2017/10/19(木)11:33
計算の工夫-第3回「賢くなるかけ算」
こんにちは、坂本です。
前回までかけ算の工夫として
2つの計算方法を紹介しました。
・3秒かけ算
https://plaza.rakuten.co.jp/kikuji/diary/201709070001/
・分離かけ算
https://plaza.rakuten.co.jp/kikuji/diary/201709200000/
今日は、ここからさらに一歩進めて、
2乗計算だけでなく、すべてのかけ算にも利用できる
驚きの計算ワザを紹介します。
名付けて「賢くなるかけ算」。
今回は、頭のなかで計算を行うと、
自然と頭が良くなる計算方法です。
速算というよりも、思考力が強化される
トレーニングとなります。
数の不思議にも気づき、
集中力、記憶力もアップしていきます。
ぜひプリントアウトをしてご覧下さい。
■計算の工夫(かけ算編3「賢くなるかけ算」)
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本日のテーマ、
「賢くなるかけ算」を紹介していきます。
じつはこれ、前回紹介した「分離かけ算」とほぼ同じやり方です。
ほぼ同じなのですが、ある操作をするだけで、
「すべてのかけ算」に使用できます。
これまで紹介してきた方法をまとめると
次のような関係になります。
┏━ 賢くなるかけ算 ━━┓ ← すべてのかけ算に使える
┃ ┏━ 分離かけ算 ━┓ ┃ ← 2乗計算のみ使える
┃ ┃ 3秒かけ算 ┃ ┃ ← 一の位が5同士の2乗計算
┃ ┗━━━━━━━━┛ ┃
┗━━━━━━━━━━━━┛
では、「賢くなるかけ算」のやり方を紹介していきます。
ほとんど「分離かけ算」と同じ方法で計算できます。
・キリの良い数まで2数を離して
・離した回数の2乗をたす(ここが少しだけ違います)
24×28 を例に解説していきましょう。
24×28
=22×30+2×6 ← この「6」の部分が違う
=660+12
=672
今までの手順だと、
2回離したので最後に2×2を足していましたね。
ですが、この応用ワザでは、
離した回数 ×(離した回数+もともとの2数の差)
を加えます。
上記の計算、24×28は、
もともとの2数の差は、28-24=4 です。
なので、最後に2×2ではなく、
2×(2+4)、つまり2×6を加えることになります。
この1つの操作変更だけで、
どんなかけ算でも正しい答えが導き出せるのです!
じつはこれ、いろいろ計算していたら
たまたま見つけた法則です^^
(書籍でも見かけない方法です)
とってもオモシロイ法則だと思いませんか?
ではもう1つ。
別の計算でもやってみましょう。
26×27 という計算であれば、
26×27
=23×30+3×4
=690+12
=702
となります。
32×35 という計算であれば、
32×35
=30×37+2×5
=1110+10
=1120
です。
ちなみに、前回の2乗計算(分離かけ算)は、
2数の差がない、0なので、
35×35
=30×40+5×(5+0)
=1225
とすることができます(一応、念のため)。
・・・いかがでしょうか?
どうして、こんな方法で正しい答えが出るのか。
じつはこの計算方法、
面積図を使うとこの式が成り立つ理由がわかります。
中学受験で面積図を勉強した人はぜひ図を書いて
確認してみてね!
ここで、1つ注意点。
確かに、この方法はどんなかけ算にも使えますが、
24×57のように、あまり2数が離れすぎると、
24×57
=21×60+3×36
というように、最後のかけ算の数値が大きくなるので、
計算が複雑になってしまうという弱点があります。
(でも、カンペキでないところがまた人間らしくて、
なんとも好きです私は。憎めないヤツ)
ですので、この方法は、
かけ算をする2数があまり離れていない場合に
役立つ方法といえます。
よろしいでしょうか。
では、早速練習してみましょう!
できるだけ暗算でチャレンジしてみてください。
○練習 賢くなるかけ算
16×18=
21×23=
24×28=
27×29=
32×33=
33×39=
(答えは電卓で確認してください)
いかがですか。
この計算は結構アタマを使うと思いませんか?
「あたまを使う=賢くなる」、
だから「賢くなるかけ算」です。
■「賢くなるかけ算」でも速算できる場合がある!
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最後に、おまけです。
(おまけですが、結構重要)
ここまでがんばってついてきてくれた
あなたにお得な計算方法をお教えします。
弱点はあるが個性的な「賢くなるかけ算」。
コイツを利用すると、
瞬間的に計算できるものが実はあるのです。
では、23×27を例に考えていきましょう。
23×27
=20×30+3×7
=621
どうでしょう!
何か気づいた人はいましたか?
・
・
・
はい!気づいた人は天才です。
実は、23×27 のように、十の位が同じで、
一の位がたして10になるかけ算の場合、
最後のたし算部分(+3×7)が
「偶然にも」もともとの一の位同士のかけ算になるのです!
たとえば、21×29なら下のようになります。
21×29
=20×30+1×9
=600+9 ← 位に注意
=609
つまり、この十の位が同じで、
一の位がたして10になるかけ算に限り、
一瞬で計算ができるというわけ。
どんなケースかというと、
21×29、22×28、23×27、24×26、
31×39、32×38、33×37、34×36、
41×49、42×48、43×47、44×46、
・
・
・
といった計算の場合です。
(かけ算なので、前後の数を入れかえてもOK)
ちなみに、初回に紹介した「3秒かけ算」も
じつは、25×25、35×35・・・というように、
十の位が同じで、一の位がたして10だから
この法則とも合致します。
計算方法も同じになります。
こちらも強力な方法ですね。
強力な計算方法を見つけたら、
どうしたらよかったでしょうか?
そうです、応用です。
たとえば、
23×28 というように、
一の位が、たして10にならない場合でも、
次のように工夫をして計算することができます。
23×28
=23×27+23
と変形して、
(23をかける回数を減らしているので
たし算で補っている)
=621+23
=644
と計算することができます。
他にも、
32×39
=32×38+32
=1216+32
=1248
短時間で、鮮やかに計算できますね。
それでは、この速算ワザと
その応用技も少し練習してみましょう。
○練習2○
24×26=
41×49=
38×32=
85×85=
77×73=
22×29=
24×27
(答えは計算機で確認してね)
説明は以上となります。
少し難しかったと思いますが、
プリントアウトをしてじっくり読めば
わかるはずです。
ぜひ、時間をとってゆっくり読んで、
問題を解いて、計算の不思議を体感してみて下さい。
坂本 七郎
追記:
「賢くなるかけ算」について以下の質問をいただきました。
--読者からの質問---
賢くなるかけ算はすべての掛け算に使えるとのことでしたが
たとえば
72×32=2304
キリの良い数まで2数を離して
離した回数 ×(離した回数+もともとの2数の差)を加える
を適用する場合、2通りありますが、
以下のように結果があいません。
74×30+2×(2+40)=2304
70×34+2×(2+40)=2464
どのように理解したらよろしいのしょうか。
-----
<以下、坂本の回答です>
こんにちは、坂本です。
メールありがとうございます。
72×32=2304
(1)74×30+2×(2+40)=2304
(2)70×34+2×(2+40)=2464
この計算の正しい答えは2304ですが、
(2)は2数を「近づけている」ので答えが異なります。
賢くなるかけ算は、分離かけ算で説明したように、
「2数を離した場合」になります。
ですので、できれば、左側に小さい数を
右側に大きい数を書いておくと間違いが防げます。
72×32 = 32×72 = 30×74+2×(2+40) = 2304
私も一度ここであれっと思ったことがありましたが、
上記が原因だと分かりました。
ここは注意が必要な部分です。
よろしくお願いいたします。
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発 行 ドリームエデュケーション 坂本七郎
ホームページ http://www.dreameducation.co.jp
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