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東山桜荘子 佐倉義民伝

​10月大歌舞伎のおさらいに…

東山桜荘子 佐倉義民伝(さくらぎみんでん)
(2008年12月 歌舞伎座)

第一場 印旛沼渡し小屋の場
第二場 木内宗吾内の場
第三場 同  裏手の場
二幕目 東叡山直訴の場

         
領民のために命を賭して直訴した佐倉宗吾(幸四郎)のお話。

直訴をするのは死を覚悟してのこと、

領民に捧げる命は惜しくないけれど

最後に一目家族に会いたいと

宗吾のたっての頼みを引き受ける渡し守甚兵衛(段四郎)も

やはり出してはいけない時間に舟を漕ぐのだから命懸け。

「宗吾ばかりでなく甚兵衛もまた義民であった」

イヤホンガイドの解説を聴いてジン!

千葉には親戚も友人もたくさんいるから。

その人たちの祖先を

おじいさんと宗吾さん達が守ってくれたんだと

思ったら人ごとじゃないから。
歴史上のことだから結末は決まってるし、

変えられないけど

やはり、

父上、江戸には行ってくれるな

と泣く子らの姿は涙を誘う。

それでも、下の子は

お土産を買ってきてくれるなら

それもいいかなと

すぐだまされるのが哀れ。
かなえられない約束をする父親はつらいだろう。

だって、宗吾は今まで

わが子にも領民にも決して

嘘はつかないタイプだと思うのね。
その純粋で真面目で

責任感のある人だからこそ立ち上がり

そのために悲しい嘘をつかざるを得ない。

コメディエンヌの福助さんが内助の功、

良妻賢母の典型でした。
着るものに不自由する農民に

自分の着物をやってしまったり、

宗吾を信じて、家を守る健気なおかみさんで

ここでも泣ける。
最後まであきらめず追いすがる長男を

(この子は直観的に永の別れと悟ったのでしょう)

突き飛ばすところには悲しすぎてもらい泣き。
きっと幸四郎さん

染五郎さんはもう大きいのでヾ(@^▽^@)ノ

可愛いお孫さん(国立劇場の鈎爪の時にお見かけしましたよ)と

もし別れることになったら…と役作りしたかしらと

想像したりして……


渡し場のところに積もった雪が本物のようでした。

歌舞伎座の雪景色はいつも感動します。
幕がかわって、寛永寺の場面。

紅い橋とモミジが目に鮮やか。
家綱(染五郎)に直訴する宗吾。
宗吾の想いを汲み取ってくれた彌十郎さんの老中松平伊豆守。

ちょうど勧進帳の富樫のような粋な計らいを見せてくれます。



宗吾霊堂の御本尊、宗吾像を今だけお借りしています。

成田まではなかなか行けないので、手を合わせ…
この作品は地味だし受けないだろうと思われていたのに

初演の四世小團次が強く希望して演じ、

実際104日のロングラン。

あの時代に佐倉からもたくさん訪れたそうです。


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