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2026.05.06
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 昨年改定されたひきこもり支援に関するガイドブック「ひきこもり支援ハンドブック~寄り添うための羅針盤~」は現在、ひきこもり支援の現場で運用されている。これまで運用されていたのが2010年発行の「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」であり、そこでは「ひきこもり」の定義を「原則6か月以上にわたり過程にとどまり続けている状態」と明記していた。この状態を支援するモデルとして、精神医学を中心とした取り組みに重きを置き、支援の末には社会参加と就労が目標だった。この流れの中で、私も要支援者向けの学びの場「みんなの大学校」で、ひきこもりの方の支援では、学びを社会参加と位置づけ、学びを通じた様々な活動が就労にも結び付く設計であることを自治体に説明するなどで、このガイドラインに対応する形を示し、「学び」への理解を求めてきた。その形は学びのゴールを就労にしなければならず、窮屈さを感じたのも事実である。
 これは外形上の定義の上に、それを医学への対応を促して、社会参加に結びつけようとするガイドラインは、行政措置時代の障がい者支援の枠組みを当て込んだようなもので、これが不自然さの原因となった。そして、新しいガイドブック。旧式の感覚は行政に残りつつも、確実な前進ではある。この四半世紀は、その枠組みありきの支援であった。2001年の「10代・20代を中心とした『ひきこもり』をめぐる地域精神保健活動のガイドライン」では、ひきこもりを「多様性をもったメンタルヘルス(精神的健康)に関する問題」とし、2010年の期間の明記に加え、「現に支援を必要としている、精神保健・福祉・医療の支援対象としてのひきこもり」とし、現象であると同時に支援対象であることを示した。そして、今回のハンドブックとなるが、大きな転換として、名称を「ハンドブック」にしたのは「個別的で最適な相談支援を実現することに裁量性と柔軟性が必要となることを考慮」したものである。
 新しいハンドブックは、ひきこもりの定義を「何らかの生きづらさを抱え生活上の困難を感じている状態にある」「家族を含む他者との交流が限定的(希薄)な状態にある」「支援を必要とする状態にある」の本人やその家族(世帯)とし、その期間は問わないと明記している。さらに生きづらさは「その人自身が感じている固有のもの」であり、限定的な交流も「その状態は多様」であるとし、支援が必要な人の内面に焦点を当てたのは大きな変化だ。さらに「支援を求めている場合だけではなく、自ら支援を求める声を発することができない場合も多々ある」とし、支援側は受動的な活動だけではなく、積極的なアウトリーチも求められると同時に適切なコミュニケーション能力も必要であろう。これらの定義は結果的に支援モデの中心は福祉と地域となるのが必然となり、結果、ひきこもり支援の目標を、これまでの社会参加から、本人の意思による自律とした。
 ハンドブックでは、この自律について「本人のペースに合わせながら、本人やその家族が、自らの意思により、自身が目指す生き方や、社会との関わり方等を決めていくことができるようになること(自立ではなく自律)としました」とし、自律を「本人の尊厳や主体性、自尊感情を回復する意味」と説明し「その自律に向けたプロセスを本人と支援者が共有しながら一歩ずつ進むことを目指す」と説明する。自分が自らの生活を運営する自立ではなく、自分の意思決定により行動する自律に重きを置くのは、心を焦点にあてた結果として当然ではあるが、それを一人で行うのは難しい。より支援者の活動が試されることにもなる。ハンドブックは141頁にも及ぶが、5つの姿勢、6つの留意点、50にも及ぶポイントのほか、30の事例が示され、実際の支援に役立つ内容になっている。約150万人(2023年)いるとされるひきこもりの支援の新しい展開が期待される。
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学びで君が花開く! 要支援者のための学びの場「みんなの大学校」
一般社団法人みんなの大学校 (minnano-daigaku.net)
引地達也の公式ブログ「やさしい未来」はこちら
http://plaza.rakuten.co.jp/kesennumasen/
ニュース屋台村
http://www.newsyataimura.com/
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執筆者紹介 引地達也(ひきちたつや)
みんなの大学校学長
フェリス女学院大学准教授(新聞学博士)
一般社団法人みんなの大学校代表理事
Care-Media Labo共同代表
文部科学省障害者生涯学習推進アドバイザー
国連NGO,JACE上席研究員
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意見・感想・質問・相談等 ⇒ Hikichi.shalom@gmail.com
(毎週水曜日発行)ジャーナリスティックなやさしい未来
発行:引地達也





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Last updated  2026.05.06 08:17:30
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