泉鏡花の幻想的、官能的な作品と玉三郎さんとのコラボ。
昨年に引き続き、楽しみにしていたのですが、
チケット手に入らず幕見！だけど、絶対に観たいぞ！



実は並んだのが遅くて「立ち見」を覚悟してくださいと
当日券売りの列に並んだ時に念を押されたの。
４階に着いたら満席。しかたない、一幕目は立って観よう。
一幕目が終わって、途中で帰る人が何人かいるから、
そうしたら空席に座って、次の幕を観ようっと

と思ったら、「お一人ですか？」と聞かれ、一番はしっこ、
たった一つ空いた席を教えてもらった。ラッキー♪

お隣の若い女性は鳥取からのお客様。初歌舞伎見学だそう。
「海老蔵を見たくて、一幕だけ観に来たんです」

こちとら江戸っ子なんで、遠方からの客人をもてなそうと
オペラグラスを貸してさしあげたら、よく見えると大喜び。
あんまり嬉しそうな顔だったので、歌舞伎を満喫してほしく
「ずっと持ってていいですよ」と言ったら
「えー。本当にいいんですか～」と涙ぐまんばかり
大興奮だった。

それにしても、その方も、私も　トンチンカン。

だって、海老・玉の「海神別荘」は次の幕じゃないの。

ちょっと残念そうだった彼女だけど
「中村屋の顔がよーく観られましたから満足です」とニコリ。

（大向こうさんが「中村屋！」と声をかけるので覚えたのね!(^^)!）

調子に乗って私も「私はよく歌舞伎に来ますけど、
こんないい舞台に会えたあなたはラッキーですよ。」

彼女はさらにうれしそうに何度も頭を下げて去った。

江戸っ子はやせ我慢しても、エ―かっこしたいので
やたら、いい気分だったのだ。
素直で可愛いお嬢さんで、お互い幸せな時間でしたよ。


幸田露伴「五重塔」。これは谷中の五重塔建立の話。
浅草歌舞伎で毎年見ている勘太郎君と獅童さんが主演なのは
なんともウレシイこと。



五重塔、良かった。
お上人様、ありがたい方で手を合わせたくなる。
獅童さんの大工の棟梁は男気があって、惚れ惚れする。
勘太郎君も腕は良いけれど愚直な大工が良かった。
大きな舞台、二人だけで立っているシーンも、
飽かさず魅せるところなんざ、見どころでしたよ。

観るたびに大きさを感じる勘太郎君、目が離せません。



泉鏡花、海神別荘。
それにしても美しい主演の二人。他の人では考えられない。
海老蔵さんは姿もそうですが、声がいいですよね。

玉三郎さんは○歳の日本人男性、という括りではなく
玉三郎さん、って種類の国宝でございます。

泉鏡花の世界を表す舞台美術には今回も感嘆！
龍の乗って玉三郎さんが海を旅するシーンのダンスは幻想的で
今でこそ、夏の定番のようになっているけれど、
歌舞伎座でこんな舞台を観せるためにどれほどの
ご苦労があったでしょう。玉三郎さんを拝見できるだけで
果報者でございます。

おなじみのカウントダウン時計。



一幕見は、４階まで直接階段をのぼります。
正面から入るお高い席のほうのロビーや廊下からすると
簡素な造りですが、ちゃんと季節の飾りで
目を楽しませてくれます。



八月納涼大歌舞伎のポスターが飾られていました。
勘三郎さんと三津五郎さんの納涼大歌舞伎です。

そして、ほかにも豪華出演者。鶴松君も
平成中村座のメンバーも揃っていて待ち遠しい


今日の歌舞伎のおやつは、焼きたてワッフル。
期間限定のくちどけプリンはお家へのおみやげ。



有楽町から帰ろうと、ＳＯＮＹビルの前を通ったら
ＳＯＮＹスクエアは準備中。
夏休みの期間は、今年もちゅら海水族館から南のお魚たちが
やってくるようです。