テーマ:フォモサ台湾(472)
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午前零時、先ほど家に戻ってきた。
ルームメートが帰省したこの家はとても静かだ。 ただ、外の雨の音だけが聞こえてくる。 興奮して何から書いていいか分からないが、とにかく私は今日、歴史の一ページに居合わせたのだ。 それがたまらなく嬉しい。 阿扁が見事再選を果たした。 確定得票、阿扁・647万対連戦・644万(無効票33万あまり)。 得票率、50.12%対49.88%の接戦だった。 投票率は80.28%(前回82.69%)。 (中央選挙委員会発表、台湾時間午後9時現在) 国民投票は、残念ながら全有権者数の半数に達せず、成立しなかった。 私はこの日、午後から近くの小学校へ投票の様子を見に行き、その後友人と落ち合って、他の投票場の様子を見た。 そこは、珍しく、空き家を利用した投票場だった。 道に、たくさんの人が並んでいた。 投票終了時間の4時前、民進党総本部へと向かう。 5時過ぎに到着。 すでに人がたくさんで、後からもどんどんやってくる。 ステージ前に行こうとしたが、人波の途中で進めなくなって引き返した。 その時点で、阿扁が2万票ほどリードしていた。 グッズなどを一通り見て楽しんだ後、国民党総本部に行ってみることにした。 両陣営の総本部は、大通りを2つはさんだ向こう側。 その距離約1キロ。 楽に移動することができた。 が、その間2箇所に二重のバリケードが設置されていた。 暴動防止というか、両陣営の衝突をさけるためだろう。 国民党総本部に着くと、そこはコンサート会場のようだった。 友人の話では、本物の歌手を呼んで盛り上がるようなのだ。 ちゃっかり「連戦頑張れ」と歌っている歌手もいた。 そこでは、連戦がややリードしていた。 後で分かったことだが、民視と中天など以外は連戦リードの集計を出していたらしい。 ネット朝日新聞も終盤で逆転という風に報道していた。 現場にいた私の認識とは違うので、かなりの違和感があったが。 7時過ぎ、阿扁陣営のすぐ近くの食堂で、テレビを見ながら夕食を取った。 群集の歓声や花火の音などが聞こえる。 依然として阿扁リードだ。 未開票地域は27地域中8地域(だったか?)になっていた。 それが、4地域、2地域となった。 心がはやり、「まだ大丈夫よ」という友人をせかして、店を出る。 民進党本部に戻ると、もうテレビの集計は映し出されていなかった。 観衆が沸いている。 前にも後ろにもたくさんの人がいる。 その長さ300メートルくらいか、もっとか、よくわからない。 8時頃、すぐ後ろで突然爆竹が鳴り出し、花火が上がった。 火の粉がこちらにまで降り注いでくる。 皆が叫んでいる。 当選か? アナウンスはその時まだなかった。 間があって、司会者が勝ったのだと叫び始めた。 再び群集が沸く。 花火があがる。 司会者が、明日新しい台湾に向かって「おはよう」と言おう、と言った。 皆、晴れ晴れとした顔をしていた。 その後、国民投票の結果が出るまで話は続いた。 けっこう待った。 友人が、結果が悪くて、中々発表しないのかもしれないと言った。 結果、その通りになってしまった。 「失敗」、だった。 この結果が今後の台湾にどう影響するのか、実はよく分からない。 見守っていくだけだ。 10時前、副総統・呂秀蓮が車椅子で現れ、松葉杖を使って立ちながら話し出した。 その中で、前日発砲された時、爆竹が当たったと思った、と語った。 その後、阿扁が現れた。 始めの演説では元気がないように見えたが、2回目の時には、いつもの調子を取り戻したようで、両こぶしを上に突き出しながらスピーチしていた。 それとも、始めの方は正式なものだったのかもしれない。 元気そうで、安心する。 後で連戦が投票無効を訴えていることを知ったが、大人気ないと感じた。 民主制の選挙で結果が出ているというのに。 今後を見守ることにしよう。 この2日間、どぎまぎしたが、吉報が得られて本当によかった。 明日起きたら、「台湾、おはよう」と言おう。 新しい台湾の始まりだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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