なまけもののさとりかた
前回紹介した本にはいじめる側の人間に向けての、いくつかのメッセージも載せられていたがやはり頭の中の了見が狭いのだないわば意識が収縮してしまっているような状態<収縮 ↔ 拡張>という意識の状態から、人間を、人生を捉えようとする試みもある「なまけもののさとりかた」タデウス・ゴラス意識が収縮した塊の状態にあると、自他、内外の境界線が濃厚になるその境界線では攻防の戦が尽きない自分の領地を守ろうとして必死攻められたときには、そのぶん、領地を挽回しようとする東の領地を強大な敵に奪われたでは西の領地を増やそう 西国は自国より弱いのでそれがときにいじめ行為となっても現れるいじめをする人間は、いつも周辺国に怯え、小国の領土を護るのに必死な領主のよう収縮した意識状態においては無駄に敵を増やす外にあるものには否定的な態度にならざるを得ないしかし、なにかを否定し続けると、否定されたものはますます強大化してしまう当の本人が敵を作り、餌を与えて大きくしているので、永遠に逃れることのない恐怖が続くまた、収縮した意識状態においては、内にあると思っているものを抱え込んで手放そうとはしない 出ていくものは裏切り者とされる常にその心の休まることがないときにその攻撃の対象が中心にある自分に向かうときすらある 自暴自棄そうすることで、内と外のせめぎあいから開放されると思っているから破壊衝動のコントロールも効かなくなってくる自分が作り出した境界戦の幻、空に気付けば、そんな虚しいことをする必要もないのに意識の収縮と、反対の方向にあるところの意識の拡張というのはちょっとイメージがしづらい抗わない精神 とも言っていたとはいえ、それは何事をも甘受する、というものではない 無抵抗主義というわけではないのでそれでは自己を否定することにもなりかねない拡張とは、意識が遠く広く地平線に、等しく広がった状態たとい否定的な状況にあっても、それらを包みこんでで巨視的に見る視座を失わないことまことに難しい境地だけど、それが本来の愛にもつながると語られていたいわゆる東洋的な思想とか、神秘主義にでも触れていないとわかりにくい世界超現実的で、メディテーションでもするとき以外には受け入れがたいようなあえていえば仏教で言う空観にも近いだろうか最近、世間では、大谷の活躍ばかりが目立って伝えられますねそれを見て称賛したり 憧れたり なかには 騒ぎすぎだ 思う人もいるでしょうけど拡張の意識をつきつめると彼は自分である ぐらいの感覚にまでなってしまう世においては、誰も彼も基本的には等質で、何らかの条件が組み合わさって、一人の人間が目だって見える現象もあるが、それも全体の一部であるに過ぎず、なおかつ全体であり、自分も全体の一部であり、なおかつ全体である。それゆえ、その一部を切り取って、崇拝することも、否定することもありえないといった反応になるかなりトリップした感覚です異常といえば異常ちなみに仏教で言う空観はこの世に、ただそれだけのみで存在できるもの(実体)はないという見方 全ての個々の存在は他との関係性の上に成り立っていて、常時変化していくものであるとする絶対不変のものとか、個が消え失せた世界これが変に歪んだ方向に行くと、個の存在や生命を軽んじてしまいかねない別に死んでしまってもいいではないか 殺してしまってもいいではないかとかなので、仏教の中観派では、空観の反対に、仮観というのを設けます仮観とは、個々のものにはそれなりの役割や意味があるとする見方 しかしこの仮観が度を越すと、先にいった収縮の状態に陥りやすいまた、個々のものに絶対や永遠の意味を与えて、妄想や煩悩が膨らんでしまいかねないなので、空観と仮觀の間に、中観をもってきてバランスよく、中観で、物事を見るようにしようととはいえ、そもそも、我々は、放っておけば、収縮 仮観 の状態になってしまうものなので仏教ではまずは空観を体得することを徹底します利己の愚かしさを説く老荘思想とかも、「道」を設定してしまう点で、厳密には違うところがあるかもしれないが、個にわだかまることがないという点において、拡張に近いだいたいにおいて、東洋思想のベースには、そんな世界観があります前世紀のクリシュナムルティの神秘体験でも似たようなことが語られていたところでクリシュナムルティで面白い話を知った前にお話した「エイリアンインタビュー」で、彼は米軍から招かれて宇宙人とコンタクトしたそうだそのとき宇宙人は反応してくれなかったそうだけど ときの米軍がクリシュナムルティを人選するというのも面白いなと結論をいうと自分の設ける内外の境界線をあらためて気にしてみようそれは、現実には、あってもいいものなのだけどあまりそこに心理的には囚われすぎないようにしようそれから、何かを否定すると、そこにさらにエネルギーを与えてしまうことになる自分において、その存在がかえって大きくなってしまうので、注意しよう といったところこれは、いじめをする人へのメッセージでもありますこのような説明の仕方はまるでしていませんが「なまけのもののさとりかた」という本では、だいたいこんな事が書かれていますもやもや~っと書かれているので、ちょっと内容が掴みづらいですがキーワードは「収縮」と「拡張」 そして、その間にある「エネルギー状態」となりますJAL機の横っ腹に大谷の顔ワールドシリーズまでいっちゃいましたね