宇宙のかたすみで。

2017/05/23(火)21:34

不忘閣 その2

宿泊(1102)

  本館へ。 下りは楽だが遠い。 西別館で1階へ降りて、   ロビー。 フロントわきの大湯の木札はやはり無い。 左奥の金泉堂へ。   藩政時代、伊達藩主を警護する家臣の控室として使用され、明治39年に焼失、翌年に復元され、芥川龍之介、与謝野晶子・鉄幹夫妻など数多くの文人が宿泊した建物。 今は無料のマッサージ機置き場、休憩所、2階は食事処となっている。 外から見ると、立派な明治浪漫の洋館、木造2階建て。 明治の頃の青根温泉最盛期を彷彿とさせる。   さらに進んで隣接して大湯。 以前の宿泊の名残かレトロな洗面所。   左側には有名な大湯(正宗の湯)。 1528年開湯以降、伊達家代々のお殿様や客人が浸かり、頭をよくする効能をもたらした。 8~20時が女湯、20~8時が男湯なので後で。   その奥に本館 湯屋。 こちらも焼失して昭和初期再建だと思う。 大浴場の御殿湯があるが、戸の手前に貸切半露天の亥之輔の湯。 空いてれば自由なんだが、どうやら宿のスリッポンがあれば空いているらしい。よく見たら緑の方には不忘閣と書いてある。 というわけで、スリッパを置いてスリッポンに履き替えて右の戸を開けて外へ。 分かりづらいのでスリッポン履かないでスリッパのまま入っていく人もいたなあ。   脱衣所というかただの半畳ちょっとの狭い部屋。 内鍵をかけて、茶室のような小さい扉をかがんで入る。   近年造られた一番新しい石の半露天で、二人でなんとか入れるぐらい。 源泉掛け流し熱めで無色透明まろやか。 明かりとりと山の斜面の石垣と緑が少し見える。 長居できるお風呂じゃないんでだいたい空いてたな。   大浴場の御殿湯へ。 手前と奥にあり、時間で男女交替制。 8~20時は奥が男湯、20~8時は手前が男湯。入口の紙に書いてある。   けど、これじゃ分かりづらいよね。色分け暖簾とかもないし。 さらにホムペの情報も少ないし、部屋にある説明書きにも時間帯書いてないし、全体にちょっと不親切な宿な気がする。 年配客多いし、みんな何度も確認してから入ってた。 ちなみに御殿湯は、伊達政宗公の入湯に際し殿様専用の木造浴槽を造ったもの。   脱衣所こぢんまり。 木の内湯はそこそこの広さ、御殿湯は宿で唯一シャワーと洗い場があるお風呂なんだがシャワーは一個のみ。混んだら大変だなと思うが、部屋数少ないしお風呂が何カ所もあるからか時間帯ずらして入ってるからか合うことはほとんどなかった。   木の湯船は窓からの光で明るく、源泉掛け流しでほどよい湯がざーざーと注ぎ続けて心地よい。 正宗も浸かって見たという石垣というか、大湯源泉のコンクリと山の斜面だけど、秘湯っぽさはある。 杓子で飲泉すると、うすめやさしめの温泉の味。   本館の湯屋にも古い部屋はあるが、使われておらず休憩所みたいになっている。 まあこの古さと狭さでトイレなしだと湯治客ぐらいしか泊まらないけど、いまや湯治は絶滅品種だし。   湯屋の2階にも部屋があるがやはり使われてない。 ちなみに外から見ると、本館 湯屋の右手前に大湯(昔の公衆浴場だったときの入口は壁になっている)、奥に古い2階建ての本館が横たわっていて、更に山の方に青根御殿。 道路側にはやってないけど不忘閣売店、さらにその左奥に別館の屋根も見えるがやってない。 金泉堂の方に戻る。 帳場もみたがまだ大湯の木札は帰っておらず。 喫茶去(きっさこ)金泉堂。   民芸品、骨董品、資料、雑貨などいろいろ。 ツレと合流して、   でん六豆、揚げ饅頭、こんにゃく、そして地酒の蔵王。 うれしいフリーコーナー。   蔵王はしっかりめ飲み口よく甘み少し、こんにゃくはばっけ味噌で、揚げ饅頭は田舎の味。 ドリップコーヒーパック、冷水もある。   窓の外は、見事な慶長時代作り 流れ山水の庭園。 丸池の向こうには青根御殿、庭園の山の方には離れ 不忘庵、右には西別館。 往年の青根の大旅館を思わせる。   帳場に行って、まだ木札は無し。 一組30分までだけど拘束ないし、3組ぐらい先に入ってたからなあ。 かといって階段のぼって部屋に戻ってまた確認に降りての繰り返しはきつすぎ。 ツレにはマッサージでもさせて、オレだけ新館の方へ。   新館。といっても今は客室は使われていない。ここもトイレ共同だからだろう。 廊下は綺麗にしてある。 で、途中で下に降りると、   地下に新湯。 8~20時が男、20~8時が女。 脱衣所こぢんまり、改装され綺麗。 石風呂もこぢんまりで、伊達政宗が入った当時の石組のまま。 ここに浸かって正宗も明かり取りの光を浴びたのか。 行くぜ 東北、伊達浪漫。 上がって、帳場に戻ると、ついに蔵湯の木札があった。 ツレを呼びに行って、   蔵湯の札を置いて、戸を開けて入って、内鍵かけて、通路を奥へ。   草履にはきかえて、通路に明治時代の土蔵が4つ立ち並んでいる。   間に大崎八幡宮。 蔵は昔は客室としても使われ、芥川龍之介も宿泊し執筆したと言われている。 最奥の蔵湯へ。2006年にできた。   中は大きな蔵。 壁と床は総檜張りで端に脱衣篭、もう一方に湯船があるだけ。当時の様式を再現したんだろう。 しかし、天井も高く、梁も太く、大きい。圧倒される。 意外とあったかい。 檜風呂も大ぶりで4人はゆったり入れる広さ。 源泉掛け流し、ほどよい湯加減、無色透明まろやかちょいつる、檜の香り、そして立派すぎる蔵。 正宗は、大湯、御殿湯、新湯に浸かったが、現代人は土蔵まるまる貸切で温泉にひたれる。 まさに殿様気分。最高だ。 貸切では日本最上級、唯一無二のものだ。 8時までで深夜とかは空いてるんだろうが、夕夜朝は人気が殺到するのも分かる。 新湯、蔵湯源泉。   あとは、金泉堂で酒を飲んで、マッサージ。 現代人は恵まれすぎてるなあ。   ただし、酔うと94段の階段がきつい。 他の人もフーフー言いながら上がってたよ。 やっぱ次来るときは西別館だな。

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