ロナウジーニョのしている白黒ブレス
サッカーの好きな人ならもうとっくに知っているとは思いますが、多くのプロ・サッカー選手がつけている、スタンド・アップ・スピーク・アップラバーバンドのことはご存知かと思います。この白黒のリングが何を意味し、選手達がどんな気持ちでつけているかを。先日もこんなニュースがありました。ファンの人種差別的行為で、ステアウア・ブカレストに処分CL予備戦で、ステアウア(ルーマニア)のサポがアイルランドの選手に人種差別的な嫌がらせを繰り返したというもの。有名なものでは、昨年11月に行われたスペインVSイングランド戦でのアシュリー・コールに対する嫌がらせがあります。海外、特にヨーロッパでは白人VS黒人というわかりやすい差別構造が見えます。だから、アンリやロナウジーニョらが率先して、人種差別反対のブレスをつけて、熱くなりやすいサッカーのサポーターにアピールしているのです。先日見た試合で、私の応援しているクラブのサポが、相手クラブの外国籍の選手や日本人選手を「外国籍」であると罵っていました。外国籍だから何?という気もしますし、そんなことサッカーに関係ないじゃんと思います。いくら敵チームとはいえ、そういうことを大声で言って楽しいのでしょうか。同じクラブサポとして、自分も低いレベルの人間に引き摺り下ろされたようで、ひどく気分を害しました。日本でももっと野次に対し、きちんと取り締まればいいのに。いくらなんでも言っていいことと、悪いことがあるし、国籍を揶揄することは、差別意識をこめた嫌がらせにしかならないのではないでしょうか。あんな野次をいう人間には、このSpeak up, Stand upブレスの持つ重い意味はわからないのでしょうね。いや、存在すら知らないか。アメリカで一番有色人種に対し攻撃的なのは、Poor Whiteという極貧の白人層だと聞いたことがあります。彼らにとってすがりつく唯一のプライドは、自分が白人であるということ。だから、濃い色の肌の人間がいい暮らしをしているのが許せなくなるyらしい。野次る人もそういう精神構造なのかもしれない。日本人であることしかすがるものはなく、社会的にも、金銭的にも、ルックス的にも負けているから、国籍のことを揶揄するしかないのかな、とも。学生時代、同じサークルに李くん(仮名)という同期がいました。彼の出身地は、うちのクラブの本拠地。在日ですが、このホームタウンで生まれ育ち、もしかしたらサポになってるかもしれない。李くんがこうした野次を聞いたらどう思うんだろうか、李くんの親戚も住んでいるはずだし、もうサッカーを見に行けるくらいの子どもがいたっておかしくない。自分のクラブの応援のたびに、こんな野次を聞いたら、どういう気持ちになるだろう。李くんと知り合う前には、在日の人が自分の身の回りにいなかったため、見た目には全然日本人と変わらない在日の人の苦労を全く知りませんでした。就職活動の時期が近づいた時、何気なく、「李くんはどこ狙ってるの? 何関係の会社?」と聞いたら、「俺、リクルート活動はしないよ」と。あまりにあっさり言ったので、「え? お勤めしないの?」と無知にも明るく聞いてしまいました。「あのさ、俺、在日だから。一般企業を受けても国籍ではねられるんだよ。受けても無駄だってこと」と。今はそうでもないけど、私の学生時代はそういうところも少なくなかったようです。さらに、賃貸住宅はなかなか貸してくれないから、どうしても在日の人が建てたアパートに住まねばならないことや、結婚への不安も語ってくれました。のほほんと生きてきた自分には、日本にまだそういう目に見えない差別があることにショックを受けたものです。人間って、いざ自分の身になってみないと、身近にいないとわからないかもしれない。だからといって、無知のまま、国籍差別を大声で言うのが許されるわけではありません。多くのサッカー選手がつけている白黒ブレスの意味、サッカーが好きなら理解してほしいです。もうスタジアムであんな汚く品性のない野次は聞きたくありません。差別は白と黒というはっきりしたものでなくても、同じ黄色いもの同士でもしてはいけないもの。私は自分のクラブのゴール裏しか知らないけど、他のクラブもこういう人いるのでしょうか?本当に情けないです。