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キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

キータン.

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2008.04.06
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カテゴリ:ガキの頃


     /4桜.jpg

ここ四、五日、身体の調子が悪くベッドに寝続けている。
寝続けているというより、気力がないのでベッドに倒れている。
抗ガン剤の影響がじわじわと効いてきているようだ。

折角の花時というのに、花見さえも行けない。
ベッドに座り小さな窓から外を眺めている。
隣の玄関口にあるサクラが満開だ。

「春だよな。今年の春が過ぎて行くよな」
そう思いながらふと思った。
今の若者には、「桜坂」「サライ」「桜」などのサクラの歌が多い。

私の若い頃にサクラの歌があつただろうか。
そう思いながら口ずさんでいる自分に気づいてはっとした。

 ♪桜、桜、弥生の空は見渡す限り、
  霞か雲か匂いぞいずる、
  いざや、いざや、見にゆかん


完璧に一番を歌い終わうことができた。
今、こうやって、唄うと驚きである。

この歌を小学校の時に唄ったのだ。
「霞か雲か匂いぞいずる」
匂いぞいずる、当時の小学生に意味がわかったのであろうか。

「いざや、いざや、見にいかん」
私を含め小学生が列をなして唄っていたのである。
うん、いざや、いざやと叫びながらね。

花見の会場では呑んだくだれたおやじさんの誰かが
きっとこの歌を口ずさんでいるはずである。

戦後、白い桜に夢を見たに違いない。

おやじさんは何度かの夢に破れたのであろうか。

夢の破れた数の多い人ほど強くなれる。
嘘だ……そう、ぼやいていた友人がいたよな。ああ。

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Last updated  2008.04.06 17:55:50
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