛乳の飲用を推し進め、 国民の食糧の60%を外国から輸入し、日本の農業を破壊してきました。 これが明治以降、日本政府が国策として進めてきた「文明開化」の「成果」です。 「成果」は、まだあります。 がんを始めとする生活習慣病に苦しむ国民の急増。 毎年、日本人の約25万人が、「がん治療」という「凶器」で殺されています。 そして、犯罪も「アメリカの域」に達成しました。 高校生による「母親殺し」。 殺して、首と右腕をのこぎりで切断する。 右腕は、白くスプレーして植木鉢に指す。 首は持ち歩き、そのまま警察に自首する。 この高校生は、今の段階では「容疑者」ですから論評は慎重を要します。 しかし、これは、まさに「狂気」です。 約130年前の直感、「西洋の狂気」が日本にも伝染するかも知れない。 杞憂ではなく、この通り、しっかりと「伝染」してしまいました。 日本は、立ち遅れていた(?)「犯罪」の面でも、やっとのことで「西洋化」を達成したのです。 「目出度し、目出度し」と「占領軍」は、さぞ、喜んでいることでしょう。 輩の永年の「念願」が成就したのですから……。 さて、既述した肉・白パン・砂糖、さらには精製された小麦粉を材料にして製造された菓子、インスタント麺、缶コーヒー・ジュースなどを「ジャンク・フード」と言います。 コンビニ弁当は「ジャンク・フードの集大成」であり、最悪の代物、病因食です。 恐らく、容疑者の高校生は、これらの「食べてはいけない化学製品(略して食品)」「ジャンクフード」中心の食生活を送っていたと思われます。 食は命なり、心・精神にも影響を与えます。 この高校生は、家族のいる「町」から「都市」に住まいを移す、「都市化」の典型です。 この犠牲者ではあります。 「都市化」とは、「自然を汚いもの、野蛮」と認識し、 「自然」を破壊し、「自然」を改造し、「自然」を征服し、 本来の「自然」から切り離された人間を作り出すことです。 これこそ、ヒューマニズム(人間至上主義・人間本位主義・人間中心主義)という「狂気」ではあります。 「容疑者の高校生」の問題は、彼一人の問題ではなく、日本国民全員の問題ではあります。

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