入試1週間前 親の心構え「緊張をほぐす3つの錯覚」
坂本です。中学入試・高校入試はこれからが本番です。 入試直前と言うことで、お子さんも日々、緊張の中で机に向かっていることでしょう。 今日は、そんなご家庭に向けて合格を後押しするアドバイスを送りたいと思います。 ■緊張をほぐすにはどうすればよいのか?─────────────────────────────────── 「うちの子、本番に弱いんです」「テストで緊張して、なかなか実力を発揮できない」「テスト後にさせると、正答できるのに。。。」 そんなお悩みをいただくことがあります。じつは私自身も大変緊張しやすい子どもでした。学校でも、クラスみんなの前で発表したり、順番に自己紹介をする時間がありますが、これが何よりキライでした。 緊張をして声が震えたり、いやーな汗をかいたり、赤面したりと、本当に大変だったことを覚えています。 しかしその後、人前で授業をするというとんでもなく苦手なことを仕事にしてからは、経験を積むことでだんだんと緊張することも減り、自信を持って授業に臨むことができるようになりました。 私はそうした経験から、「緊張をするのは、うまくできる自信がないから」ということに気づきました。 つまり、不安を自信に変えることができれば、緊張せずに取り組めるようになるのです。 ■不安を自信に変える方法─────────────────────────── では、自信を手に入れるにはどうすればよいのでしょうか? 答えはシンプルです。「できた!」という経験を少しずつ積み上げていけばいいのです。 たとえば、人前で話をする場合でも、何度か練習して、うまく話ができたという経験を積み上げることができれば、本番でもあまり緊張せずに話ができます。(準備不足のときほど、緊張するものです) では、入試において、子どもの自信を高めるためにはどうすればよいのでしょうか? 入試において、子どもが緊張してしまうのは、「合格できるかどうか不安だから」です。 いろんな不安が頭のなかを巡り、合格できる自信がない状態。 この精神状態が、緊張を高めてしまうのです。 では、どうすればよいか? 不安なとき、自信がないときは、はったりでも、うそでもいいので、「自分なら合格ができる!」と本人に"錯覚"させればいいのです。 では、その具体策を3つ紹介しましょう。 1.過去問演習で"錯覚"させる合格できるという自信を積み上げるために過去問演習は大変有効です。できれば、以前解いたことがある過去問がベスト。時間を計って解いて、マル付けをして合格点を取る。本当は、過去問と同じ問題は出ませんが、それでも、合格点が取れたという事実は、事実です。保護者の言葉で、「合格点が取れたよ。着実にできる問題が増えているね」と言い、子どもにできたと錯覚させて、自信につなげるのです。 2.これまでやった問題集で"錯覚"させる入試直前は、新しい問題集には一切手を付けずに、これまで学習してきた問題集に取り組んでください。しかも8割は正解できるような問題を、選んで取り組ませるのです。(これはできないな、と思う問題はさせない。飛ばす。) こうすると、問題演習をしながら自然に自信を高めていくこともできます。親からも「よくできているね」あるいは「以前はできなかったこの問題ができるようになっているよ」などと伝えられればカンペキです。 3.親の声がけで"錯覚"させる自信をどんどん積み上げるために、この時期は少し多めにお子さんを褒めるようにしてください。そして、褒めるときは単に「スゴイね」というのではなく、根拠もセットで伝えていきます。「これ、受験生でも結構むずかしい問題だけどよくできているね」「正答率45%の問題ができたよ、スゴイね」「この問題、前はあんなに苦労していたのにできるようになったね」「入試直前のこの時期に、落ち着いて勉強できるなんて、 なかなか凄いことだよ。かなり心も強くなってきているね」 勉強時間以外でも、「明日は本番なのにこれだけ食欲があるんだから明日も大丈夫」 「ここまでがんばってきた君を誇りに思うよ」「しっかりかぜ予防してたから、体調万全でテストに臨めるね」 最後は勉強とはあまり関係の無いことのようですが、根拠のないところにも、自信を積み上げる意味があります。「万が一、よい結果がでなくても、私は私で大丈夫」そう本人が思えることが、長い目で見ても大事なのです。 こじつけでも何でもいいので、 ○○だから、本番でも大丈夫だよ。 こんなキミだから当日も実力を発揮できるよ。 そんなキミが私は大好きだよ(恥ずかしいですが)。とメッセージを伝えてください。1日に1、2回でもよいです。 これにより、子どもの精神状態はかなり落ち着いてきます。 "錯覚”でもいい。錯覚により自信が高まれば、本番で想像以上のパフォーマンスを発揮することができるのです。 入試直前の時期には、こうした方法も大変有効です。 ぜひ参考にしてください。 家庭学習コンサルタント坂本 七郎 追伸:今日お話ししたことにはひとつだけ例外があります。それは入試直前にも関わらず、すでに自信たっぷりの子。 そうした子には、今日の話は効果がありません。いやむしろ、害悪になります。 自信たっぷりの子は、入試でよい結果がでないことの方が多いのです。 そうした子には逆の対応が必要です。「油断するな、このままでは合格できない」「先生からもこのままだと厳しいと言われている」と伝えたり、まだ解いたことのない過去問をさせて合格点に届かないことを気付かせたりと、最後の最後まで走りきらせることが大切になります。 このタイプの子にだけ気をつけていただければ、あとは、今日の話は有効です。 追伸2:受験生のご家庭は、以前書いたこちらの過去記事も読んでおくとよいでしょう。■入試で力を出し切る5つの入試で力を出し切る5つのポイントポイント