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2014/09/07(日)14:48

恒川光太郎 『秋の牢獄』

読書(145)

【楽天ブックスならいつでも送料無料】秋の牢獄 [ 恒川光太郎 ] ≪内容紹介より≫ 十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。何をしても、どこに行っても、朝になれば全てがリセットされ、再び十一月七日が始まる。悪夢のような日々の中、藍は自分と同じ「リプレイヤー」の隆一に出会うが…。世界は確実に変質した。この繰り返しに終わりは来るのか。表題作他二編を収録。名作『夜市』の著者が新たに紡ぐ、圧倒的に美しく切なく恐ろしい物語。 内容紹介を読んで、もしかして読んでいたかなと思ったのですが、 再読でもいいや(あまり記憶に残ってないんだし)と思って読みました。 表題作「秋の牢獄」 “北風伯爵”ってどこかで聞いたような・・・ トイレでの久美ちゃんのシーンで、間違いなく読んだと判明。 このシーンは衝撃的で、はっきりと覚えていました。 解説で、坂木司さんが北村薫の「ターン」を思い出したと書いていますが、 私も全く同じでした。 どちらの作品を読んだのが先だったのかは定かではないけれど 私の記憶に「ターン」を思い起こす作品があるという記憶がないので、 「秋の牢獄」の方が先だったのかな。 個人的には、「ターン」の方が好みです。 というより、「ターン」は大好きな作品なもので。 「秋の牢獄」は、読み手の受け留め方によるかと思いますが、 繰り返される一日からの解放はあっても、根本的な救いが無いと感じます。 まあ、それはそれで良いのでしょう。 短編3作が収録されていますが、一番記憶に残っていたのは 2作目の「神家没落」 以前読んだときに、当人は意識せず迷い込んだというところが、 『夜市』に収録された描き下ろし「風の古道」にちょっと通じると思った記憶があります。 内容は全く違うのですけれど。 一定の期間で決められたコースで日本中を転々とする迷い家。 その家の守り神とも生き神ともいわれる先代に見込まれた主人公。 とまどいから、解決を求め、救われたと思ったら、打ちのめされ。 最後はもう諦観の域で臨むも、全て消滅。 こう書くと救いが無いように感じるかもしれませんが、そんなことはなく、 途中ある人物によって起こった惨たらしい事件(これがちょっと・・・)が解決され、 最終的には解放と救いがあり、ラストは気持ちよく読み終わりました。 そうそう、解説で上がったケン・グリムウッドの『リプレイ』 いつか読もうと思って、図書館の予約リストに上げていた作品です。 近いうちに読んでみようと思います。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】ターン [ 北村薫 ]

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