KIKIの山行き・・・ 山と山の花

2017/08/09(水)07:51

百名山最後の山・・・トムラウシ山 クマとの遭遇

夜中に、相棒が何度もトイレに行くたびに目が覚めて熟睡できなくて、イライラしてよけいに目が冴えてきました。結局、当初考えていたより早めに出発することにします。登山道の距離を短くできないし、歩くのを早くできないし膝が悪いのを治せないし・・・それならできるのは、スタートを早めてゆっくり膝をかばいながら歩く事。 昨日、すでに登山届に記入済みで ヘッドライトの明かりを頼りに あるきだします。意外に登山道は整備されていて石段が組まれていたり ところどころのヌタ場などは木道が敷かれたり思ったよりも斜度が無いので体慣らしに良い感じです。だんだん空が明るくなって夜が明けて来ました。前方の山頂部だけ見えているのがトムラウシ山モルゲンロートに染まっています。花畑も出て来ました。この先コマドリ沢への急降下は岩がゴロゴロして歩きにくいこと!!  沢を上流に向かって詰めてゆくとコマドリ沢分岐 到着ここで朝ご飯です。この先、単独の男性たちに次々に追い越されていきます。チシマノキンバイソウ ただでさえ遅い亀足なのに 雪が融けた後に、花がたくさん咲いているからです。 エゾコザクラの群生ワオ~うれしくて、足が進みません本州のハクサンコザクラより色が濃くて鮮やかです。谷は花畑になっています。 谷の上部にはまだ雪渓が残っています。日陰なので暗くて、だから雪が残っているのね   下を見たら結構な斜度です。しかしすぐに山際に取り付いて雪渓を歩かなくなり樹林の谷を登り詰めます 。 トカチフウロ(チシマフウロのなかで北海道に咲く、特に色の薄いのはトカチフウロ ) マルバシモツケの群生の向うは朝日が当たって輝いています。 ハクサンイチゲ前トム平に向けて岩ゴロゴロの歩きにくい道をマーキングを頼りに進みます。登り詰めたらお花畑を進むことになりもう、うれしくてうれしくて疲れを忘れそうです。 イワブクロ チシマギキョウ   チシマツガザクラやっと会えたね、今まで見たツガザクラとは違って一属一種(ツツジ科チシマツガザクラ属)の珍しい植物です。葉の間から長い花柄を出して数個の花をつける 前トム平ここで朝ご飯の残りのパンを食べてさあ~~いよいよトムラウシ山頂を見ながら進みます。真っ青な空にテンションが上がります。タカネトウチソウ前トム平から高度を上げながら岩の道を進みます。時々振り返っては前トム平とその向うに姿を現した十勝連峰を眺めます。 山頂がそそり立っています。 そして目の前に池と雪渓と岩とトムラウシ山の山頂と青空のコントラストボーっと眺めて足が止まってしまいました。 なんという雄大な景色でしょうか見とれていたらどんどん追い越されて取り残されてしまいます。 エゾツツジ北海道の花は何て色鮮やかなんでしょうね!! エゾヒメクワガタ本州のヒメクワガタよりも花が大きく色が濃いのです。 ハクサンイチゲ エゾツガザクラこの花も会いたかった花です。 チングルマと岩  いい感じ!! エゾツガザクラとチングルマ花畑に足が止まりっぱなし チングルマがこっち向いて写真を撮ってと言っています。 アオノツガザクラ  エゾコザクラ エゾヒメクワガタ チングルマの穂これも絵になります!!  まだまだ山頂は遠い!!でも花たちが私を元気にしてくれます。 ヨツバシオガマ ミヤマキンバイ  ウスユキトウヒレン 十勝連峰を眺め ズームで エゾイワツメクサ あ!! 何か走ってる!!慌ててピンボケですが、エゾシマリスです。 進んだかと思ったら止まって景色を見てます。なかなか山頂へは行けないね。 岩のガギガギが山頂 イワヒゲ 山頂直下 ヤッタ~~百名山完登です。うれしい~~山頂にいた人たち10人ほどが拍手してくれました!!おめでとうって 記念すべき日がこんなに良い天気で良かった!!2月に予定を立てて、晴でも雨でも登ろうと決めたけれど 正直、こんなに晴れるとは思っても見なかったです。  岩だらけの狭い山頂でお昼ごはんのおにぎりを食べながら山を眺めます。 まだ興奮していて、おにぎりの味がしません。  一昨日登った大雪山の旭岳方面 ズームで旭岳 山頂でゆっくりして感動もおさまったのでそろそろ下山です。帰りも長いのでまだまだ気が緩められません。 ミヤマリンドウ エゾウノサギギク  コマクサ   チシマツガザクラ イワギキョウ  ミヤマキンバイ ハクサンコザクラ ウコンウツギ チングルマとウコンウツギとナナカマド   エゾヒメクワガタ ハクサンチドリ 前トム平を過ぎてコマドリ沢を下ります。 コマドリ沢分岐からジグザグに山腹を登る時は不揃いに積み重なった岩の歩きにくい道で 風が無く暑くて暑くて汗が噴き出ます。  登りきってカムイ天上に向かうときは岩が無くなり、緩やかでひたすら距離を稼げます 整備された登山道 ここが山頂の見納め  カムイ天上 今朝はまだここでは暗くて写真が写せなかったところです。ここで丸木のベンチに腰掛けておやつタイム後ろから追いついてきた5人グループと少し話をして先に行ってもらいそのあと男性二人組にも先を譲り そしてこの後歩き出したら・・・ヒグマと遭遇のKIKI一発 。相棒がいつもの通り私より10m程先を歩いていたのですが急にものすごい勢いで「クマだ~、クマだ~」と言いながら戻って来ました。私は何が起こったか一瞬分からなくて、足がすくんで動けません。相棒は私のストックの一本を手に取って、身構えて「戦う」と言います。私は「そんなことしてもだめだわ!!」と・・・ 相棒は「じゃあ上に戻って逃げよう」と戻りかけます。私は「どうすればいいの、どうすればいいの」といいながら前方を見ていると笹の向うに黒っぽい頭がこちらの方にやって来ます。全身が見えるのはもうすぐです。その時、ポーチに笛を入れていたことに気が付きました。ここに人がたくさん居るという風に知らせた方がいいと思ってピーピー吹きました、必死で・・・効果があるかどうかわかりませんが。するとこちらに向かっていた黒い物の動きが止まり右の崖へ下りて行きます。それに向かってピーピーと吹き続けました。 距離は10mほどで、笹の中をヒグマの背中が見えています。しばらくピーピー吹き続け、ヒグマが向うの方へ行くのを見届けてやっと歩き出しました。歩きながら、相棒がクマと目が合った状況をやっと落ち着いて聞くことによると 私の先を歩いていた相棒は緩やかなカーブを回ったとたん12~3m前方にヒグマ がいたと・・・クマと目と目があったのですが、クマが5~6歩 自分の方へやって来るので、2~3歩下がったけれどクマが止まらずそのままやって来るので怖くなって慌てて私に知らせに来たというのです。(本当は走ってはいけないのに・・・)笛で逃げてくれたからいいけれど百名山達成した帰りに、クマに襲われたなんてシャレにならないですね。  クマとの遭遇は、短縮登山道分岐の手前まで5分のところでした。 分岐から登山口までの15分は時折、笛をピーピー吹きならしながら下りて来ました。トムラウシ温泉「東大雪荘」で入浴するときにフロントでクマ目撃情報を報告して帰ってきましたがここ数日そのクマらしいのがそのあたりで目撃されていたそうです。カムイ天井で私たちを先行していったグループは、人数が多くて話声でクマが先に逃げたようです。その後の男性二人組は我らと同じところで我らの前に出会っているのですが男性二人組でしたからにらみ合いの末クマがゆっくり移動して行き次の私達の時は、相棒が一人で先に歩いたためバッタリ出会ってクマが避けてくれなかったようです。どうやらそのあたりがそのクマの縄張りのようですね。 百名山達成とヒグマの遭遇と合わせてトムラウシ山は一生忘れられない山となりました。そしてトムラウシ公園の美しさ、花の多さ、花の色の濃さなども青空と共に忘れられないことです。

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