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2018.06.20
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 先日、とある講演を依頼され、その際依頼主が「引地さんには魔法の言葉がある。話さなかった人が、引地さんと面談をすると、話すようになっていく」と話されたので、私は慌てて「魔法はありませんよ」と否定してみせたのだが、客観的に私がどう見られて、そしてどう表現されているかは、なかなか自分では分からない。私のイメージが誇大化していくのもよくないし、期待させてしまうのも、できなかった時の失望を考えると、やはりよくない。これを機会に自分自身を見つめ直し、「魔法」と言われる部分を冷静に分析しようと試みたら、妻から「これでしょ」と示されたのが、池見酉次郎箸の「続・心療内科 人間回復をめざす医学」(中公新書)にある「自分OK、他人もOK」の考え方だった。

 

それは心療内科医療の手法の1つである「交流分析」の、他者に対する基本的な構えである4つのパターンで、上記に加えて「自分はOKではない、他人はOK」「自分はOKではない、他人もOKではない」「自分はOK、他人はOKではない」がある。OKとは、役に立つ、いい人間だ、生きるに値する等、「肯定する」ことで、自分を肯定できず、他人も肯定できなければ、なかなか希望は見いだせない。またどちらかが肯定され、どちらかが肯定されない場合は、その格差は自然と関係性のぎこちなさを招く。やはり「自分OK、他人もOK」の自分と同じく他者を肯定することが理想的だ。考えてみれば、私は人を「否定する」という選択はない。そもそもその発想もない。そこから出る言葉は、もはや「魔法」であるということなのだろう。

 

なるほど。そんなことを考えると、スピッツの歌う「魔法のコトバ」(詞・草野正宗)の歌詞がリフレインしてくる。「魔法のコトバ 二人だけにはわかる 夢見るとか そんな暇もないこの頃 思い出して おかしくてうれしくて また会えるよ 約束しなくても 会えるよ会えるよ」。これは恋人など心が近い二人の物語のようであり、普遍化できる信頼の関係性をも含む広い世界観のようにも思う。ここから、私が相談を受ける格好でお話をする際の情景ともシンクロする。それは常に、私と相手がまずは「現在」に立って、その悩みの原因となっているだろう「過去」を一緒に振り返り、そして「未来」を見て終わること。未来を見ることは、「また会えるよ」というメッセージでもあり、希望と置き換えてもよいかもしれない。

 

それをスピッツは「魔法のコトバ」と歌うが、私には魔法の言葉はない。誰もが魔法など持っていない。夢のないような話になってしまうから、魔法ではなく希望ならある、と言えばよいだろうか。ただ、何かの言葉を「希望」として差し出すことはもちろんしない。対話の中で交わされる言葉に「希望」を見るかは相手次第である。こちらが接する言葉が空疎だったり、根拠がなかったりすれば、その言葉は希望になりえないことを知っているから、丁寧にその人と向き合い、謙虚になって言葉を選んでいく。だから魔法ではなく、真摯に人と向き合うことしか私には出来ない。これまでも、これからも、そうだと思う。

 

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引地達也が関わる就労支援移行事業シャロームネットワーク

http://www.shalom-jp.org

 

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執筆者紹介 引地達也(ひきちたつや)仙台市出身。一般財団法人福祉教育支援協会専務理事・上席研究員(就労移行支援事業所シャロームネットワーク総括・ケアメディア推進プロジェクト代表並びに季刊「ケアメディア」編集長)、コミュニケーション基礎研究会代表。

 

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意見・感想・質問・相談等 ⇒ hikichitatsuya@yahoo.co.jp

(毎週水曜日発行)ジャーナリスティックなやさしい未来

発行:引地達也






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Last updated  2018.06.20 18:22:52
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