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カテゴリ:経済
いまでは台湾最大の穀倉地帯として潤う台湾南部の嘉南平野一帯も、日本の台湾統治が始まった頃は一面不毛の大地であった。
長い雨季には大地が水に浸り、乾季には水不足に悩まされて、穀物栽培には不向きな土地だった。中略 1920年(大正9年)、治水工事は着工された。(中略) そして十年後、ついに悲願は成就したのである。 完成した烏山頭ダムは、当時東洋一の規模を誇り、大地を網の目のように走る水路は実に1万6千キロメートル(万里の長城の約6倍)にもおよんだーこれを総称して「嘉南大?」と呼ぶ。 それは八田興一の執念でもあった。(中略) この嘉南大?の完成を喜んだ地元の人々は、感謝の気持ちを込めて八田興一の銅像を製作し、これを烏山頭ダムのほとりに建立した。(中略) 後藤新平が「台湾近代化の父」と呼ばれるのに対し、八田興一は「嘉南大?の父」と呼ばれ、毎年5月8日、八田興一の命日には嘉南農田水利会の人々によって、いまも墓前で慰霊祭がとり行われている。 以上は「台湾人と日本精神」:蔡 焜燦(さいこんさん)著 日本教文社 平成12年7月刊からの引用です。 著者の蔡 焜燦氏は、日本統治時代に生まれた「日本人」で、今は台湾に住んでおられる実業家です。 敗戦を岐阜陸軍航空整備学校奈良教育隊で迎え、「中華民国台湾青年隊」所属となり、「8月15日をもって"戦勝国民"という立場に祭り上げられた」という稀有な経験をお持ちのかたです。 土木技師・八田興一氏は、この「嘉南大?」という巨大水利プロジェクトの提案者で、総指揮者でもあり、当時は34歳の若さでした。 技術的にも不安の声が上がり、アメリカの土木専門家に再調査を依頼した結果は「日本の現在の技術では難しく、設計者の八田は若過ぎる、不可能な計画だ」と。 しかし、日本人技術者を育てるという判断が下され、八田技師の原案どうりに着工されました。 同ダムの寿命は50年と言われていましたが、約80年を経た現在でも水をたたえており「珊瑚潭(さんごたん)」として観光地としても賑わっております。 更に同書からの引用を続けます。 それでは台湾人と中国人の決定的な違いは何か。 「公」という観念の有無だ、と思う。 日本の教育は、台湾人に他の近代国家と伍して恥じない最高水準の道徳を身につけさせてくれた。 日本統治時代の道徳教育こそが、台湾人と中国人を精神的に分離させたのである。 日本統治時代、「公」という観念は徹底的に教え込まれた。 それは秩序ある法治社会を築き上げるためには不可欠な論理だった。(中略) ところが、中国四千年の歴史には、この法治社会の基盤たる「公」という観念が存在しない。(中略) 中国社会はすべてが「金」と「権力」の社会なのだ。(中略) 中国は、「軟土深掘」(土が軟らかければ、さらに深く掘る)という姿勢で、相手が弱腰な対応に出れば巧妙に付け込んでくるのだ。(中略) 民族対立は、悲劇を招いても決して幸福をもたらすことはないのだ。 これからは、本省人と外省人とが"台湾"という一つの国家の中で、同じ国民として、良き隣人として仲良く共存してゆかなければならないと私は考える。 つまり、台湾という島、台湾という国を"祖国"だと思う人は皆"台湾人"なのである。 引用以上 同書の末尾を飾る「日本人よ胸を張りなさい」は、同書の副題でもあります。 この節は全文を紹介させていただきたいのですが、容量の関係で抜粋させていただき下記に引用します。 これまで何度もふれてきたが、かつて半世紀もの間、歴史を共有してきた台湾で、いまだ「日本精神」(リップンチェンシン)が勤勉で正直、そして約束を守るというもろもろの善いことを表現する言葉として使われている。 それは、日本の先人達がその叡智をふりしぼって前近代的社会であった台湾を近代化させ、愛をもって民衆の教育に努めた成果なのである。 これは歴史の"事実"であり、戦後日本の進歩的文化人が振りかざすような希望的推測やフィクションとはわけがちがう。 台湾では我々日本語族の世代が、こうした日本統治時代の輝かしい歴史の側面を孫子の代にしっかりと語り継いでいる。 台湾人がもっとも尊ぶ日本統治時代の遺産は、ダムや鉄道などの物質的なものではなく、「公」を顧みる道徳教育など精神的遺産なのである。 こうした遺産は、台湾発展の基盤となり、またこれからも語り継がれゆくことだろう。 それゆえに、台湾人は、他のいかなる国の人々よりも日本を愛し尊敬し続けているのだ。 かつての日本人は立派だった。 公職に就く者の心構えは民衆の絶大なる信用を集め、人の生命を預かる者の使命感に人々は崇敬の念をいだいたものである。 いま一度、故(ふる)きを温(たず)ね日本人が世界に誇った「魂」を学ぶべきであろう。 どうぞ心に留めていただきたい。 "日本"は、あなた方現代日本人だけのものではない、我々"元日本人"のものでもあることを。 私は、台湾にやってくる日本人に説く。 「自分の国を愛しなさい」と。 自分の国を愛せない人が、どうして他人や他の国の人々を愛せるだろうか。 自らの祖先を敬い、親兄弟を愛し、そして、そうした人々が幸せに暮らす祖国を愛してこそ、世界の人々を愛せるのだ。 台湾には、日本がいまこそ学ぶべき"正しい日本史"がある。 どうぞ台湾に正しい歴史を学び、自信と誇りを取り戻すしていただきたい。 そして誇りある日本が、アジア地域の安定と平和を担う真のリーダーたらんことを願う。 日本人よ胸を張りなさい! 最後に「あとがき」から引用します。 「祖国・台湾よ永遠なれ!」 「かつての祖国・日本よ永遠なれ!」 私は、"二つの祖国"の弥栄(いやさか)を祈り続ける。 そして最後に、この書を、台湾の独立建国を待たずして永眠された諸先輩の霊に捧ぐ。 引用終了 私の祈りは 「"二つの祖国"が独立を果たす」ことであり、これに向けて、精進を重ねていく所存であります。 感謝 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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すばらしい話、初めて知りました。
有難うございます。 (2010.05.08 14:47:00)
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