「きく」を究めよう!広場●きくスキル研究会

2008/09/02(火)03:50

<639>AsIsとToBeのギャップ~クライアントの立場から

松野日記(45)

 昨日の続きです。コンタクトセンターの現場最前線に視点を移してみます。ありがちなケースは、クライアント(社内を含む)とコンタクトセンター運営部門との駆け引きですね。  新しい取り組みをして欲しい、新しいサービスに対応して欲しい、といったクライアントの意向と、それに相反して、費用、人的リソース等の面からいつもギリギリの線で頑張っていて、現状に加えてほかのことまでするなんてかなり難しい運営部門。この2者はいつだって対角にいるようにも思えます。  このような関係は、コンタクトセンターに限らず、いろいろなところで見受けられますよね。私は基本的に営業マンですから営業に例えると、経費清算でいつももめる経理と営業、クライアントの要望をかなえて欲しい営業と無理難題を突っぱねる企画開発部門、過剰な要求をしてくる取引先とそれを交わすのに精一杯な営業、といった具合に・・・。  話を戻して、今日はクライアントの立場になって掘り下げてみようと思います。  クライアントの立場から見るコンタクトセンターは、どことなく「井の中の蛙」に思えてしまうことがしばしばあります。コンタクトセンターの外側は、常に変化しており、その変化に対応していくことも組織運営には必要不可欠であろうと思います。  クライアントとコンタクトセンターの打ち合わせで陥りがちなのが「出来ない」という否定から入る議論です。そもそも「出来ない」から始まる議論は基本的に発展しません。そして「出来ない」が冒頭にあると、そこで思考が止まってしまい、打ち合わせにて話し合われるべき「どうやって」の議論になりません。  よほどの悪意や意図がない限り、クライアント側だって馬鹿じゃありませんので、コンタクトセンターがギリギリのリソースで運営されていることは基本的には把握しているはずです。  だから、出来れば「出来ない」と頭ごなしに否定から入らず、まずは話を聞くところから始めていただきたいんですね。話し合った結果として「出来ない」という結論に至るならば、クライアント側の納得感も異なってくると思うんですけどね。  一応当ブログのテーマにも絡めますと、最初に結論ありきの議論って全く無意味なので、いろいろな先入観等を捨てて話し合いに臨んで欲しいものです。  昨日記した「失敗」にまつわる諸々のことも踏まえると、失敗してよいならどんどんチャレンジしたら良いんじゃないの?と私なんぞは思っております。  私自身の体験談になってしまいますが、かつて若葉マークがしっかり張り付いた新人マネージャだった頃、バックオフィスの業務がどうしても属人化してしまい、困っておりました。  そんな折にバックオフィス担当の部下に異動の辞令がおり、私としては会社に対して猛烈に反対したものの、辞令が覆ることもなく、担当は異動していきました。さらにそのタイミングで新規サービスの開始と管理システムの改修が加わり、業務量の増加に加え、今までだって複雑怪奇だったシステム操作が余計に複雑になってしまい、頭を抱えておりました。要は異動に伴う失敗が怖かったのです。  しかし、結論からいうと属人化していたその担当が異動してよかったです。担当が抜けることによって一時的にパフォーマンスダウンがあったものの、その後一気に標準化が進み、新サービスの対応もなんとか乗り越えることが出来、ボトルネックの解消に至れました。  このとき、属人化排除の重要性と、あまり考えすぎることなく、いろいろやってみよう、ということの意義を痛感した次第です。確かに新しいことに取り組むとき、恐怖感にも似たプレッシャーがかかりますよね。どうかプレッシャーを意識せず、やってみたらよいんじゃないの?ってことで今日はおしまいです。散文すみません。  (この項続く)

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