<734>“電話応対コンクール全国大会”とは
さて、日本電信電話ユーザ協会が主催する「電話応対コンクール全国大会」とはどのようなコンクールなのか、その概要を簡単に説明します。 昨年(第47回)のコンクールは全国で9,699名の参加がありました。参加者はコールセンターに限らず、一般企業に勤めている方もいらっしゃいます。 日本全国47都道府県ごとで予選があり、最終の全国大会はこの予選を勝ち抜いてきた47名が一堂に会し、審査会場(昨年は広島厚生年金会館)で電話応対を実演してその応対力を競います。 応対内容は事前に課題が出ます。昨年の課題は「4歳のお孫さんにせがまれておもちゃを買ってあげたいというご婦人からの電話に、商品説明をし、来店を促し、道順を説明する」という内容です。応対時間は3分で制限時間内に完了しなければなりません。 参加者は課題の状況設定を読み込み、様々な状況やお客さまの気持ちを想像して応対スクリプト(台本)を作成します。何度もスクリプトの推敲を重ねながら、実際の応対練習を繰り返してコンクールに臨むのです。 「コンクール」は個人の応対を審査しますが、企業や部署全体で取り組まれているところが多いようです。全員でスクリプトを考えて、毎日トレーナーや同僚と応対練習をします。私の友人のセンターでは、センター全体を3つのグループに分け、それぞれでスクリプトを作成し応対練習をします。そして本番に向けて3グループで競ったそうです。 この取り組みでセンター全体の応対意識やモチベーションが上がり、業務での顧客応対レベルがアップしたと聞きました。また別の企業はコンクールに参加したいと手を挙げたメンバーで、プロジェクトチームを結成して取り組まれたそうです。 社内の様々な部署からメンバーが参加しているので、いろいろな考え方や応対の仕方があるということの気づきができ、さらには他部署との連動や顧客応対の考え方などの共有が図れたと伺いました。 出場するのですから「電話応対コンクール全国大会で優勝すること」が最終ゴールですが、コンクールに参加するプロセスには、ゴールまでの様々なマイルストーンがあり、顧客意識やコミュニケーション・スキルの向上につながるヒントが多くあるようです。今年の「電話応対コンクール全国大会」に皆さんも参加してみてはいかがですか? (この項続く)