2012/06/07(木)14:10
『なぜヤギは車好きなのか?』
『なぜヤギは、車好きなのか?』
新聞の紹介コーナーで、このタイトルを読んでから気になって仕方がなく、とうとう買ってしまった。
設立されたばかりの鳥取環境大学の動物行動学が専門の小林朋道先生は、思いつきで「キャンパスでヤギを飼ってみてはどうですか」と言ったところ、授業が終わった数分後には部員数20名ほどの「ヤギ部」が誕生していたそうです。
先生は大変な事になったと思う半面、面白い事になってきたという期待感もあり、早速1匹の子ヤギをもらってきた。
子ヤギの名前は『ヤギコ』。
『ヤギ部』に『ヤギコ』、学生たちの実にダイレクトな命名に先生は感心する。
ヤギコの入部から8年目に入部してきた『クルミ』と『ミルク』の母娘ヤギが実に興味深い行動をとっていた。
クルミとミルクは大学の駐車場の車を1台1台のボディや車内を点検するのだ
それはまるでヤギたちが
「こいつ車変えたなー。頑張って高級車にしてるじゃない。」
「この人はいつも内装のセンスが悪いのよねー。」
と、言ってるんじゃないかと思わせる仕草だった。
動物好きな私ですが、そういえば・・・あまりヤギの事は知らないなぁ~と思いました。
でも、何でヤギは車が好きなんだろう?
もう、それが知りたくて知りたくて仕方なく、その一心でこの本を買ったといっても過言ではありません。
ヤギコの入部から6年目に入部してきた母娘ヤギ『コハル』『コユキ』など、個性豊かなヤギ部員たちが色々とやらかしてくれるエピソードが面白い。
出会いがあれば、必ず別れもやって来る。
子ヤギの頃、犬みたいに懐いていたヤギコは大きくなるにつれて次第に女王様になってヤギ部に君臨する。
気が強く、生徒たちからも恐れられていたヤギコであったが、その行動からは本来の甘えん坊な様子など言葉は通じなくてもヤギコの心理がわかってくるようです。
そんなヤギコは高齢のため、今年2月に息を引きとった。
先生をはじめとする生徒たちとの信頼関係や愛情が感じられ、最後には大泣きしてしまいました。
悩みを抱え、ぼんやりヤギコを眺めにくる生徒さんなど・・ヤギコは創立間もない大学をずっと見守ってきたのかも知れません。
発砲スチロールのヤギをヤギは仲間だと認識するのか?
ヤギは好物の草を目で認識するのか?嗅覚で認識するのか?
ヤギの角突きには、どんな意味があるのか?
とにかく観察好きの先生は、フェレット対ヤギ、園児対ヤギにも興味を示します。
そんな細かい観察や数々のおもしろ実験は、さすがに動物行動学の先生だと感心させられます。
それで「なぜヤギは車好きなのか?」って
う~ん、それはここでは言えません。
興味ある人は是非、この本を読んで一緒に考え、納得してください。