Khushi Shanti 愛しの花ぱん

2011/06/23(木)20:26

ごんたものがたり

このこは福島県浪江町出身のごんたです。 震災後およそ3ヶ月間、避難所となっているある体育館脇の駐車場の車の中で寝泊まりしていました。 避難所にはいろいろありますが、その中でもこの体育館での生活はキツイ部類に入っていると思います。 (私たちの普通の生活にくらべたら、どれだけ辛い状況なのか、、、) 一緒に避難生活を送る家族がいなかったり、その家族が入院している「独り身」の方達がここでは多かったです。 板で仕切った区切りの中で雑魚寝、どれだけこの状態が続くか分からない中、不安からギスギスした空気も生まれていました。 そんな中でこのごんちゃんはこんな笑顔でした。 ごんちゃんのお父さんはご入院なさっていて、ごんちゃんはお母さんと二人でこちらの避難所に身を寄せていたのです。 お母さんは毎日毎日お父さんのいる病院にお見舞いに行き、ごんちゃんのお散歩の後はこちらの水道でタオルを濡らしてごんちゃんをきれいにして(周りの避難者の仲間に嫌がられないように、できるだけ綺麗にしていました)、寝る時はごんちゃんとお母さん一緒に車の中で。 ごんちゃんはごんちゃんで必死にお母さんを守っていたそうです。 地震と津波のショックから、とても神経質になっていて、車に誰か近寄れば激しく警戒していたそうです。 それでも、一旦安心出来る相手だと分かれば、この笑顔です。 「ごんちゃんと離れるなんて考えられない」とおっしゃっていたお母さんからある日電話が来ました。 ごんちゃんが入院しているお父さんのお見舞いに病院に行ったときに、消毒液などの匂いにパニックになったのか、お父さんを噛んでしまったと。 「噛んだ相手がお父さんだから良かったけど、これが避難所にいる他人様だったら、ごんちゃんは保健所に連れていかれてしまう。 お金は払うから、なんとか『ドッグトレーナー』をつけてほしい」と。 『ドッグトレーナー』はおいといて、、、とりあえずJEARSで預かります。とお約束をして、JEARS福島チームがお迎えに行きました。 お迎えに行った時は、お母さんが大事にしていたバケツ一杯の「ごんちゃんお泊まりセット」を渡されたようです。 ブラシやタオル、JEARSが前回渡したフードやおやつやおもちゃなど。 お母さんはその日涙、涙。。。 JEARSチームも心で涙、涙。。。 どんなに愛されているか、ごんちゃんのお顔を見れば分かります。 ちなみに同じ避難所にいたももちゃんも、自主避難区域から東京に来ていたチロSr.もそれは愛されていて、いいお顔をしています。自然豊かな場所でのびのびと愛情を受けながら育って来たんだな~。 信じられないくらいの過酷な経験の後でもそのキラキラな瞳を見ると、 愛する人が側にいることがいかに大切かが身にしみます。 反面、ごもっともな理由で長時間のお留守番の間閉じ込められたり、過度にフリフリなお洋服を着せられたりカフェに連れていかれて飼い主を楽しませる道具?と疑ってしまうような、コンクリートジャングルで生活している無表情なわんちゃん達とどうしても比べてしまいます。。。比べるものでもないんだろうけど。。。 ごんちゃんとももちゃん ごんちゃんのお迎えの様子は、JEARS福島チームのアレックスさんが記事にしています。 こちらをクリック→ さて、ごんちゃんはその後どうなったか? お母さんとお父さんの生活が少し落ち着くまで、JEARSの徳島のシェルターでお預かりするはず、、、 だったんだけど、、、 その道中お仕事で自宅に戻ったJEARS福島チームリーダーのSさんが、同行していたごんちゃんがSさんのベッドに直行してスヤスヤと眠りだしたのを見て、 「ごんちゃん、シェルターに行くのはやめてここに一泊しなさい」と泊まらせた後、 シェルターではなく、東京のスタッフの家に移し、そこでしばらく居候生活をしていました。 (それをお母さんに電話で伝えたら、お母さんは周りに人がいるスーパーの中で大泣きしてました) その間なんとお母さんが「ペット可 仮設住宅」に当たりました。 お父さんも退院しました。 その間も毎日毎日お父さんとお母さんから「ごんちゃんどうしてる~?」「ごんちゃん、いつ返って来れる~?」 と電話攻撃(笑)が。 お父さんとお母さんが仮設住宅へのお引っ越しを済ませた後、ごんちゃんも晴れてそちらへお引っ越ししました。 福島チームリーダーのSさんも、ごんちゃんを預かってくれたJEARSスタッフのSちゃんも、東北→徳島→滋賀→東京の距離をたびたび一人車で行き来していて、 あげくの果てに人間よりも車が悲鳴を上げる始末。 翻訳スタッフのMちゃんも、本来のお仕事が「クビ」になる危機に陥りながらも、ヘルプコールがかかれば動いてしまうという。。。それで東京に戻ったその足で着替えもせずにそのままお仕事に向かったりしてます。 先に紹介したアレックスさんも、もともと所属している愛護団体はもうそろそろ日本から撤退することを決めたというのに、「まだまだ!」と独断と自費で日本に残って頑張ってくれています。 少ないメンバーでそれぞれが限度を超えて頑張ってパンク状態です。ちゃんと休んでいるのか、本当に心配です。 ごんちゃんのお父さんお母さんはそんなメンバーを見て来てくれているので、 ご自身はもっと大変なのに、仮設住宅でお寿司をごちそうしてくれそうになったり。。。 お母さんなんか、JEARSのスタッフとして、周りのペット連れている避難者の方達にいろいろ聞き込みをしてくれたり、必要なものをリストアップしてくれたりしました。 おかげでどれだけ助かったか。(大きい声では言えませんが、二本松市の動物病院やお役所はあんまり、、、協力的ではなくって、、、ごんちゃんのお母さんとそのお仲間はそんなことをまるっとカバーしてくれるくらい協力してくれました) 本当にお気持ちがうれしいです。 少しでもこんな人たちと同士になりたい。そんな想いです。ごんちゃんがそんな気持ちにさせてくれています。 ごんちゃん、お父さんとお母さんの元に帰れてよかったね! ごんちゃんはとってもいいこだから、これからは仮設住宅のみなさんを癒してくれる大切な存在になるでしょう。 被災地からのわんにゃんを一時お預かりしてくださるボランティアさん募集中。 特に猫、中型犬以上の犬、東北から関東にかけてお住まいの方、 どうぞお力をお貸しください。→

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