気まぐれなページ

2021/01/19(火)14:37

鈴ヶ森刑場跡(後編)

庚申塔・地蔵尊・石仏など(43)

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​11月28日の散歩……最終回。ようやく終了。  ひげ文字で南無妙法蓮華経と書かれた高さ3m超の題目供養塔。裏面に、元禄11年(1698年)の年号と建立者・法春比丘尼・谷口氏の名が刻まれていました。題目供養塔は歌舞伎『浮世柄比翼稲妻(鈴ヶ森)』で有名らしい。歌舞伎はまったく無知だけど、白井権八と三浦屋小紫が登場するみたい。連れ合いは知っているかも……  元禄11年は「江戸大火」の年。放火の大罪で市中引き回しの上、八百屋お七が火炙りの刑に処されたのは天和3年(1683年)3月29日。見せしめだったのだろうが、生きたままの火炙りは残酷過ぎた。サザエや蛤じゃないんだから。 ​​  政府はコロナ改正法案をまとめた。事業者が休業・時短要請に応じない場合に行政罰として50万円以下の罰金。感染者が入院を拒んだ場合には「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」と、刑事罰まで持ち出した。見せしめのように思えるのは私だけか。コロナ終息には国民一人一人の努力と協力とが必要不可欠だが、罰則ばかリで補償が見当たらない。入院したくても入れてもらえず自宅待機を余儀なくされている感染者が大勢いる。治療を受けられず自宅待機中に一人で亡くなった場合、政府はいくらの香典を払ってくれるのか。診てもらいたくても受け入れてもらえないことに対する罰金も準備したらいかがか。 ​​ ​『世のあはれ 春吹く風に名を残し 遅れ桜の 今日散りし身は』  お七の辞世の句らしい……​南無妙法蓮華経  東京都指定旧跡……削られている部分が気になります。 『……髭題目を刻んだ石碑は池上本門寺25世貫首日顗(にちぎ)の筆によると伝えられるもので、元禄11年(1698年)若しくは元文6年(1741年)の建立とされます。……』となっていたはずです。もう少し丁寧にマスキングできないのかしら? ​​  池上本門寺参道口に「中道院」なる寺院があります。 『日蓮聖人の滅後、直弟子日頂聖人が開いた庵室を起源とする。もとは本門寺の南の谷の先にあり、いつの時代にか当地に移された。本門寺10世中道院日陽聖人がここに隠棲したので中道院とよばれるようになる。本門寺25世日顗聖人の庵室(場所は不明)の不二庵が日顗聖人没後の宝暦4年(1754年)中道院と合併。(日蓮宗HPより)』  以前訊ねた​「中道院」​は、日顗聖人と関連があったようです。また『…かつては、日顗聖人の法脈に連なる本門寺貫首の退隠後の庵室であり、現在はその位牌所となっている。』とのこと。寺名がなかった謎が解けました。よかったよかった……  しながわ百景でもありました。  奥に大経寺……「鈴ヶ森遺跡」と立派な石碑が立っていますが、東京都はお金があるんだな~ 「東京都文化財情報データベース」の解説文は訂正されていません。片手落ちって言うんでしょう。情報共有がなされていない証拠です。  25番……最後の道標発見!!!  納骨堂なのか?  勇猛院日健尊儀……と書かれています。50回忌記念に石柱柵を寄付された方々のお名前が刻まれているみたい。大正6年(1917年)4月10日。  勇猛院日健なる方は僧侶かと思いきや、渡辺健蔵と言う彰義隊隊士だと。明治に改元される慶応4年(1868年)4月、有栖川宮熾仁親王が一時入山した池上本門寺本堂への進入を試みたが捕まり、本門寺参道あたりの橋付近で斬首された人だと。でもって、この鈴ヶ森刑場に首が晒されたとされています。明治4年(1878年)に刑場は廃止になりましたが、渡辺健蔵が最後のさらし首人となったそうです。健蔵氏の死を悼む方々による碑でした。  細長くほんとうに狭い境内には、様々な石塔石仏が……  左は「六十六部供養塔」……法華経を写経して全国66か国の霊場に納経する巡礼行、あるいはその行者を六十六部と呼ぶそうな。諸国を遍歴する行者たちの供養なのでしょうが、初めてお目にかかりましたので知識不足です。  右は「大震火災殃死者供養塔」……1923年の関東大震災で犠牲になった方のための供養塔と思われます。  六十六部供養塔の上に……お釈迦さまなのでしょう、東を向いておいででした。海を見ていたんでしょう。  小さな石仏たち……  合掌……新しそうですが、今なお死者を悼む方が奉納されたものでしょう。  南無妙法蓮華経……  馬頭観世音……  境内の先端……  先端の先はこんな具合……海岸通りはここから始まるのかしら?  境内裏側…… 「うしろすがたのしぐれてゆくか」(種田山頭火)  左に第一京浜が走っていますが、車道からは見えないように植え込み……  ふり返り、首を垂れて失礼した私でした。 ​​  さてさて、何をしようかしら? ​

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