2013/01/18(金)02:19
デジタル簡易無線について(2012/12/30改訂版)
前回3月にアップした内容に確認ミスがありました。
その後入手した情報を追記して改訂版を作成しました。
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無線周波数プラン見直しが数年前から行われています。
総務省発表の最新版(2012/10/10発表)(↓)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02kiban09_03000153.html
概要と個々の詳細については(↓)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000179385.pdf
http://www.soumu.go.jp/main_content/000179386.pdf
※アマチュア無線の割当ては全世界的に取り決められているので、簡単に変更できません。
ただし、割当てバンド内の運用プラン見直しは日本でも行われています。昔使えたけどいまは別のモードで運用されているとかありますので、最新の情報をチェックするようにしてください。
周波数割当てについては、下記を参照下さい。
(諸外国の割当てもチェックできます。一部リンク切れあり。)
http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/freq/index.htm
参考までに台湾のアマチュア無線のバンドプランは、こちら(↓)
http://www.ctarl.org.tw/bv5ya/english_old/introduce2.htm
日本のアマチュア無線のバンドプランはこちらのほうがわかりやすいです。(↓)
http://www.jarl.or.jp/Japanese/A_Shiryo/A-3_Band_Plan/bandplan20090330.pdf
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ここ最近で一番変化しているのが「簡易業務無線」です。
従来から使われてきたアナログ式簡易業務無線の使用期限が
平成34年11月末までとなり、新たに設けられた「デジタル簡易無線」に移行します。
従来のアナログ簡易無線は陸上での使用しか認められていませんが、
デジタル簡易無線はパラグライダーなど上空でも使用できます。
(ただし、どちらも海上での使用はダメ)
すでにデジタル簡易無線機に移行している、現在移行対応中のパラグライダーエリアがありますので、調べてみました。
デジタル簡易無線機の概要は下記を参照下さい。(↓)
http://www.soumu.go.jp/soutsu/hokkaido/E/cr/index.htm
(1)周波数は?
上空で使用可能な周波数は「5つ」です。(種別コードは「3S」のみ対応)
350MHz帯の「351.16875MHzから351.19375MHz (5ch)」です。
※具体的には、
[1]351.16875 MH
[2]351.175 MHz
[3]351.18125 MHz
[4]351.1875 MHz
[5]351.19375 MHz
(2)出力は?
出力は「1W」に制限されています。
出力「5W」で使える351MHz帯の無線機「3R」と、上空で使える「3S」とはお互いに交信できません。使用チャンネルの割当て周波数が異なるためです。アイコムやバーテックススタンダードは、上空用のチャンネルも受信できる「3R」無線機を商品化しています。
(3)免許期間は?
免許制ではなく登録制です。有効期間は最大5年です。
有効期間満了3か月前から1か月前までに再登録の申請が必要です。
(4)包括登録
レジャーなど向けにレンタルができるなど柔軟な運用が可能になりました。
無線機を2台以上一括して登録する場合は包括登録の手続きができます。
(5)廃止届/変更届
無線機1台1台に登録番号があり、それぞれに電波利用料年間500円(登録申請の場合) / 450円(包括登録申請の場合)がかかります。
よって、
無線機を使わなくなった場合は廃止届、
開設届の内容に変更があった場合は変更届、が必要になります。
使わなくなった無線機の廃止届を忘れると電波利用料の請求がきますよ~。
※手続き面倒だからって、登録申請しないで使うのはやめたほうが良いです。
「呼出名称記憶装置を備え、呼出名称を電波発射後ただちに自動的に送信する。」
と規格されているので、登録しているかしていないかのチェックは簡単にされます。
デジタル化によって、登録済みか未登録か即バレるようになっています。
※アンテナ
上空使用できる(3S)のデジタル簡易無線機はアンテナ交換できません。
アンテナが折損すると修理になりますので、あまりラフに扱うと大変です。
陸上用(3R)のデジタル簡易無線機はアンテナ交換できます。
ただし!「技術基準適合証明で登録」されたものだけです。
「形式、構成、利得が合致していないと厳密には非合法」になります。
アマチュア無線と異なり自作アンテナは使用できません。
アンテナは各メーカーから発売されています。
http://www.diamond-ant.co.jp/product/business/digital.html
http://www.comet-ant.co.jp/products/handy/index.html
上記以外の詳細は総務省及び北海道総合通信局の下記ページを参照下さい。
http://www.soumu.go.jp/soutsu/hokkaido/E/cr/dwn10.htm
http://www.soumu.go.jp/soutsu/hokkaido/E/cr/dwn11.htm
http://www.soumu.go.jp/soutsu/hokuriku/img/resarch/digital-kanni/hokokusho/chapter1.pdf
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/bunkakai/pdf/080326_1_si1-2.pdf
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/shoden/pdf/080118_1_2-1.pdf
包括登録、個別登録・・・難しいですねぇ。
包括登録はまとめ買いなどでメリットあるかもしれませんが、そのあとの管理を考えると・・・。
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2012年12月現在、上空使用可能なデジタル簡易無線機は、
バーテックススタンダード「VXD291S」(生産終了)、「VXD450S」の2機種のみです。
VXD291S、VXD450Sとも実機をみていますが、新しいVXD450Sを(現時点では)おすすめします。VXD291Sでみられた音声遅延が大幅に改善されています。
1社独占では価格は高止まりになってしまいますね。
アイコムやケンウッド、アルインコから発売されないでしょうか~。
バーテックススタンダード / VXD450S
http://www.yaesu.com/jp/business_index/product/vxd450s/index.html
ケンウッド
スカイレジャー用として「TCP-233W FT450」がありますが、これはアナログ式・・・。
http://www.tohatsu.co.jp/bousai/pdf/catalog/disasterprevention/disasterprevention/A010.pdf
http://musen.ynex.co.jp/gyoumu/GCR/TCP-223/tcp-setu.pdf
※デジタル簡易無線の知っておきたい大事な問題点。
デジタル簡易無線には秘話機能や個別・グループ呼出機能がありますが、キャリアセンス機能により電波を受信しているときに送信ロックがかかり発信できません。導入にあたっての総務省の検証結果によると、隣接チャンネルの抑圧はアナログ波ほど影響は受けないようです。
http://www.towa-inc.net/1f/5f/gdr3500-cs.htm
http://www.towa-inc.net/1f/5f/cr-di.htm
http://www.soumu.go.jp/soutsu/hokuriku/img/resarch/150mhz/hokokusho/chapter4.pdf
※デジタル簡易無線の規格
http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_tushin/tsushin_std-t098.html