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沖縄には「かめ~かめ~」と言う言葉があります。
よくお年寄りが使うのですが、親戚の家に遊びに 言ったときなど、そこの長老様が、お菓子や 飲み物などを勧めてくれるときに 「うりん、かめ~、ありん、かめ~。」 (これも食べなさい、あれも食べなさい。) と、言って家にあるものをどんどん出してくれます。 ま、言ってみれば 「どうぞ、どうぞ、遠慮なさらずに」 と、いう感じですが、その年代の方に沖縄の方言で 言われると、ちょっとした、威圧感が無きにしも非ず・・・。^^; 沖縄は過去の戦争でたくさんのものを失いました。 家や家財道具はもちろん、大切な家族までも。 でも、残されたものは食べていかなければなりません。 悲しみに浸る間もなく、襲ってくる空腹感は大変なもの だったことと思います。 例え、お金があっても食べ物がありません。 当時の人は、芋の葉やつる、食べたら危ないとされていた 植物、かたつむりなどで食いつないだ時期もあったそうです。 その時のアンマー(お母さん)が、今のお年寄りなんですね。 自分のお腹もそこそこに、子供たちの食べ物を心配するアンマー。 今、自分も親になり、食べ物も豊富で、毎日何の心配もなく家族で 食事ができると言うことは、あの時代の方から見ると、ありがたく勿体無い ことなんだなぁ・・・と思います。 ・・・と思いますが! 今は亡き主人の祖母もまさにその時代を生きぬいた人で、 結婚した時期、お中元の挨拶などに行くと、とても喜んでくれて、 冷蔵庫の中から色んなものを出してきて、冒頭の 「かめ~かめ~攻撃」でした。 歓迎してくれているのは嬉しく思いながらも、出してくれるものが これまた、おばぁ~の感覚で、プリンあり、スイカあり、牛乳あり・・・。 とどめが何故かミミガー(豚さんのお耳)の味噌和え。 お皿やコップが空になるとまた台所へ立つので、食べるのも怖い。 でも、食べずにいると「ぬ~が、かまんが?」(なんで、食べないの?) と来る。 ・・・これはお客としては怖いおもてなしだったりする。^^; 主人の母に話すと、当時子供だった母もその気持ちはわかるそうで、 今ではすっかりおじさん、おばさんと呼ばれるくらいの年齢になった 我が子や孫が、ちゃんと食べているかはいつも気になるそうです。 『食べ物がない』と言う一つのトラウマなんでしょうね。 今、飽食の時代に生きている私達は「量より質」を重視し、太りすぎに 注意を払っていますが、祖母や母の時代はまさに「質より量!」。 とにかく、好き嫌いせずに残さず食べなさい、何でも食べなさいと言います。 レストランなどで残すと必ずお持ち帰りです。 そして、食べ物が何の心配もなく得られる時代に生きている我が子は、 皮肉なことに、どちらかと言うと食が細い方でした。 長女10歳の小さい頃は、好き嫌いはないのですが、量が少ないんです。 初めての子育てで、ちゃんと食べさせなきゃと思う私は、 「もっと食べなさい。これも食べなさい。」と、泣きそうな娘に無理やり 食べさせていました。 私もやっちゃっていたんですね、「かめ~かめ~攻撃」。 しかも、おもてなしとは違い、無理強いだけにもっと怖い。 私だけではありません。主人もそうでしたし、時々食事を一緒にする 舅、姑もそうでした。 「ちゃんと食べないと大きくならないよ!」とか 「全部食べ切れたら、○○買ってあげるからね」とか、脅したり賺したり。 そんな日が続いた中、娘が食事直後に「おぇ~~」と吐きました。 きっと娘にとっては拷問に近いものがあったのでしょう。深く反省。。。 『食べられない』ならまだしも、『食べる』と言うことをトラウマにしてどうする・・・。 食事はおいしく、楽しく、それでいてバランスも摂れていたらばっちり! どんなに素晴らしい栄養満載の食事でも、無理強いされたり、 暗い会話の中でだと、美味しさも半減。栄養も半減。 いろいろと工夫した結果、お陰様で食事時間が苦痛だったように見えた娘も、 少しずつ回復(?)し、今ではこちらが止めるぐらい、よく食う、よく食う。。。^^ その経験は下の息子2人にも活きています。 「かめ~かめ~攻撃」。 昔のお話を教訓にしつつ、今の時代にうまく対応して上手に使っていきたいものです。^^ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年02月13日 07時47分43秒
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