がんは感謝すべき細胞です。

2010/03/06(土)22:24

「減塩」よりも「自然塩」を

経済(134)

あらゆる生物の誕生の源は海です。 胎児は、太古の海を思わす羊水の中で育ちます。 人間の血液は弱アルカリ性ですが、これは塩の濃度で決まり、正常時には0.8%の塩分が含まれています。 まさに、塩は生命の源ですから、絶えず積極的に摂り入れて補給していかなければなりません。 幸いなことに、塩は塩辛いので、砂糖と違って摂り過ぎるということは滅多にありません。 「水で身体は壊しても、塩で壊すことはない」との格言もありますので、安心して塩を十分採ることが必要です。 しかし「塩害」がありますので、塩の「量」ではなく、塩の「質」を吟味しなければなりません。 昭和46年から製造されている「食塩」は、イオン交換樹脂皮膜電気透析法という化学的製法で極度に精製されています。 ですから、古来から作られていた「自然塩」が含有しているミネラル分を綺麗に取り除いた「化学精製塩」です。 この除去された部分こそ、多くのミネラル分が含まれています。 この「食塩」は、最早「塩」ではなく、塩化ナトリウム99.9%という純粋な化学物質に過ぎません。 このような「化学精製塩」を食用に使っているのは日本だけです。 もともと、ミネラルは土壌の中にありますので、 その土壌から栽培された農作物から採り入れることができます。 しかし残念ながら、雨の多い日本では、土壌中のミネラル分(特にカルシウム)が少ないので、これを補う必要から、海草や塩を太古の昔から摂取していました。 その「塩」は、藻塩(海藻から作られた塩)や流下式塩田による「自然塩」でした。 この塩田で作られた「自然塩」には、主成分の塩素を始め、ナトリウム・マグネシウム・カリウムなどのミネラルが豊富に含まれており、これこそ、日本人の生命に欠くことができない塩です。 ミネラルの必要量は微量で良いのですが、化学加工して精白してしまいますと、ミネラル分がゼロになってしまいます。 これらは最早、生命ではありません。 一般的に「食塩」として、財団法人塩事業センターから販売されいるのが「化学精製塩」、というよりも「化学物質」です。 ミネラル分を含まない「化学物質」は、血液を含む体液のミネラルの組成を混乱させ、体全体のミネラル代謝を狂わせてしまいます。 このミネラル代謝の失調は、がんを始め肥満、高血圧などの引き金となり、頭脳活動にも支障が起きます。 狂牛病の真の原因も、この「ミネラル・バランス」の失調にあります。 この「化学精製塩」に危機感を持った人たちが「伯方の塩」を製造・販売し、その他、現在、「天塩」「天日塩」などの「自然塩」が販売されています。 古来、日本人は本能的に塩が自分たちの生命にとって、大変重要なものであることを知っていました。 ですから、味噌や醤油、漬物などの発酵物から塩分を補給してきました。 ところが、現在、一般的には、日本では「減塩」が叫ばれています。 まず、第一の理由として「化学精製塩」は、超「減塩」、すなわち、採り込んではいけません。 第二、日本人は欧米の人たちに比較して塩の摂取量が多いので、「欧米に倣い」減らしたほうが良いという思い込みがあります。 しかし、先述したように日本の風土では、土壌中のカルシウムが少ないので塩という形で補給しなければならない事情があります。 更に欧米の人たちは、穀物の代用食(食文化)としての肉食ですから、その食肉からナトリウム塩を摂取していますので、わざわざ、塩を摂る必要が少ないのです。 このように風土が変われば、必要なものも違ってきます。 これが「身土不二」の原則です。 第三、これが決定打になってしまいました。 「都道府県別食塩摂取量と高血圧発生率」調査の中から、「高血圧の原因は塩分の摂り過ぎ」(アメリカのダール博士)と発表したことです。 その後、再調査の結果、「原因は白米の摂り過ぎ」と判明しました。 しかし、とき既に遅く、「減塩」というイメージは消えることなく、今日まで続いています。 ですから、安心して「自然塩」を積極的に摂り入れましょう。 穀菜食では、どうしてもナトリウム摂取が少なくなりがちです。 これを補ってきたのが、味噌、醤油、漬物、海藻、塩、これらの集大成としての「味噌汁」です。 味噌汁は世界最高のスープです。 味噌汁を加えることによって、一段とバランスの取れた「国際食」となります。 毎日、毎食「本当に、日本人に生まれて良かった」との実感を、噛み締めてください。 感謝

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