昨日の部長さんたちとの飲み会はけっこうショッキングな体験でもあった。帰ってきてから鬱に入り、悲観的な気分から抜け出すことができない。昨夜はよく眠れなかった。たまらず主治医のところへ駆け込んで話を聴いてもらった。
僕には僕なりのMBAくずれとしてのプライドがあって、部長さんたちに僕なりの意見を言えたらいいなあ、などと思い上がっていたのだけれど、現場で汗水流して頑張って身に着けたふたりの知恵の前には、ビジネススクールで必死こいて勉強したことなんてペラペラの紙切れみたいに思えた。何も言えずただ彼らの話に聞き入る自分が情けなく思えた。ただ、彼らの現場の知恵と、僕が学校で学んだこととが符合している点もあったから、学校でやったことが役に立つとすれば、会社に対して僕の学んだことで貢献するというよりも、僕自身が今の会社のことを理解する助けにする、というふうな役立て方になるのだろうと思った。現場経験豊富なたたき上げ相手にビジネススクールの理論を振りかざしたところで反感を買うだけである。とにかく謙虚に一から教えを請うという姿勢しかない。プライドの高い僕にはこれはとっても辛いことである。
仮に僕が父の跡を継ぐとして、経験の豊かな昨日の部長さんたちみたいな人たちの上に立ってうまくやっていけるだろうかと思うと不安で、ひどく悲観的になる。いや、上に立って、という考え方自体が思い上がっているのだろう。虚心坦懐に彼らの声に耳を傾けて、盛り立ててもらうことができるように人間的な魅力を磨き、また会社の仕事も覚えていかなくてはならない。ここでの僕はMBAくずれなどの肩書きでは通用しない。ただの新入社員なのだ。これはものすごく辛く厳しい現実である。
主治医の先生は、厳しい現実を突きつけられた僕の苦しさをよく理解してくれた。これから現実に直面すると今回のような形で鬱に入ることはしょっちゅうあるだろう、そうやって強さを身につけていくのだ。今の謙虚な心を忘れなければいい跡継ぎになれそうだね、と言っていた。しばらくバイトを休むことも薦められた。
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Last updated
2004年08月16日 16時08分47秒
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