勉強に「やる気」は必要ない。
こんにちは、坂本です。いつも読んでくれてありがとうございます。タイトルを見て驚いた方もいるかもしれませんが、私は本気でこう思っています。「子どもに自学自習の習慣を身につけさせたい」と考えている方には、今日の内容は必見です。しっかり学んで、お子さんの学習サポートに活かしていきましょう。■やる気の正体───────────────────────────よく、お母さん、お父さんから、「ウチの子はやる気がなくて、勉強をしません」という相談を受けます。これは、つまり・勉強をするには、やる気が必要。・そのやる気がないから、うちの子どもは勉強をしない。・だから、やる気が出る方法を教えてくださいという相談です。「どうしたら子どもがやる気を出してくれるのか。。。」このような考えにとらわれ、なかなかその先に進むことができないのです。では、やる気を出す方法はあるのでしょうか?そう聞かれれば、私もいくつかのアドバイスをすることができます。しかし、一時的にやる気が高まったとしても真の目的である「自学自習の習慣」まで子どもを導くことができないことが多いのです。となると、私たちはどう考え、どう行動していけばよいのでしょうか?こう考えるのです。そもそも勉強に「やる気」は必要ない。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~私はやる気というのは、「あとから作られるもの」と考えています。勉強をしていくうちに、できる問題が徐々に増えていく。勉強方法を学んだり、勉強をつづけていくことでだんだんと勉強に慣れていく。慣れてくることで勉強に対しての抵抗感がやわらぎ、意思の力を使わなくても机に向かえるようになる。自分自身の変化に自信が持てるようになり、向上心や目標が出てくるようになる。継続してきたことがテストなどで実を結ぶ。それが糧となり、次への原動力となっていく──。このように、やる気というのは、最初にすでにあるものではなく、あとづけでつくりだしていくものなのです。私はこれが “やる気の正体” だと考えています。だから、私は内面から沸き上がってくるやる気というものを信用していません。なぜなら、それは一時的なものだから。これは「やる気」ではなくて「感化」に過ぎないのです。■子どもに学習習慣を身につける3ステップ───────────────────────────では、どうすれば、子どもに自学自習の習慣を身につけることができるのでしょうか?答えはいたって単純明快。「まず、勉強をさせる」シンプルですが、ここからスタートするのです。しかし、大事なのはそのプロセス。力技で勉強を強要するのではなく、ただ「やれ」といって勉強をさせるのでもなく、3つのプロセスを経て、勉強をさせていきます。<自学自習への3ステップ>1.親がやってみせる段階2.子どもに言って聞かせる段階3.子どもにさせてみる段階くわしく見ていきましょう。1.親がやってみせる段階子どもは親の背中を見て育つといいますがそれにごく近いニュアンスです。まずは、親が勉強をしている姿、読書をする姿、家事や仕事に対して真摯に取り組む姿を見せていきます。これが前提条件。そして「その上で」子どもが勉強をするときには、勉強はこういうふうにやるんだよと言って実際に問題集をコピーしてでもいいので、やってみせるのです。いきなり第2のステップに進むのではなく、このステップを経ることで、子どもは具体的なイメージをつかむことができます。子どもも真剣に教えてくれているというこちらの気持ちを感じ取ってくれます。2.子どもに言って聞かせる段階次に、勉強のやり方を「具体的に」説明します。ノートを用意する、問題はこれを使う、ここからスタートする、問題をここまで解いたらマル付けをする、解説を読む、類題演習をするなどくわしく解説します。(ここはその子の段階によってどこまでくわしく教えるかは変わります)先ほどの1と2のステップを同時に行ってもよいです。ただし、口だけの説明にならないよう、1の「やってみせる」をつよく意識することが大切です。3.子どもにさせてみる段階そして、ここではじめて「勉強をさせる」段階に入ります。もうすでにやり方はすべてわかっていますから一人で勉強を進めていくことができます。そして、ここで大事なポイント。あなたが言ったとおりにできたところ、自分で工夫して取り組んだところ、努力したところがあれば、お子さんをほめてあげてください。この第3段階での親の役割は「ほめること」。小さなことでもいいので、よい点を見つけほめていく。ほめすぎはダメですが、図に乗らない程度にバランスを見ながらほめる。これによって、子どもに自信が生まれ、自分でもできるという自己肯定感が育ちます。これが勉強を続ける原動力になります。(やる気の芽)以上の3つのステップを、できるだけ毎日くり返していきます。たとえできない日があってもいいのです。以前のお子さんにくらべて成長していればそれでOK。こうして、勉強のやり方、進め方が身についていけば、だんだんと、勉強をしようと誘うだけで机に向かえるようになっていきます。子どもは口だけでは動きません。勉強をしておけといってもやりません。親がみずから行動で示して、いっしょに関わってやることではじめて自分で行動できるようになっていくのです。あなたがやるべきことは、(1)この3つのステップをつねに意識すること(2)子どもを勉強に誘うことこの2つだけでいいのです。3ステップのループを日々意識しながらできるだけ毎日子どもを勉強に誘っていく。このひと手間をかけるだけで子どもはだんだんと勉強に「慣れて」いきます。努力を認められ、ほめられる機会が増えていけば自信も出てきます。勉強を継続していれば、必ず結果がでますのでその結果により、子どもの自信は確信に変わります。勉強に対して前向きになりやがて自分から机に向かうようになっていく。そして、ここまで来たときある日、これまで歩いてきた道のりを振り返り私たちはふと思うのです。この子には「勉強のやる気がある」と。勉強のやる気というのは、あとになって振り返ったとき、結果的に備わっているものなのです。まず、やる気ありき、ではない。そもそも勉強に「やる気」は必要ない。やる気は親のサポートにより、あとからついてくるもの、自然とつくられていくもの。これが、子どものやる気を育てる出発点なのです。自学自習の習慣がない子、勉強に消極的な子、自信が持てない子、自分で計画が立てられない子。そんなお子さんがいるご家庭は、今日の記事をくり返し読んで、実践してみてください。自学自習の習慣が身につくまでは親御さんの関わりが必要なのです。きっと、うまくいきますよ。それではまた次回。坂本 七郎追伸:今日の内容(自学自習への3ステップ)を読んでピンと来た人がいるのではないでしょうか。そう、今日紹介した3ステップは、山本五十六のことばを坂本流にアレンジしたものです。山本五十六は、第二次大戦中、日米開戦を最後まで反対した人物で、部下からの信頼も篤く、人心掌握にも長けた人物でした。彼は、万葉集を座右の書としていたこともあり、歌道に明るい人物でもありました。彼のことば(歌)がこちらです。「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。」人を動かす要素が凝縮された金言です。ぜひあなたの座右の句として参考にしてみてください。追伸2:先日、家族で落語を見てきました。うちの奥さんがゲストで来ていたTIMのレッドさんのファンと言うことで笑家族で見に行ったのです。ライブの落語は、初でしたが三者三様、噺家さんたちの話芸の巧みさは大変勉強になりました。今話題のゴルゴさん「命の授業」も少しだけ体験することができましたよ。次はやはり、浅草の寄席を見てみたいなぁ。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発 行 ドリームエデュケーション 坂本七郎 ホームページ http://www.dreameducation.co.jp━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━