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カテゴリ:映画野郎Bチーム
出張の飛行機の中で見ました、映画版「ジェネラル・ルージュの凱旋」についてです。
映画版「チーム・バチスタの栄光」の続編と言うことで、原作の主人公田口公平が、女性の田口公子になっているのが最大の相違点ですね。このため、原作では友人であった田口とジェネラル速水が、映画版ではあまり接点のない関係になっています。 また、こうした設定変更の煽りを受けてか、姫宮は出てこないし、如月はいてもいなくても良いキャラになっちゃってるし、エピソードも随分はしょられている一方で、原作では起こっていない殺人事件が発生しているなど、原作をかなりアレンジしていました。 しかし、この映画版、意外と面白く作られていました。 本作最大のクライマックスをきちんと映像化してくれていることが、やっぱり良かったのだと思います。まあ結構この部分も改変されてはいるのですけどね。 キャストに関していうと、まず主人公コンビである田口と白鳥は、原作とはかなり違うキャラクターになっていました。いっそ名前も変えちゃっても良かったんじゃない? ってくらい違うキャラ。・・・ではあるのですが、これはこれで良い感じ。 主人公の田口公子。昼行灯に見えて、その実思慮深くデキル男の田口公平とは違う立ち位置のキャラといわざるを得ませんが、やる気はないけどその人格からどことなく憎めないという造形は結構良いですし、竹内結子のとぼけた演技もあってかなり可愛らしい、良いキャラになっているように感じました。 他方の阿部寛白鳥も、原作の「ロジカルモンスター」「火喰い鳥」「ゴキブリ」といった印象とは違いますが、ちょっと変わったキレモノというキャラは悪くない造形だと思います。 それから沼田=高嶋政伸、佐藤=山本太郎も原作で受ける印象とは違うキャラに感じましたが、これも悪くない。 速水=堺雅人、花房=羽田美智子、三船=尾美としのりあたりはなかなかはまっていたような。ただ、キャスト的には、院長の國村隼と、マコちゃんの野際陽子のハマリッぷりがベスト。田口公子とマコちゃんの関係も、女性同士の気楽さがあって、原作とは違った良さがありました。 と、まあ、全く期待していなかった割には面白かったので、上記のように書きましたが、実は脚本的にはいくつか問題がある。これは尺の問題で省いたところだとは思うのですが、最後の田口の処分の意味。あれはやっぱり途中で説明しないと、原作読んでる人には分かるけど、初見の人からすると「それなんか意味あるの?」ってなってしまうと思うんですよね。 以上のように、映画は映画として結構面白かったですけど、やっぱり「ジェネラル・ルージュの凱旋」に関しては、原作通りの映像化作品を見たかったなあと思うんですよね。田口と速見と島津の友情が熱くて良かっただけに、この要素が欠けてしまっているのが惜しい。そういう意味では同じく分量の点でエピソードを削っているけど要素をあますところなく切り抜いた漫画版はかなり良かったんですけどね(ただこちらは肝心のクライマックスがちょっと残念)。 テレビドラマなどで、ただし、連続ドラマじゃなくて2回くらいに分けた前後編みたいな形で、原作に忠実な映像化作品を作ってくれないものかなあと思っております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/06/24 10:13:17 PM
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