がんは感謝すべき細胞です。

2009/04/02(木)09:23

人間は草食動物

生活(27)

太陽系のあらゆる生物のエネルギー源は、太陽エネルギーです。 しかし、動物は、この太陽エネルギーは直接、摂り込むことはできません。 そこで登場するのが「生産者」としての植物です。 つまり、葉緑素を持つ植物は、太陽エネルギーと炭水化物、そして水とで「光合成」を行い、有機物(複合炭水化物)と酸素とを生産いたします。 人間も動物ですから、太陽エネルギーを摂りこむためには、「植物」を摂取しなければなりません。 故に、人間を始めとする動物は「消費者」に過ぎません。 これらの生物が出す排出物や死体を土壌中の「微生物」が「分解者」として分解作業をして、炭水化物や水、無機栄養塩を作り出します。 これらの「生産者」「消費者」「分解者」から、「大自然界における生産と消費、そして分解の循環」が成立いたします。 これが基本となります。 つまり、葉緑素を持つ「植物」は、その「体内」に、太陽エネルギーを「転換」させた「複合炭水化物」を蓄積させています。 人間は、この「植物」「複合炭水化物」である「穀物や野菜」を食べることでしか、太陽エネルギーを摂りこむことはできません。 一般的には「炭水化物」と呼ばれていますが、正確に言いますと「複合炭水化物」です。 この「複合炭水化物」には、 炭水化物 粗たん白 類脂肪 各種ビタミン 各種ミネラル などが含有されています。 「粗たん白」は、腸内で「腸内細菌」や「酵素」の作用を経て「たん白質」に転換され、 「類脂肪」は、同じような作用を経て「脂肪」に転換されます。 これで、人間に必要な栄養素が腸内で全部、揃います。 草食動物である「牛」が牧草だけから、あの大きな体躯を創り上げている「秘密」がここにあります。 牛は大型動物ですが、走る速度は遅く、足の爪も平爪ですから、動く動物を捕獲できません。 たとえ捕獲しても、あの平らな歯では捕食ができません。 獲物(?)は、スルリと身をかわして逃げ去ります。 ですから、動かない草(植物)を食べます。 草だけで、あの大きな体(体たんぱく)を作ります。 さて、人間はどうでしょう。走る速度、手の爪、咀嚼する歯、 すべて牛と同じです。 捕獲し捕食できるのは、昆虫くらいです。 人間も動かない植物・草を食べるしかありません。 牛と同じで、人間の「食性」は草食です。 つまり、牛も人間も「草食動物」です。 更に、人間の歯の6割は臼歯で穀物用です。 穀物を主食にするようにできています。                   ☆ 私たちの腸内では、この複合炭水化物という生命全体を燃焼・分解したときにエネルギーが発生します。 そのエネルギーこそ、生命維持の源です。 この生命エネルギーが腸内細菌や酵素の作用を得て、 食べ物が腸内で血液(赤血球)になり、 その血液(赤血球)が白血球や細胞となり、 細胞が身体を創り上げます。                                         さて、葉緑体には複数の葉緑素を含んでいますが、代表的なものはクロロフィルaです。 一方、呼吸ガス交換の担い手である赤血球の呼吸色素は、「ヘモグロビン」です。 これは鉄(Fe)を含む「ヘム」という色素と、「グロビン」という血液たん白質が結合したものです。 この「クロロフィルa」と「ヘモグロビンのヘム」との化学構造図が大変良く似ています。 つまり、前者の中央にはマグネシウム(Mg)があり、後者の中央には鉄(Fe)が位置している違いがあるだけです(下記に参考図書)。   これは推測ですが、食べ物(クロロフィルa)が腸内で「Mg」が「Fe」に転換されて、血液赤血球(ヘモグロビンのヘム)になったと言えるでしょう。                      ☆ 「食性」とは、その種が創造主によって誕生したときに「与えられた性」であり、素ッ裸の人間が素手で捕獲し、食べられる物(食べ物)です。 牛や人間の食性は「草食」ですから、この「草食」を前提にして、私たちの「生理」は適正に稼動しています。 さて、人間が道具・罠や火を使用して、他の動物を捕獲できるようになり、食べるようになったのは「食性」ではなく、「食文化」です。 つまり「肉食」は、本来の食性ではなく、本来の生理に適合しない「厄介者」です。 牛や人間の身体は、その大部分が「体たん白質」で創られていますが、すべて「植物」を材料にして組み立てられ、作られています。 これこそ「自然の摂理」であり「健全な生理」であります。 例え話をしましょう。 「鉄筋コンクリート造り」の建物を建築しようとしています。 「鉄筋コンクリート」でできているという理由から、「鉄筋コンクリート」を持ってきて、建物を建築しようとした場合。 まず、この「鉄筋コンクリート」を分解して、鉄筋・水・砂利・セメントなどに分解しなければなりません(厄介な作業です)。 これに要するエネルギーや費用は莫大なものとなります。 それでも、完全に分解することは不可能でありましょう。 このようなもので、建築された「建物」は、最早「建物」とは言えないモノです。 ですから、最初から、水・砂利・セメントを用意して、コンクリートを作り、これに鉄筋を組み合わせて「鉄筋コンクリート造り」の「建物」を作ったほうが合理的・効率的・経済的であり、完全な丈夫な「建物」が完成します。 もともと、熱帯付近に居た人間が、穀物の栽培に不適合なヨーロッパや砂漠に移動し、彼らが止むを得ず、穀物の代用食として肉を食べるようになっただけです。 人間の生理では、肉は厄介者であり、特別な消化酵素が必要であり、この酵素が少ない場合は、処理が後回しにされ、腸内で滞留し、そして腐ります。 「腐」という字は、「府の中の肉」です。 肉食をやり始めた人たちは、この腐った肉を早く排泄するために、山羊や牛など動物の乳を飲むようになりました。 「離乳」を終えた人間にとって「乳」は毒ですから、人間の生理は早く排出しようとします。 これが下痢です。 日本人でも牛乳を飲むと下痢する人がいます。 これは全く正常な生理です。 悪いもの・異物・毒が入ってきたので自然治癒力が作動して「急いで排出」してくれているのです。 つまり、ヨーロッパ・砂漠などに移動した彼らは肉を食べるようになり、結果、下剤として「乳」を飲む必要がありました。  人間もその食性は「草食」ですから、穀物や植物だけを食べて、生命を維持して、健康な心身を保つことができます。 ですから、日本人の伝統的な主食である「お米(玄米)」は「完全栄養食」の代表ではあります。 「お米(玄米)」だけではなく、「野菜」も「完全栄養食」です。 一方、肉、卵、牛乳・乳製品などの動物性たん白は、人間の食性に反するものであり、病気の原因となる「病因食」に過ぎません。                   ☆ 「人間の生理」の中枢は「腸」です。 ここで、唾液とグチャグチャに混ぜ合わされた「複合炭水化物」が腸内で、 消化・吸収だけではなく、 腸内細菌や酵素の作用を受けて、燃焼・分解・組み立て・転換・合成・再構築などを行い、生命に必要なものを創り上げている「転換炉」でもあるのです。 まさしく腸内は「宇宙」そのものです。                      「腸内細菌の話」光岡知足著 岩波新書には「パプア族の話」がありますので、下記に引用いたします。 この民族は普通、食事の96.4パーセントはサツマイモであって、魚や獣肉はほとんど食べません。 したがっていつもタンパク質欠乏状態で生きているわけですが、健康状態はよく、筋骨たくましい体格をしてよく働きます。 彼らは平均して毎日約2グラムの窒素(タンパク質にして10~15グラムに相当)を摂取しているにすぎないのですが、一方、糞便と尿から排泄される総窒素量は、この約2倍近くにもなるということです。 つまり排泄される窒素の約半分はどこから由来するのかが問題になるわけです。 現在、これに対する説明として、食物と一緒にのみこまれている空気中の窒素が、腸内細菌によってタンパク質に合成され、これを利用していると推定されます。  (中略) 人間はタンパク質を食物としてとらなければ生きていけないというこれまでの考えかたは、腸内細菌のはたらきを考慮にいれて、もう一度見直されなければならないところにきています。 (中略) 禅寺で修行するお坊さんの食事内容は、普通の人の摂るタンパク質の量よりかなり少ないようですが、ことによるとこの場合も、腸内細菌によって、空気中の窒素や食事中のタンパク質以外の窒素化合物、たとえばアンモニアや硝酸塩からタンパク質が合成され、それが消化吸収されているのかも知れません。 仙人がカスミを食べて生きている話も、実はそのカスミをタンパク源としているのではないでしょうか。(中略) 人間が断食したときも、3日目にチョコレート状の便が出て、ひとつのヤマ場を越し、禅でいう「悟り」の境地に入るといわれています。 腸内細菌も、このあたりで大きく変換し、カスミを利用する細菌が現れる時期かも知れません。                                 引用終了 これが「生命」たる由縁ではあります。 人間の体躯など、基本的には「口から肛門までの一本の腸管」です。 心臓や脳などは、この付属物に過ぎません。 現代栄養学や医学は「腸内」での、この一連の作業を知りません。 つまり、口に入る前に、その素材が持っている「栄養素」を分析し、それがそのまま、消化・吸収されていることを前提としています。 腸様、腸内細菌様の「活動」を知ることを拒絶して無視しています。 このような「生命への冒涜」を許すことはできません。 日本人の「飽食」も、定期的に訪れた「飢餓」に耐えてきた数十万年の歴史の中では、高々、約40年に過ぎません。 腸様は、この未体験の「飽食」の処理に追われ、毎日、まさに夜も寝ないで、残業残業の連続に、休む暇も無く、苦しみ、悲鳴を上げています。 その「悲鳴」「警告」「信号」こそ、病氣です。 これに「氣付く」ことでしか「病氣を根治」できません。 氣付いたご本人が、自分で、 若しくは「医者」からの「処方箋」に従い、 自然治癒力(恒常維持機能)を高めて「根治」していくしかありません。     参考図書:シグマベスト「理解しやすい生物1」江原有信編 文英堂1979年刊           

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