まりことリンリン~♪

2014/07/09(水)18:43

アリソン・ケイト 『嘘つきな唇』

読書(147)

嘘つきな唇 (ランダムハウス講談社文庫) アリソン・ケイト ≪内容紹介より≫ 身分を偽り、姿を変え、命をかけて祖国を守るエリート諜報員集団SG-5。メンバーの中で最も寡黙な男、クリスチャン・ベインは新たな任務を前に苦悩していた。とある犯罪組織に捕らわれた人質の救出。通常ならばそれほど困難を伴う任務ではない。だが今回の相手は、かつて彼を瀕死の目にあわせた国際犯罪組織スペクトラ。しかも作戦上、敵方の美人秘書を誘惑しなければならず…。超セクシーなSG-5シリーズ第1弾。 退役軍人のスミッソンが統括するスミッソン・グループに所属する 5人のメンバー(だからSG-5)を、一人ずつ主人公に据えたシリーズ。 当初は5作でシリーズ完結だったのが、とっても人気があったため 新しく入ったメンバーを主役にして続編が数作でているくらい人気があるのだそうです。 著者はハーレクインでは濃厚と言われているBlazeというレーベルで活躍されているようでして、 この作品でもそういうシーンが多いです。 あらあら、そんなにがっつかないのよー、と言う感じ。 それも、女性がかなりガツガツしている感が否めません。 日本に比べてはるかにその手のことに開放的、自由なお国柄なのでしょうが ここまで女性が直ぐに欲すると、ちょっとちょっと、 もう少し慎みってもんがあってもいいんじゃないのー、と思ってしまいます。 対して、今回任務で他人に成りすましているヒーローのクリスチャンは、 過去の任務中、女性に裏切られ、生きること、正気を保つことすら難しいほど 過酷な状況下におかれたことから、 簡単にはヒロインを信じることが出来ずに、自問自答を繰り返す (髪をグシャグシャかきむしり、あ゛―――――って叫びだしたいくらいじゃないかな)。 ところが、自分が成りすましている男は、女性と見れば見境なく手を出す男で、 任務に徹するためには、さっさとヒロインを抱いちゃったほうがいい。 だけどクリスチャンとしては、他人に成りすましたままそんなことはしたくない。 ましてや、初めはただ欲情していただけのヒロインが、 次第に愛を欲するようになっているのが目に見えてわかるし、 しかも、認めたくはないが、自分もヒロインに魅かれている。 真面目なうえに、心に傷を負っている寡黙な男。 ヒーローがこういうタイプの男性でなければ、成り立たないお話ですね。 女好きだけど、任務だから我慢だ我慢! なんてタイプの男子絵だと、話全体がすごーく薄っぺらい陳腐な感じがすると思う。「俺様についてこい!」みたいなタイプも良いですが、クリスチャンみたいなタイプも好き。 それから、ハンク・スミッソンの存在が大きい。 彼が何の為にSG-5を立ち上げたのか、いまいち明確ではないけれど 彼が亡き妻に思いを馳せ、SG-5メンバーを思いやるところがなかったら、 400頁以上あっても、特になにもないエロい本で終わりかねかったような気がします。 それから、これまで読んだ数少ないロマンス小説と比べ 登場人物のルックス表現が不足しているように思います。 これまで読んだ本では、髪の色・質・スタイル、身長、体格、目の色、癖etc. そういったものが繰り返しでてくるので、キャラクターを容易にイメージできるのですが、 このシリーズはその辺の押しが弱いです。 って、何だかんだ言って、続きも読んでるんです、今(^^; ・・・だって図書館で5冊揃ってるんだもん。 じゃ、文句言うなって。

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