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蝉しぐれ・半落ち・父と暮らせば

「蝉しぐれ」
今年見た映画の中でいちばん良かった。
あんまり感動して1週間後にもう一度
見に行ってしまった。
木村佳乃さんの透明な美しさも山形に
再現された江戸時代の日本も人の心も
何もかも美しい映画です。


「蝉しぐれ」 ~父と子と~


蝉しぐれ バナー映画のパンフレットから今年観た中でいちばん好きな映画です。
藤沢周平氏の小説を読んだことも、
好評だったNHKの連続ドラマも見ていなかったので
なんの先入観もなく白い気持ちで映画館へ。

ただ、上映時間を調べるついでに
公式サイトを見て
黒土監督のこの映画に懸ける想いを読んで感激し、
「心して観なくちゃね」とは思いましたけど。

映像もストーリーも登場人物も背景も音楽も
なにもかも美しい映画で静かな余韻が残る映画。

少年時代のさわやかな文四郎と健気なふく。

寡黙だけど
瞳が多くを語っていてとてもよかった。


冒頭、文四郎が川で顔を洗おうとして、
はしょった着物のすそがスルンと落ちて濡れてしまう。

傍らでは洗濯するふく。今では蛇口をひねるだけなのに。
江戸時代の日々の暮らしの細かな描写がこの映画の
もう一つの魅力。

武士とは言えどもつましい人々の暮らし。
山形の美しい自然の中物語は繰り広げられる。

ふくを救うために闘うシーンは
確かに見せ場ですが
私はなにげない、
シーンに好きなところがいっぱい。
田んぼがダメになってしまうから、ここではダメだ!

緒方拳さん演じる父の助左衛門が
ニコニコして庭の畑の茄子を
キュッとひねってもぐところ、

川のそばの大きな木のところで
文四郎や逸平たちが夢を語るところ、

川が決壊しそうになった時に
畑を守るために懇願する父の助左衛門。

最初は渋っていたお役人が「良く言った」と
最後はねぎらうところ、

成人した文四郎が村まわりの仕事をしているところ、
数え上げたらキリがない。

染五郎さんの文四郎さん父と子のシーンはもちろん感動的。

全部を書いちゃうと
これから観る人のお楽しみがなくなるので控えますが。

実直な父は御家の為に、15歳の息子と別れることになる。
最後の対面のとき、どんな想いだったろうか。
どんな言葉が残せるだろうか。

父から聞けなかった言葉、
自分が言えなかった言葉。


時間も手間も惜しみなくかけた、
詩情あふれる映画だけれど
原作の長さからすると
物足りなく感じる人もいるかもしれない。

でもね、行間を読み取ってほしい。

たとえば、父が亡くなった後の母と子の苦労は文四郎が
父の亡骸を運ぶシーンに集約されている。

往来の人々が彼に向ける冷たい視線で推して知るべしだ。

染五郎さんは色っぽくて憂いがあって好きな役者さん。

「アマデウス」「狸御殿(宮本亜門演出)」「髑髏城の七人」で
観たけれど、この映画がいちばん。

殺陣も和服の着こなしも佇まいの美しさも
歌舞伎役者の彼ならでは、
文四郎こそ染五郎さんの為に存在するような役だ。ふく

そして気取らないところに魅力を感じていた
木村佳乃さんが透明感溢れる美しさで
ふくを好演している。


出番は多くないけれど一つ一つのセリフが印象的。

凛としていてほんとうにふくがそこにいるよう。

出演者は豪華。
大滝さんはやっぱり存在感あるし、
山形出身の渡辺えり子さんがちょこっと
顔を見せてくれてウレシイ。

藤沢作品への愛情にあふれる映画は
黒土監督が意図したように日本人の「気高さ」を具現して
観る人の心にいつまでも残るだろう。

監督の粋な計らいにアリガトウ!

文四郎の親友の逸平一つはふかわりょうさんを
文四郎の親友役という大役に抜擢してくれてアリガトウ。
バラエティでは情けない役ばかりの彼。
優しくて男らしい役の彼を観て
彼のご両親は嬉しかっただろうな。

ふくもう一つは文四郎のライバルの役を
緒方乾太さんにしてくれて。
緒方拳さんにも代表作となるだろうこの作品で
長男の乾太さんも共演していることは
緒方夫妻も嬉しかっただろうな。

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エピソード1 「観に来てよかったね」
トイレで手を洗いながら感動さめやらぬ私とスカーレットが
話していると年配のご婦人に声をかけられた。

初対面の方だけど
彼女は誰かと分かち合いたかったらしい。
映画のロケ地で少女時代を過ごした
我が友人、スカーレットは丁寧に解説。
(彼女は誠実で真面目な人です)

そのうち、話の輪に加わる人がふえ、
束の間女性トイレがサロンに。




エピソード2 父と子の話に感動した私は
この映画を見るように息子に勧めた。
案外素直に承諾した息子は翌日映画館へ。

上映時間ギリギリに席に着いた息子は
映画が終わって、館内が明るくなってから、
辺りを見渡し
「周り中、お年寄りだった!」とビックリ。


「息子よ。父の想いを察せよ!」と願った
母の気持ちは伝わったかな。


百の説教よりひとつの名画!


※(・_・)...ん?他力本願かな。


蝉しぐれ 公式サイト

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ドナー登録のきっかけになった映画

半落ち・2005年9月

ベストセラーが原作。
ストーリー自体に力があるのはもちろん
素晴らしい俳優さんがたくさん出演し、
原作により重厚感を与えています。

半落ち ◆20%OFF!主人公は寺尾聡。
妻を殺したと逮捕された梶刑事。
誰かをかばって口を閉ざしています。
「亡国のイージス」「優しい時間」と
家族を亡くす役がつづくね、寺尾さん。

妻役原田美枝子も「愛くるしい」で
子どもを残して亡くなる役、映画と言えども切ないです。

取り調べに当たる柴田恭兵。
容疑者となった先輩刑事に対しても敬意を忘れない
彼の抑えた演技が渋くて素敵です。
昔は軽ーい役だったのにね。

梶刑事が誰をかばっていたか、
なぜかばっていたか、観ている人は
柴田恭平と一緒に探っていくのですが・・・・・・。

取材を進める鶴田真由。
ただきれいなだけと思っていましたが、
NHKドラマの「ハチロー 母の詩 父の詩」と
この記者役は好感が持てました。

検事の伊原剛志と柴田恭兵が
困難を乗り越えながら、
真実を求めて行く姿は印象的です。
組織の中で仕事をすることは
どういうことかと考えさせられます。

弁護士の家族を描いたシーンが
ちょっとシンミリしちゃいます。
一見バラバラそうにみえる夫婦が実は...
娘役の永井杏ちゃん。いつもながら健気です。
(そう言えば「母の詩 父の詩」でも
原田美枝子さんと杏ちゃんも出ていましたっけ)

高島礼子も「長崎ぶらぶら節」の時と今回はイイな。

昔から大好きだった樹木希林。
彼女の熱演があってこそ、この作品が闘う男たちだけじゃなく
家族の映画になっているような気がします。

奈良岡朋子の女医さんも嬉しい。
音訳をしていると余計に彼女みたいに
きれいに語れたらな~と憧れます。

判事役の吉岡秀隆は「Dr.コトーの診療所」以来大好きです。
離島の医療に従事する彼に憧れて
島までついて行きたいくらい。

ただ柴咲コウの役じゃずうずうしいので
せめて助産婦のウチさんの役で。(^^♪

ホンワカしたコトー先生と違い、
ここではもっとシリアスな役でした。
呆けていく父と暮らす彼。

奥貫薫の奥さんがとっても良かった。
彼女を見ているから判事の下した判決も納得がいきます。

梶刑事が移送されるラストも忘れられません。
このシーンの運転手役に笹野高史。
ロングラン・ミュージカル「レ・ミゼラブル」の
因業な宿屋の主人テナルディエでおなじみ。

この笹野高史といい、
田山涼成といい、少ししか出番なし。
贅沢な配役です。

「あなたの守りたい人は誰ですか」

守りたい人がいるから生きている。
守りたい想いは誰も同じです。

この映画を観た娘は、さほど感動していませんでしたが
職場の仲間など大人は皆、絶賛でした。
娘も大人になったらわかるかな。

■■■梶刑事の秘密■■■

映画を見るまで知りたくない人は
次を読まないでね。

急性骨髄性白血病で息子を亡くしてから、
寄り添うように生きてきた夫妻。

アルツハイマーになった妻は
「せめて息子のことを覚えているうちに
死なせてほしい」と願っていたのです。

そうして梶刑事は死ぬ前にどうしても
会っておきたい人がいたのです。
それは・・・・・・

森山直太朗/傑作選2001~2005(初回)エンディング
森山直太朗の歌声が美しくて哀しいです。


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・  ・  ・   ●   ・   ●   ・   ●   ・  ・  ・
父娘彼
あらすじは知っていたけれど、それ以上に
宮沢りえも原田芳雄も浅野忠信もとっても良かった。
淡々と、切々と、きれいで、静かで、優しくて、悲しい映画だった。

原爆投下直後(の写真)と、
復興したヒロシマしか知らなかったから、
傷跡生々しい家での生活は知らなかったら、

こうした人達の不自由な生活の積み重ねがあって、
平和な今につながっていると今更ながらね。

ひとり生き残った宮沢りえが演じる主人公が、恋する二人。幸せに戸惑う彼女。
「亡くなった人達に申し訳ないから
私は幸せになってはいけない」と躊躇する。

それを原田芳雄演じる父親があの世から戻ってきて
「幸せになっていいんだよ」とさとし、
娘がようやく受け入れるまでの4日間の物語。

安心し、去っていく父の背中に宮沢りえが声をかける。

「おとったん、ありがとうありました」

一番若い被爆者は、体内被曝の方だからその方が今60歳。
今、まだこの娘さんが生きていたら、83歳。
映画の宮沢りえが不憫でいじらしくて、
心の中で「あなたは悪くないのよ。
それなのにこんなに悲しかったんだから
幸せになってくれなくちゃだめだよ」と叫んでた。

戦争の映画ではあるけれど、
声高に反戦を謳ってはいないのが余計心に沁みてくる映画。

その年頃のおばあさんは、
おなじような日本で生きてきたわけでしょう。

子どものころも、若いころも苦労をしてきたお年寄り。
できる限り大切にしたい。身内も身内でなくてもね。

帰りのバスで、二人がけの席に一人で座っていたら、
最後に乗り込んできたお二人の老婦人。

私が席を譲ろうとしたら、
いち早く若い女の子が二人、サッと席を立った。
一人はすぐ前のほうに移動したので、
まだ近くにいた子に思い切って声をかけた。

「ね、私は一人なので後ろに行くから、
あなたたちこの二人がけの席にどうぞ」

するとその女の子が笑いながら
「あの子と私は友達ではないんです。たまたま隣に座ったの」

「あら、では、あなた、お隣にどうぞ」
女の子は笑って横に腰かけ、降りるときも
「ありがとうございました」とこちらを振り返った。

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私にさわやかさを分けてくれた女の子
(ちょっと照れくさいかもしれないけど、
これからもあなたの
優しい気持ちを伝えていってね。)

その子に私から「ありがとうありました」
・  ・  ・   ●   ・   ●   ・   ●   ・  ・  ・
:::::beadsbear:::::

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