2005/10/27(木)20:34
風魔GOTHポリス
最近読んだ本です。
いや、最近でもないですね。
むしろここ4ヶ月で読んだ本、かな。
風魔忍法帖
最近漫画やアニメや映画に引っ張りだことなっている、山田風太郎の忍法帖です。柳生十兵衛三部作以外は、あまり読んだことがないのですが、山田風太郎の作品はいつも妖しい面白さに満ちているように思います。
この作品もそんな感じ。
最初はだらだらと読んでいたのにいつの間にかハマっていました。
物語などについてはもう良く知られているので割愛(笑)。
アンドロメダ病原体
マイケル・クライトンの作品です。
映画化もされていますね。
病原体ものの物語なので、いつもの如く圧倒的な情報量でぐいぐい押し、クライマックスでガンと盛り上げるけど、キャラクターの描写が希薄、という感じです。
最後の方は結構面白かったですし、最初の掴みも良かったのですが、中だるみしているような気がしました。
読み始めてから読み終わるまで2ヶ月くらいかけましたからね・・・あんまり読む気がしなくて^^;
火刑法廷
ディクスン・カーの傑作と言われているミステリーです。
修習クラスのHさんが、カーは人物描写が淡々としているんで、時間をおくと誰が誰だか良く分からなくなる、一気に読まないとつらいんだよね、と仰っていましたが、全くその通りでした。
これも長いことかけて読んでいたので、途中で何がなにやら(笑)。
ですが後半は良い感じです。クライマックス、エンディングとおお、と思わせるところがあります。
Hさんは、最近の日本の作家はこの結末を安易に模倣しすぎてイヤだ、と仰っていましたが、たしかにこの結末は何度もやられると興ざめかもしれませんね。
密室・殺人
小林泰三の長編小説です。
これはミステリーものでした。ちょっと意外。
現実的な始まり方は好感が持てました。探偵が殺人(かどうか良く分からない)事件に介入することが通常ない、という事を前提にしつつ、うまく探偵を絡ませていくあたりそれなりに自然で好感が持てました。
ですが、トリックとかもそんなに際だって面白いというわけではなく、筋立てに『らしさ』を感じませんでしたね。
探偵の描写には『らしさ』が出ていましたけどね。
ちなみに火刑法廷の後にこれを挙げているのは・・・。
人獣細工
小林泰三の短編集です。こっちの方が、やっぱり『らしい』です(笑)。
これ前にも読んだ気がするのですが、本棚に小林泰三の本で入っていないのがこれだけでしたので購入してきました。前に買った奴は何処いったんだろ。
それはさておき、ある意味邪悪な表題作『人獣細工』に、皮肉な結末が嫌な読後感を誘う『吸血狩り』、クトゥルフ神話を彷彿とさせる独特の物語『本』の三部とも結構面白かったです。個人的には『本』が好きですね。
弁護士の仕事術・論理術
ある日、事務所に行きますと私の机にこの本が置いてありました。おお!ちょうど前日に買おうかどうか迷っていた本ではありませんか!
んでボス先生に聞いてみたところ
「知り合いからもらったんだけど、興味あったら読む?」
「いやあ、ちょうど昨日買おうかどうか迷っていたんですよ!」
「おお、そういうことならあげるよ^^」
ということで頂きました(笑)。
んで一読してみたのですが、なかなか面白い本ですね。役に立つかどうかはこれから分かることですが、もう何回か読んでみようかと思っています。
GOTH
乙一の作品です。
死体や惨殺などに興味のある少年少女が体験する物語、というとあんまりその本質を書いていないような気がしますが、作者の後書きの言葉を借りれば、この世に存在する妖怪と、その妖怪に匹敵する力を持つ怪物及び奇妙な出来事に巻き込まれやすい体質の女の子の物語、だそうです。
叙述トリックを駆使しているところがなかなか面白いですが、なんだかイマイチはまれないのは何故なんだろう、という感じでした。
死に損ないの青
こちらも乙一の作品。
ある意味ホラーな一遍ですが、短時間でさくっと読めて分かり易いお話しでした。乙一らしいひねりはないのですが、それも良い感じ。
個人的にはGOTHより好きですね。
メトロポリス
テア・フォン・ハルボウの作品です。
ていうか、フリッツ・ラングの映画『メトロポリス』の原作本です。原作者はフリッツ・ラングの当時の妻。彼女はヒトラーの政策に熱狂してユダヤ人であるラングと後に離婚しているのですが、これはまだ二人が仲睦まじかった頃の作品ですかね?
物語の筋は、大筋聞いていたのですが、改めて読むとなんだかもやもやしたものを感じます。途中まではなかなか良い感じなのですが・・・いいのか、この結末で(笑)?
ただ、メトロポリスの描写が素晴らしいです。
これはやっぱり、小説で読むよりも映画で見たいですねー。
塵よりよみがえり
レイ・ブラッドベリが55年かけて書いたファンタジー。
というか55年前からちょこちょこ書いていた、ある家と一族の物語を、つなぎの物語を加えて一本にした作品ですね。
題材が夜族の話ですのでダークファンタジーに位置するのかも知れませんが、なんとなくほのぼのとしていて面白い作品でした。