カテゴリ:ボーイズ・ラブ
出た~っ!これは最高傑作です!
前作の『蛇淫の血』も最高だったけど・・これはそれを上回っております。 凪斗の体中にとぐろを巻く双頭の蛇の刺青、奈良千春さんが妖艶にしっかり描いてくださってますっ! 『蛇恋の禊』沙野風結子/奈良千春 リンクス ロマンス 2008年4月30日発行 平凡な美大生の青年が、22歳の若さで岐柳組四代目の看板を背負う過酷なお話です。 角能によって半ば強制的に次期組長に据えられた凪斗であったが、角能を愛してしまい、角能を我が物にすることを条件に全てを受け入れ、凪斗は角能と盃を交わした・・割り盃・・それは二人が今生の終わりまで断たれる事のない絆を約束するものだった。 凪斗は確かに、三代目岐柳の大蛇の血を受け継いでいた。 それは覚醒されつつあり、凪斗が時折見せる極道のトップたるに相応しい気質が普通の凪斗の中に見え隠れする。 それは、凪斗の中に普通の青年・円城凪斗と極道・岐柳凪斗の、二つの人格があるようだった。 四代目襲名も目の前に迫り、角能の凪斗に求める目も厳しくなり、甘えも許されなくなり、凪斗は本来の人格(円城凪斗)を否定されたと思ってしまいます。 行き場のない凪斗の心は、凪斗が以前に角能への恋心を描いた抽象画『初恋』に向けられます。 そんなある日、凪斗を狙撃した弾が凪斗の祖母を襲い、凪斗の目の前で殺された・・。 凪斗をガードしていた折原も、凪斗に届いた郵便物を開けた瞬間爆発して指を飛ばされる大怪我を負う。 自分に関わって、もうこれ以上犠牲者を出したくない・・角能にもしものことがあったら・・そう思うと角能を近づけてはいけないと、自然に角能を避ける凪斗。 自分を避けるのを、自分から離れたがっていると誤解した角能は、自分より『初恋』の絵に縋って泣く凪斗を見た瞬間、怒りで凪斗を無理やり抱いてしまいます。 精神状態も危うい凪斗を三代目は「脱皮できない蛇は死ぬ」と厳しく突き放し、襲名披露は近づいていきます。 組を束ね、角能を守りたい一心から、事故をきっかけに凪斗は円城凪斗の人格を封印させてしまう。 「角能さん」から「尭秋(たかあき)」と下の名を呼び捨てるようになった凪斗・・ゾクリとするほどの色香も漂い、あの甘えた美大生の凪斗はいなくなった。 四代目の襲名披露も終え、凪斗は頭角を現し、若いながらも岐柳組四代目をりっぱに務めていた。 そんなある日、岐柳組は抗争に巻き込まれ、凪斗は敵対組織に拉致されてしまうのだった・・。 前作で凪斗を殺そうとして破門にされた薬中の実兄・辰久も現れ、凪斗は実兄に抱かれ、生命を脅かすほどの大量の薬を打たれてしまう。 角能に助け出された凪斗は、ショックと薬のために感情が欠落してしまっていて、自分の命も何もかもどうでもいいと思ってしまう・・そんな凪斗に、角能は衝撃の行動に出る! 角能は『初恋』の絵に火をつけ、抱き込み自らも炎に包まれた! さあ、さあ・・角能は、凪斗は、どうなるのでしょうか・・? 凪斗の人格は・・? 昨晩、寝る前に少しだけと思って読んだ本が面白くて、とうとう最後まで読んでしまい、気がつくと4時でした・・。(反省) 最近読んだ本の中で一番、面白かったかも? 途中で、凪斗が自分の刺青の蛇に侵食されるシーンがあるのですが・・、これが見物ですっ! 実にエロい・・奈良千春さんのイラストがたまりません! 『禊』の由来は、蛇の脱皮からきていて、蛇が身を削ぎ落とす行為、それが身削ぎ・・禊になったらしい・・。(本の中で語られている) こうして、凪斗も禊をして、一回りも、二回りも大きくなった。 私の満足度★★★★★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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