恋愛病院『ラブホスピタル』

2005/05/23(月)10:37

忘れる。わけがない。

けろたんのつぶやき(35)

その再会は 再開への扉を 開く鍵になります。 ふたりで、ひとつ かもしれない 他の誰かと かもしれない それでも 開かれるのです あたしも あなたも ------------ 「ふたりなら、たくさんのサプライズがある!」 そう思っていた、唯一のひと。 「この人となら、ミラクルがある!」 そう信じた、唯一のひと。 片瀬萩乃が存在して、今この場にいるために 必要不可欠な存在である、そのひと。 決して良い別れ方をした人ではありません。 ふたりにとっては「つらい別れ」だった。 そのひとと、2年ぶりに再会したのです。 そう。 “合いすぎる”、その人。 土曜日、偶然…いや。 お互いが望んだ結果なのかもしれません。 会うことが出来たんです。 ◇ ◇ ◇ 友人3人で、飲みに行ったんです。 その近くで偶然飲んでいた、その人。 3人のうちの1人が、その人と会社が同じ。 なので、飲んでいることは知っていた。 「会社の人と、飲んでるんだって。今日」 友達が、あたしに言った。 「萩乃と飲んでるの。今日」 友達が、その人に言った。 「挨拶に行こうか?」と言ったあたし。 「少し顔を出せよ」と言った、その人。 あたしがよく行く飲み屋と、 その人がよく行く飲み屋が 偶然にも同じ。 あたしは、その場所で飲んでいたわけではない その人が、その場所で飲んでいた。 そして、その店の前で会った。 2年ぶり…でした。 「久しぶりやなー!」 そう言って、手を出してきた、その人。 笑顔で2年ぶりの再会を果たした。 友人は、中にいる人たちに挨拶をしに行った。 そしてふたりになった。 ふたりになった瞬間、その人は 「あんな、俺。お前に言わなあかんこと、あんねん」 そして、もう一度握手を求めてきた。 あたしは笑顔で「なになに?」と言って、握手をした。 「ほんま、ありがとな」 彼は、あたしの目を見た。 「お前がおったから、つよなれた。変わった。 どうしても、お礼が言いたくて。 悪いけど、俺は一生お前のこと忘れられへん。 ほんまに悪いけど、お前のことは忘れへんで」 あたしは、握った手をぎゅっと握り返した。 「んとね。出版したよ」 「おめでとうな。聞いたで」 「あんたの家に行って、渡したかったわ」 「なんでやねん!(笑)」 「自慢してやりたかったの。見てみろ!って」 「お前らしーな(笑)」 相変わらず言える。 この偉そうな態度。 でも、それ以上に伝えたかった。 「…。あんたがいなかったら、出版できなかったから」 「なんでや???」 「出逢っていたから、頑張れたの。 出逢っていたから、ライバルになれたの。 出会っていたから、目標になれたの。 だから、ありがと」 少しだけ、話をして ふたりは、別々の場所に行った。 それぞれの、恋人の待つ場所に。 一生、忘れるつもりのない人。 一生、忘れたいとも思わない人。 一生、一生。

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