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株/投資/ヘッジファンド/きまぐれぽんた

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旭山動物園

初代菅野園長・小菅現園長っていう実在の園長のおかげで、人口40万人に満たない
北海道旭川にある旭川市立旭川動物園の年間入場者数が、180万人を突破したと
言う。東京都上野の上野動物園の入場者数を追い越したと言うのだから、
とてつもない記録だ。まして、日本有数の豪雪・寒冷地で真冬には-30℃近くに
なり動物園として実質的な開園期間は9~10ヶ月という条件下だから、奇跡的な
記録である。パンダ・コアラ・ラッコ等のスター動物を持たないのに。その手法と
アイデアは国内外の動物園だけでなく、経営的な視点からも注目を集めている。

looking at sea


「行動展示」。小菅園長が今の旭山の展示方法を語るときに使う言葉だ。動物の
姿形を見せる従来の「形態展示」に対して、動物本来の行動や能力を見せる。
さらに、旭山の展示方法は、できるだけ自然に近い状態で見せようという「生態
展示」の要素も併せ持つ。一九九七年九月、園内の一角に巨大な「鳥かご」が
登場した。人間が中に入って、鳥たちの生態を観察するバードケージ「ととりの
村」だ。以前は鳥が飛び去らないように羽の一部を切っていたが、この方法だと
鳥の飛ぶ能力、自然の姿が観察できる。「鳥は、空を飛んでこそ鳥」と小菅園長。
行動展示への特化という旭山の方向性が形になった施設だった。

以後、「行動展示」「生態展示」に向けた施設整備に拍車がかかる。トラやライオン、
ヒョウなどの生息環境に近づけた放飼場(ほうしじょう)が特徴の「もうじゅう館」、
水中を飛ぶように泳ぎ回るペンギンを水中トンネルから見られる「ぺんぎん館」、
木の上で生活するオランウータンの本能を引き出した「空中運動場」、のし歩く
ホッキョクグマを目の前で見られる半球状のドーム窓を設けた「ほっきょくぐま館」-。
次々と整備される斬新な展示施設は話題を呼び、入園者数も年々増加。
「あざらし館」では、好奇心旺盛なアザラシが円柱水槽を上下に行き交う姿を
見ようと長蛇の列ができた。小菅園長は言う。「どうやって生き物の自然の姿を
伝えていくか。そのために、動物たちが本当にやりたいことは何かを考え、
スタッフが知恵を絞ってきた」。その熱意と工夫が今、花開いた。


昭和38年に開園したときの入場者数は、年間45万人。その後入場者数は伸びず、
昭和50年・60年頃に2度遊具を併設したが1~2年で効果がなくなり、平成に入り
唯一の看板動物、ゴリラ病死を公表した頃には20万人を切った時期があったらしい。

園受難期に、初代菅野園長・小菅現園長は従事者とともに理念を打ち立てた。
1.あくまでも動物園としての存在価値を求める。
2.市民・マスコミを味方につける。
3.飼育係が説明をする。
 
職員がチラシをもって旭川市内をくまなく回った。市民から「動物に食べさせて」
と餌の差入れもあった。ゴリラ病死もマスコミに公表することで、後日市民の
信頼を得ることに繋がった。同時に、各飼育係が中心となって議論の末、
「理想の○○館」というスケッチが14枚出来上がった。財政難の市を説き伏せて、
「理想のペンギン館」から具現化していった。その理想の動物園の具現化と
ともに入場者数は鰻上りに増加した。

小菅園長をはじめ本物の動物園を目指す旭川動物園の職員の方々に、大きな拍手を送りたい。



熱いハートと大きな志は何かを変えるんです。人に伝わるんです。










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