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テーマ:中学生ママの日記(17715)
カテゴリ:教科別の勉強法
こんにちは、坂本です。 高校入試も終わり、私のもとにも少しずつ 結果報告のメールが届くようになりました。 さて、今日は、暗記の負担を減らす社会の勉強方法について 書いてみたいと思います。 私の新刊では「つながりメモ」という 授業中のメモの取り方を分野別にくわしく解説しました。 『中間・期末テストに強くなる勉強法(大和出版)』 この「つながりメモ」もとても大切なのですが、 今日はこの方法に関連して、もう1つの重要な勉強法について 書いておきたいと思います。 ------ ※今日の記事はお子さんが読んでも理解できるように書きました。 ぜひ、プリントアウトしてお子さんにも読ませてみて下さい。 ------- ■社会は“調べたもん勝ち”の教科だ ──────────────────────── 社会は代表的な暗記教科です。 たくさんの用語を覚えれば得点につながる。 知識問題が豊富な教科と言えます。 だから多くの人は、 「社会なんて楽勝!だって覚えるだけでしょ」 と“勘違い”してしまいます。 社会は「覚えるだけ」と思っていたら、テスト対策は間に合いません。 まして、中学受験や高校受験、大学受験で 膨大な知識を頭に入れるなんて無謀なこと。 単に知識を詰め込むだけではない、“工夫”が必要なのです。 では、社会の勉強では何が大切なのでしょうか? ひと言でいうと、 「わかる」を軸に暗記の負担を減らすこと。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ このことを常に意識しなければなりません。 キーワードは、「わかる」です。つまり理解。 そう、英語や数学の勉強でも私が大事だと話している 「わかる」の過程が社会でもまた大事になるのです。 意外だなぁと思った人もいるかもしれません。 では、どうして社会は覚えるだけではダメなのか、わかるが大切なのか。 例を挙げてお話ししましょう。 ■「わかる」を軸に暗記の負担を減らす方法 ──────────────────────── たとえば、歴史の教科書を見ると 「明治政府は1873年、『地租改正(ちそかいせい)』という政策をおこなった」 という記述があります。 これを単純に暗記することもできますが、それだとスグに忘れてしまうでしょう。 ところが、ここで「地租」という言葉が気になったとします。 そこで、地租という言葉を調べてみると、辞書には次のように出ています。 “地租とは、土地に対して課される租税(そぜい)のこと。” なるほど!土地の「地」と租税の「租」。 そこから地租という言葉が生まれたのだなぁと「わかる」わけです。 つまり、地租改正とは、 「土地にかかる税金が、改められた」という意味になりますね。 と、ここまで来ると、 じゃあ明治政府は土地の税金をどうしたのか? 上げたのか下げたのか? なぜそんなことをしたのか?という疑問がわいてきます。 そこで、もう一歩踏み込んで調べてみるのです。 こんどは、インターネットで、調べてみることにしましょう。 検索ワードは「地租改正 なぜ」。 これでググってみました。 すると、こんな記述が見つかります。 ------------ 明治になっても,政府の財源の多くは農民がおさめる米にたよっていた。 ところが,この租税は,地方によって税率がまちまちであり, また,おさめるものは米であったため,年によって収穫に差があり, 政府の収入は安定しなかった。 そこで政府は国庫収入安定のため,土地の所有者に地券(所有者の名前・ 面積・地価・地租額を記入した証書)を交付して土地の所有権をみとめ, 1873(明治6)年から地租改正を行った。 地租改正は, (1)米を現金にかえておさめさせる, (2)課税の基準を,収穫高から地価(土地のねだん)にあらためる, (3)税率を地価の3%とし,土地の所有者に税をおさめさせる, というものであった。 そして地租改正の結果、政府の財政収入は安定した。 ------------ ここまで調べると、「なるほど、そうだったのか!」となりますよね。 政府はこれから国を発展させていくために、 安定した収入(財源)が必要だったのです。 こうやって自分で調べることで、理解がさらに深まります。 こうして理解が深まれば、地租改正について問われても すぐにピンとくるようになります。 たとえば、定期テストなどで次のような応用問題があっても あわてずに対応できるようになります。 ------- 問)1873年から行われた地租改正では、土地の所有者と地価を定め、 地価に一定の税率を課して地租とし、土地の所有者に現金でおさめさせる ことにした。この改正が行われた目的を書け。 ------- この答えは何と書けばよいと思いますか? そうです。答えは、 「政府(国)の財政収入を安定させるため」 と書けばオーケーですね。 このように、勉強というのは、理解(わかる)を深めることで とても強固な知識(覚える)を身につけることができます。 また、単に「覚える」だけにとどまらずに、 「応用問題にも答えられる力」を身につけることができるのです。 ここでは歴史を例に挙げましたが、この「調べることの効果」は 地理も公民も理科はもちろん、他の教科も同じです。 積極的に疑問をもって、どんどん調べるくせをつけてみてください。 勉強が今までよりもずっと楽しくなるはず。 それでは今日の話を参考に、引き続き家庭学習を 充実させていきましょう。 坂本 七郎 追伸: 最近は「書く仕事」が多いですね。 地味に忙しい日々を過ごしています。 サクラサクシリーズも小さな改善を積み重ねつつ、 さらによいものにしていきたいと考えています。 すでにサクラサクに参加されている方は、 今後、サクラサクの進化にご期待ください。 追伸2: 歴史的な事件や出来事を調べたいときは、 今回のように「○○○○ なぜ」という検索ワードで 調べるとよいですよ。 そして、子どもの「調べるくせ」というのは じつは親御さんの行動からも影響を受けています。 わからないことはすぐに調べる。 そうした文化を家庭の中でも育てたいものです。 追伸3: 志望校に合格した人。 そこで勉強をやめてはいけません。 合格はおめでたいのですが、油断が生まれます。 入学後に向けて、次の勉強をスタートしてください。 ここで手を止めた人は、高校に入ってから苦労します。 不合格だった人。 いまは泣いてください、後悔してもよいです。 けど、いつかその結果がよかったと思えるときが来ます。 できるだけ早く、次の一歩を踏み出してください。 「負けるが勝ち」ということわざがあります。 長い目で見たとき、不合格だったことがプラスの経験として 転じることがあるのです。 ■発行:ドリームエデュケーション お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015/03/03 02:01:05 PM
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