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テーマ:歌舞伎大好き!(1125)
カテゴリ:幕見でちょこっと歌舞伎
八月納涼歌舞伎の第二部(昼の部)
「ゆうれい貸屋」「舌切り雀」が観たい。 当然、急に思い立っても チケットは完売だろうから幕見なんだけど。 幕見のことは何度も書いているので ききみみやを前から読んでくださる方は ご存じだと思いますが・・・。 歌舞伎のチケットは早くから完売して なかなか見ることができない、って思うでしょ。 でも大丈夫。 当日、窓口で当日券を購入できます。 指定された時間の前から並べば、いいのです。 何幕も上演される演目の中の、 好きなひとつを選んで その分だけお金を払って(800円~) えっちら おっちら 階段を上って4階席から 見るのが一幕見(ひとまくみ) とは言え、続けて次の演目を見ることも可能。 ただ今回は、通常の演目だけでなく 勘三郎さんと親しい渡辺えり子さん作・演出ですから 好評だった昨年に続いて今年も観たいと期待している方も 今年こそはと、楽しみにしている方もたーくさん。 こうした注目の演目があると 当日並んでも 必ず全員が見られるとは限らないのです。 座席数90、立見数60、合計150名。 友人からの情報に寄ると、 8月歌舞伎は 1時間前から並んでも 立ち見さえできない大人気。 恐るべし、渡辺えり子! ふだんなら前の演目が終わったら 帰る人がいるので若干、入場可能なんだけど、 帰る人はごくわずかのきびしい状態だって。 というわけで、 8月のギラギラお日さまの照る日に 大決心の下に歌舞伎座へGO! お昼はサッパリしたものがいいな~と 歌舞伎座に隣接しているおそば屋さんへ。 名物「歌舞伎そば」。 はじめて暖簾をくぐって入るお店は 9人座ればいっぱいになる小さなお店。 狭いスペースに 計器が並んだコックピットさながら 無駄なく配置された厨房で 手さばき鮮やかにお蕎麦が盛りつけられる様子は オミゴト!! 若い人顔負けのキビキビした お仕事ぶりのお父さんはカッコイイ! 「とろろそば!」と注文してから 1分で目の前に供されるのはありがたい。 隣の女の人は歌舞伎座の制服を着てる。 常連さんみたい。 「かきそば?」とお店のお母さんがたずねて、 彼女がうなづいて顔をあげる前に お蕎麦が盛りつけられ、 次の瞬間には手早くちぎられたかき揚げが ぐるりとお蕎麦のまわりを囲むように乗せられて 「わー。美味しそう!」 この次はそれ注文しよう! いや、お蕎麦の話が長くなっちゃったけど 歌舞伎、歌舞伎。 さて、私が列の後ろに着いたのが12時45分。 2時45分に始まる 「ゆうれい貸屋」のためによ!もう既に50人並んでいるんだから。 ふだんは売り出しの30分前でも楽勝なのにね。 8人くらいは床几(ベンチ)に座れるけれど、 残りは建物を囲むようにぐるりと並ぶ。 たまに座っている人も見かけるけれど たいていは立ったまま本を読んでいる人が多い。 今日は暑いせいか、椅子や敷物を持参している人多し。 飲み物、読み物、扇子。皆さん常連と見える。 みんな座っているから私も座っちゃおう! 長丁場だし。 地下鉄の中で読み終えたフリーペーパーの上に ハンドタオル敷いてクッション完成! オススメ映画の「キサラギ」のノベライズ本。 映画の楽しかったシーンを思い出しながら読み進めると 時間はスキップしてるみたいに飛んで行く♪ 13時04分。係の人が人数の確認。 「何人でご覧になりますか」 「ゆうれい貸屋だけの方は1000円です」 「舌切雀も続けてご覧になると2000円です」 って聞いてまわっている。 圧倒的に「ゆうれい貸屋」と「舌切雀」を 二幕通しで見る人多し。 私の5人くらいのあとの人で座席は定数になり 「ここからは立ち見になりますがよろしいでしょうか」 と気の毒そうに係の人が説明をするけれど あきらめる人はごく少数。 このあとから並ぶ人には 「お並びいただいても見られないことがございますが」 と丁寧にお断りしているが、(暑い中、何度も同じ説明を にこやかに繰り返す姿には感動すら覚える) それでもいとわず、並ぶ人々 待っていた私、途中で思い立ち、手紙を書くことにした。 外出から帰ったら、疲れて書くのがつらくなるから。 早く送りたい手紙があったんだ。 手紙を書くのもけっこう時間を要するので 待ち時間にピッタリ!! 13時20分書き始める。 13時半、 10分前に撒いた水が もうすっかり乾いてる。 かなり長いこと ホースで散水したのに。 歌舞伎茶屋の 店員さんが 慣れた手つきで 通り行く人に かからぬように じょうずにかわしながら、 打ち水をしてくれた。 キラキラ光る水しぶきがキレイ。 一瞬だけ、ほーんのチョコッとホースがそれて 私の前に並んだ人の方へ水しぶきが飛んだ。 お店の人は申し訳ないと何度も頭を下げていた。 かかった人は迷惑そうな顔してたんだけど 私は気持ち良さそうで「ラッキー」と思ったけど。 そうか、人によって感じ方って違うのね。 暑いし、水だし、すぐ乾くし、 炎天下並んでいる(一応、軒下だけど)私達にも 涼をくれたのに。 第一、面白いのにな~。 「うらめしや~」とかってね。 ほら「ゆうれい貸屋」を観に来ているんだからヽ(´▽`)/ 13時45分。 私の後ろに並んでいた若い女性のところに 知り合いとおぼしき二人の女性が合流した。 知り合いの分まで並ぶのは、よく見かける風景。 窓口で販売開始の直前までに 駆けつければ何人分でも買えちゃう。 だから早くから実際に並んでいる人数より、 開始10分前くらいにグンとふえてしまう。 自分の前に入られるのと 後ろに入られるのは 天と地くらいの へだたりがある。 14時5分 手紙を書き終わった。 名前や住所以外に、文字を書く機会が減ったな~。 そうして、ようやく切符が売り出された。 列に並んだ人々、幕見専門の売り場へ移動。 かなり後方から 「ご購入いただけるのは、こちらの方までです」 という係の人の声が無情に響き (この声、気の毒そうにおっしゃる方と サディスティックにのたまう方の2パターンあり) 「立ち見もできないかもしれませんが、よろしいですか」 と係の方は、最後尾に並ぶ前にきちんとひとり、ひとりに確認していた。 それでも、あえて並んだ人達だ。 キャンセルがないか、数え間違いがあれば、と 一縷の望みにかけた人達だった。 落胆しつつも、文句を言うことなく(潔い!) 静かに銀座の街の中に吸い込まれていく。 一方、記念写真を撮りながら開場を待っていた (前売りでチケットを得ている)人達など 笑顔の一群がザワザワと正面の入り口へと向かう。 (つづく) ※現在、渡辺えり子さんは、美輪明宏さんのアドバイスにより 渡辺えりさんに改名されてます。 幕見の列は、並んだ人が一人一枚のみ購入できるようにと変更されました。 (2009年9月9日更新) そして、階段でなく、4階へ直行するエレベータも出来ました(^^)/ (2013年4月更新) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
March 7, 2016 01:01:46 AM
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