ディベート最初の授業「最初のディベート指導」~ディベートとは?2004年9月15日 菊池 省三 <授業の実際> 「ディベート」と板書し、 『ディベートという言葉を聞いたことがある人?』 と子ども達に聞きました。 数名が手を挙げました。 「どっちがいいかを決めるときの話し合い」 「2つに分かれて話し合うこと」 「何かについて、話し合うこと」 ・・・・・・ 『ルールのある話し合い』と話して、板書しました。 『今からディベートのビデオを見ます。話し合っているテーマは、 「公共交通機関の優先席を増やすべきである」です。 どんなルールがあるか、普段の話し合いと比べながら見て、探してください』 (昨年度の「福岡県やるキッズコンテスト」北九州地区予選の決勝戦のビデオを見せる。途中、言葉の意味や試合の状況を簡単に説明した。) 『どんなルールがあったか、ノートに書きましょう。時間は3分間です。3つ書けた人は持ってきてください』 子どものノートを見て、次々に黒板に書かせていった。 1.話す順番がある。 2.平等にしている。 3.「~ですね」で質問している。 4.意見を4分以上言っている。 5.作戦タイムがある。 6.意見と質問をくり返している。 7.数字を入れている。 8.3秒あけないで話していた。 9.反駁する回数が平等。 10.意見・意見じゃなくて、意見・質問と交互になっている。 11.判定がある。 12.反駁を2回続けていたところが普通の話し合いと違う。 13.みんな黙っていなかった。 14.「なせ?」の質問や意見をドンドン言い合っている。 15.チームで役割を決めている。 16.調べていることを使って話している。 17.カードのような物を持って話している。 18.話すのは前に出て1人だけ。 19.賛成なら賛成、反対なら反対といい続けている。 20.最後に握手をして笑顔になっていた。 黒板に書いた子どもに読ませた後、 『たくさん見つけましたね。素晴らしいです』 と大いにほめて、 『この中で、特に大切なルールがあります。どれだと思いますか?』 と聞きました。 子ども達は、口々に「9番」「16番」と言っていました。 『13番と19番です』 私がこのように言うと、「?」という顔をした子どもも多かったです。 『13番・・・「沈黙の禁止」です。黙ったままではいけないのです。 19番・・・「合意の禁止」です。最後まで自分の立場を変えないのです』 こう話して、 「沈黙の禁止」「合意の禁止」と黒板に書きました。 『この2つが、基本的なディベートのルールです。この2つがあって、みんなが見つけたたくさんのルールがあるのです』 と説明しました。 その後、感想を書かせました。 ・ ディベートのビデオを見た感想 ビデオを見て、ディベートのはたくさんのルールがあることが分かりました。 その中で、私が特に分かったことを3つ書きます。 1つ目は、意見、質問を交互にしてあるということです。 2つ目は、意見を言う人は4分間以上しゃべるということです。 3つ目は、途中で相手の方にうつるのはなし!ということです。 この3つが特に分かったことです。私もいつかあんなのをするのかなぁ?と思いながら見ていました。 いつかする機会があったら、ぜひチャレンジしてみたいです。 「ミニ・ディベート」 2004年9月28日 菊池 省三 「ミニ・ディベート」を行いました。 複雑にならないように、最初はルールを簡単にして始めました。 全員が一斉に行う3人1組のマイクロ・ディベートです。 全員が、肯定側、否定側、判定を経験しました。 1人が2試合、審判を1試合したことになります。 <論題> 「日本の小学校は、ランドセルを止めて自由かばんにするべきである」 <フォーマット> 1.肯定側立論(1分) 2.否定側質疑(30秒) 3.否定側反駁(30秒) 4.否定側立論(1分) 5.肯定側質疑(30秒) 6.肯定側反駁(30秒) 7.判定 以下は、初めてディベートを経験した子どもの作文です。5年生です。 <感想> ・ 意見をいっぱい言い合いました。2勝0敗という結果でした。久しぶりに「こんなに意見を言ったんだなぁ」って思っています。前よりも伸びたと思います。楽しかったです。 ・ 今から初めてのディベートの感想を2つ書く。 1つ目は、ディベートはあんがい難しいということです。「くもの巣」がいっぱいできていたから大丈夫だと思っていたけれど、難しかったです。 2つ目は、1分間は長い!!ということです。30秒でも長く感じました。 この2つが初ディベートの感想です。 今度はもうちょっとレベルアップして挑戦してみたいです。 ・ 内容をもっとしっかり考えられれば、きっとディベートがうまくできるようになれるんじゃないかな?と思った。 いつもよりはがんばった。意見がちゃんと言えた。きんちょうしたけど、はっきり言いたいことが言えてうれしかった。相手が先生だった時はすっごくがんばった。1回勝ててうれしい。 (ちゃんと伝わったかな?) ・ 初めてやって、質問したり反対意見を言ったりして、ディベートっておもしろいんだなと思った。 審判になって、B―Cの対決の時、どっちがかったのかを決める時に迷った。 理由を決める時に迷って、審判って大変だと思った。 2勝0敗で勝ちました。チャンピオン!! またしたいなぁと思った。とてもうれしかった。 ・ もっと強い意見を言えばよかった。古賀君はなかなか強くて手強かった。 でも、何とか勝てて2勝0敗だった。 次はもっと強う意見を言う。審判としてもがんばるぞ。絶対勝つぞぉ!! ・ ディベートをして0勝でした。次は勝ちたいなと思いました。 くやしかったです。 ・ 今日の試合で勉強になったことを書きます。 1つ目は、しっかり考えて言わなければいけないということです。 2つ目は、相手をしっかり見て、相手が言われて困るようなもとをジャンジャン言いまくった方が、勝つ可能性が高いと思いました。 私が今日の試合でくやしかったのは、勝ったと思った試合で負けてしまったことです。 次からは、勝つと思った試合では負けないようにします。 |