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テーマ:歌舞伎大好き!(1125)
カテゴリ:歌舞伎座【2013年~】
鷹之資君大きくなったね、と思った8月の 「研の会」を思い出しながら 鷹之資くんの義経もステキだった第二回「研の会」 舞台へ目をやると、一段と凛とした様子がいいですねぇ。 3階の2列目のセンタ―ブロックのお席だったので 「天王寺屋」と声がたくさんかかるのが間近で聞こえました。 「五世中村富十郎七回忌追善狂言」なんですね。 『越後獅子』 17歳が広い広い歌舞伎座で一人で踊るのを 富十郎ファンの男性が大勢、祈るような気持ちで見つめていたのです。 遅く出来たお子さんだから、お別れが早く来るのは 抗えない事ながら、 一緒の時間がもっと続いたら良かったのにと 私も感傷的な気分でいましたけれど、 斜め後ろのおば様達が関係ない話題で ずっとおしゃべりをしていて気になりました。 芝居の合間の息抜きタイムだったのかもしれません。 ですが、富十郎さんを想い、 目の前の少年がどんな気持ちで 舞台に臨んでいるだろうと 想いを馳せる者たちにとっては 特別な舞台。 それこそ、瞬きの間さえも惜しいような。 我慢できず私の隣の男性が近くまで行って ソッと注意してくれました。 お陰様でその後は、舞台に集中できました。 踊りのことはよくわからない私ですら、 惹きつけられる確かな踊りを見せてくれたと思います。 踊り手のひたむきさが伝わる清々しい踊りでした。 もちろん、ご指導の賜物ということもあるけれど 教わって外から入ってくるものでなく 内側から溢れるもの、生れ出るものを感じた 鷹之資君の踊り。 一本歯の下駄もじょうずにこなし ひとつ、ひとつが丁寧で美しく、 キチンとお稽古を積んだことがわかります。 思わず、幕間に隣の男性に話しかけてしまいました。 あなたの勇気のお陰で、周辺の席の人が皆 鷹之資君の踊りを堪能できたとお礼を言わずには いられなくて。 照れながらも 四半世紀以上の歌舞伎ファンの彼は 富十郎さんについて話してくださったので その半分にも満たない新参者の私はカンゲキでした。 「天王寺屋!」と盛んにかけていた私の前の席の男性は、 『傾城』が始まっても戻って来ませんでした。 若い「天王寺屋」を観る為だけに、懸けていたのですね。 新聞にこんな記事がありました。いくつか抜粋。 17歳での一人舞台は異例だが 「父に少しでも近づけるよう、 今しかできない僕なりの越後獅子を披露したい」 富十郎は人間国宝にも認定された名優。 鷹之資が11歳のときに亡くなったため、 踊りをきちんと習う間もなかった。 「14歳になったらちゃんと教えると言ってはいたんですが…」 仕舞や舞踊、鳴り物を幼稚園から続け、折り目正しい芸は評価が高い。 「まわりの方々から、いまも父の話を聞くので、 まだ亡くなった感覚は薄くて。 でも父を失って、僕の役者人生は始まりました」 「でもいなくなったからこそ、理解できて分かることもある。 これも運命なのかな、と捉えています」 ネットのニュースはいい加減なことが多いけれど きちんと書かれていることもあるんだ。 記者さんによるのかもね。 お父さんたちは、SNSもネットも利用しないけれど ちゃんとチケットを買って、 声援を送り続けているんだなって思いました。 富十郎さんの面影を観たい気持ちはもちろん、 鷹之資君がその時出来る精一杯の 踊りを見せてくれることを自分の目で確かめるために 歌舞伎座へ足を運び続ける。 そんな風にお気に入りの役者さんを見守り続け、 歌舞伎は今まで続いてきたんだなって 胸が熱くなりました。 あのお父さんもこのお父さんも、 鷹之資君の成長を見守るために
長生きを決意した新年なのでしょうね。 皆さまがお元気でいらっしゃいますように! 三階席で、皆様とご一緒できることは光栄なことでございます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
March 27, 2017 01:36:46 AM
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