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2006年10月16日
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カテゴリ:小説・詩など
 俳句・短歌をしたためる。
 この新米の美味しさをどう表現すればいいのか分からない。
 この気持ちを如何表現しようか。

 俳句だと
『枯れ野にて新米を炊く炎かな』

 短歌だと
『新米を彼氏の為に枯れ野にて炎を見つつ……』

 鉛筆を回しながら考えていた。
 う~ん、まぁそんな所かな。
 ラジオの短歌にはこれで応募しようか如何しようか悩んでいる所ですよっと。
「彼から電話ですよ」
「は~い」
 もう携帯にしてくればいいのに家電同士だったら安いとの訳分からない理論で家に掛けてくる。こちらに掛けると当然家族が出るでしょう。もう家族には知られていて、良いだけどちょっと古風な感じかもしれない。
「もしもし、うん元気だよ。何?」
「今度の日曜。うん空いているよ」
「じゃ、何時もの待ち合わせ場所に九時、分かった」

 日曜日レストラン。
「え~。それじゃ。行けないじゃないの。もう約束、予約してたじゃないの」
「ごめん、どうしても駄目なんだ。本当にごめん」
「どうしても」
「あぁ」
「分かった。ちょっとトイレ行って来る」
 慌てているようだ。
「うん」
 トイレに行った後には一枚のハガキが落ちていた。
 それを拾う。そこには短歌の応募ハガキだった。ちょっと読んでしまった。
「ごめん。遅くなったね」
 その顔は明らかに泣いた後の顔だった。目と目の周りがそれを物語っている。
「うんうん、大丈夫だよ」
「今回は行けなくなったけど。これも新米だからこれで善しとしよ、ねぇ」
「うんうん、ごめんな」
「う~ん美味しい新米最高だね」
 明るく新米を口一杯に入れている姿を焼き付けていた。

 俳句・短歌の時間です。今回紹介するのはこの短歌です。
 珍しく彼女の短歌に彼氏からの返歌もありましたので一緒に紹介します。

 彼女さんから
『新米を彼氏の為に枯れ野にて炎を見つつ笑顔の私』
 彼氏さんから
『新米を一緒食べ枯れ野には忘れぬ思い最高の君』

 いいですね。彼氏と彼女これからもこのいい関係を続けて欲しいものです。それと彼氏さんのコメントには『枯れ野より新米よりその気持ちだけで最高だから』と書かれていました。


<おわり>





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最終更新日  2006年10月16日 00時07分14秒
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