二度目の『NINAGAWA十二夜』 2009/6/22
番組で「十二夜」の話が出たので懐かしく思いだしました。2009年に観た時のこと 前の日記が見つからなかったので改めて載せました。2007年の感想はこちら念願かなって最前列!『NINAGAWA十二夜』June 22, 20093階席でようやく観られた前回、決心した。2007年の感想はこちら再演したら、絶対1階席で観る!めでたく叶い、新橋演舞場で初の最前列、花道脇の席で『NINAGAWA十二夜』を観劇!再演、私の知る限り、前回と同じ配役のせいもあり、「これよ、コレコレ!」って感じの美しい舞台も衣装もストーリーも、ウットリしたり、クスクスしたり、『NINAGAWA十二夜』の良いところはそのままでロンドン公演を経た為にテンポアップしたせいか更に完成度高し!私が座ったのは花道脇。花道を通る人すべてが通過するわけですから、こんな贅沢!なことはない。あんまり近すぎて、恥ずかしいくらいだけどこんなことは滅多にないので、しっかり見ちゃった!花道ってことは下手(しもて)。三人の童とチェンバロが舞台から引っ込んだあとも奏でる音がよく聴こえて、イイ感じ♪一面、海!の美術の素晴らしさに感心しましたが今回は、最前列ゆえ、波幕が上手(かみて)から歩いて来るのが見えました!打ち寄せてくる!イヤホンガイド、今回も借りました。一度目に観た時も借りたけど、いっぺんに目も耳もたくさんの情報を得なくてはならなくて聞き洩らしたのか、今回の解説者の特徴なのか興味を覚えたのは「笛の演奏は折笛姫の登場シーンを表している」「シェイクスピアの時代の約束事で、 一つの場面に 三人以上は登場しない」「その中で、最後のセリフを言った人は、 次の場面では 最初のセリフを言うことはない」とかね。折笛姫、演じるのは中村 時蔵丈。前回と違うのは「赤姫」なのに黒の紗の薄衣をまとっていること。亡き兄の喪に服している設定でも歌舞伎の主役のお姫様は赤い衣装が常なのですが外国の方にはそれは通じず、このような折衷案(?)に。そして前回と違うことはあの時は「なぜ、この人が大篠左大臣をあれほど夢中にさせるヒロインなの?」と不思議だったのに(歌舞伎初心者ゆえ、おじさんがヒロインってのが 理解できなかった無粋なワタシをお許しください)今はちゃんと時蔵丈の気品、優美さを理解できるようになったことかな。(追記:2024年現在は萬壽さん)菊之助さん、前は綺麗なだけで満足でしたけど今回は華やかさも増し、演じ分けも一段とアップ早替えの様子もよーく見えました!ええ、今そこにいたのに~数えていたら平均10秒かな。見事なのは、多少はアラが見えるんじゃないの?と思っていたのに、きちんと!早いから崩れてる!なんてことが一切ないうえに、着物の変わり目が性格の変わり目!そして「待ってました!」のお麻阿の亀治郎さん!(追記:2024年現在は猿之助さん)悪だくみする三人トリオのやり取りは相変わらず可笑しく亀治郎さんが匍匐(ほふく)前進よろしく、腹ばいでスーッと(腰元の衣装なのに!!)滑って逃げるところは会場爆笑!そんなことしても、かえって目立つのにねなにしろ、道化の菊五郎さん以下喜劇の部分の皆様、名人の落語のようで、どこで何を言うか知ってるけど、それでも笑いをこらえることができず、お腹を抱えて笑っているときの気持ちよさ!前回のお麻阿ですっかりファンになった亀治郎さんや菊五郎さんを間近にして、やっぱり1階席、満足度高し!近くで観ると、菊五郎さんの素晴らしさがより伝わってくる!音羽屋!!!でございます。松也君なんて出番は少ないのに、出た時には下手(しもて)だったので私の目の前!ドキドキしちゃうくらい近!舞台美術の細部も良く見え、このときは、お麻阿はどこに隠れているとか、主役以外の人の表情もいっぺんに良く見られるのは醍醐味ね。オペラグラスだと、はっきり見えるけど、ピンポイントだから、お気に入りの誰かに注目しているうちに場面がすっかり変って「アレ?」ってことも、ままある。ま、頻繁には無理ですが。玉三郎さんの「鷺娘」もそうだけど一世一代のような舞台や、こういう大掛かりな舞台は大枚はたく甲斐があるってもんです(^^)v