道成寺
歌舞伎もオペラも観なくなって久しいので新たに別の舞台芸能でも観てみようか、と思いたち能楽 道成寺 をネット鑑賞セリフさえわかれば難しいこともない能楽は、亡き祖母がやっていて宝生流だったかなお師匠さんみたいなこともやっていたのでその縁で、能楽堂に舞を見に行ったことも何度かあったのですがわけがわからず、眠くなることも多かったそもそも何を言っているのかわからないので まだ英語のほうがわかるのではないだろうかという・・・ですが、言葉さえわかれば大丈夫何も知らない人でもそれなりに楽しめると思いますさて能楽 道成寺 はご存知 安珍清姫物語 の後日談であります道成寺では、清姫の執心によって鐘が壊されてしまったわけですが長いことなかった鐘をようやく再興し新しい鐘の落成を祝い、鐘の供養を行おうとしていたところとある白拍子(舞女)が寺にやってくるそして、鐘の供養に舞を踊ろうと申し出る住職からは、女人は絶対に寺に入れてはならぬ、と言われていたのに能力(寺男)がその白拍子の舞を見たくなり、ついつい招き入れてしまう喜んだ白拍子は、烏帽子を頭につけて、釣り鐘の前で特異な動きの舞をする・・・「乱拍子」春の夕暮れ あたりの寺々の鐘がなる日の終わりを告げる鐘の音にさそわれて 花が散る 花が散る月は落ち 鳥が啼き 霜の気配が天に満つる海の満潮も引き 寺の近くの村の漁火が憂愁を想わせる刻人々は眠気に誘われていくすると 白拍子の女は豹変し・・・「急の舞」「よい隙だ」と狙いすまして、鐘に近づき撞こうとする「思えばこの鐘、恨めしや」と言い放ち竜頭に手をかけ、飛び上がるように見えたが、引き担いで、鐘の中に消えてしまった・・・キイロ編訳実は、この白拍子には物の怪が憑いていたのですね清姫の霊が取り憑いていたのだ再び鐘が釣り上げられると、火を吐く大蛇と化した物の怪が正体を表すでは「乱の舞」から「急の舞」へ 激しく動き回り、頭の烏帽子を打ち捨て、鐘を落とし入り込むまでの様子を御覧ください54分から57:46あたりで烏帽子を扇子で打ち飛ばすところが、個人的にはお気に入りですこの後、落ちた鐘から般若の面をつけた大蛇が出てきますが世界最古の舞台芸術と言われ、数百年の歴史のある能楽だけにあたかも六百年前の悪霊が蘇ったかのような貫禄でしたなにぶん年季が違いますくわばら くわばら御興味のある方はご覧になってください道成寺 台本https://methodea.biz/iscc/noh-kyogen/Noh_Dojoji_1.pdf苔のむした梅の枝年季が入ってます