モダンアート考 ”心中”をアメリカ人に語りたいがための作品
かっぱ村長はなんでもモダンアートをやるらしい。なんでモダンアート?カッパのくせに。そもそも村長は頭のお皿がわれてしまったもので、せっせと自分の頭のお皿を作っていたのだけけれど。。。シンプルで使いやすい陶器を作るのが得意でした。はじめは。。。料理やお花が主役で、村長のつくる物はひきたて役。そんな作風。。。始めて工房を構えたブエノスアイレスで、村長のつくる器は作れば売れる売れる!ちょっと自慢でやや、天狗気味の村長でした。ところが。。。陶芸の生徒さんが増え、個展も定期的に開き大盛況!そんな中、村長の夫のカピバラ・モルさん(カピバラ+モルモット÷2)さんがアメリカに転勤に。村長は窯がないと仕事になりませんから、アメリカの州立大学に窯が使いたくって編入。そこからが悲劇の始まり~~~。なんと、その大学、モダンアートで有名!そんなこととは露知らず。。。気づいたのは入学を決めてから。窯を求めて毎日毎日50Kmも家から離れた大学に通うことに。くる日もくる日も”君の作品のコンセプトは???”と。。コンセプトなんてあるわけもなく、後ずけ。”大地の爆発!”なんてね。でも、そんなのは教授にはお見通し?今まで売れに売れた、自慢の!陶器が酷評されて、凹む凹む。。。陶芸でモダンアートって。。。何を教えているの?と思いますよね。コンセプトって言われても。。。でも、だんだん分かってきたんです。村長の思うところのモダンアートは、作品を通して、作家(アーティスト)の思いを伝える。ということ。で、はじめは嬉しさ、悲しさ、社会のこと、自分の思いを作品に表現し始めました。例えば、これは村長が2003年に作った”ベターハーフ”という作品。アメリカには”あの世”の発想がない。というのを知ったのがきっかけでした。あの世が存在しない人たちには”心中”ってコンセプトはないんだそうで。。。今世で一緒になれないなら、死んであの世で。。。って。。。”NO WAY ””うっそ~~~!”とびっくりされたので、日本人の仏教感をお伝えしようと、三途の川と二つの寄り添う魂たち。っていうモノを作って、文化の違いを語ったのでした。この辺からモダンアートがとっても楽しくなってきてしまった村長なのでした。ところで。。。今のコンセプト。それは、陶芸の一番楽しいところ。粘土が自由自在にこねくり回せて、焼くと物質が変わっちゃう!面白い!!!こんなに面白い!というのを体感してもらう!”今この粘土を触ってる瞬間を楽しんで心地よくなってもらう。そして焼きあがったモノを見てさらに驚いてもらう。そのこと自体がアート。というコンセプト。だから、ちょっと他の陶芸教室とは違っているかもしれません。