凶から末吉。
深~い真っ暗な海に投げ出され、ふたりの男に「ここは底なしだから、這い上がれないだろう」と置いてけぼりをくらいブクブク沈んでく息苦しさでうなされ・・・その前の日、この一年私からはほとんど話しかける事のなかった義母を激しく叱ってる夢ではっと飛び起き・・・そして次の日。ものすごい速さの激流に流されて転がって・・・そんな夢を見てうなされ起きたこの朝。義母が倒れた。というか、立てなくなった。自分にとことん甘い彼女。怖いこと辛いことキツイことから目を背けてきた長年のぐうたら生活のせいで、この一年間だけでも急速に背が丸くなり大きく曲がっていたが、腰の痛みに耐えられなくなったのだ。もとはと言えば二年前、出先の階段で転倒したのが原因。全治二か月くらいの右腕剥離骨折だった。あの時の受け身のとり方が、腰にダメージを与えたらしい。それが加齢に伴う筋肉や骨の衰えで、ここにきて悪化した。彼女が勝手に病院行ったので詳細はわからないが、おそらく最初の診断は、高齢者にありがちな圧迫骨折初期。絶対安静を言われてるはずなのに、コルセットがきついと帰宅するなり黙って外し、金具が痛いからと一部を取り外し、挙げ句、処方薬も全然効かない!と飲まずにいたり・・・自力でトイレは辛そうだからオムツを説得してやっとの思いで穿かせたのに、妙なプライドから這いながら用足しに行くのを繰り返し、その度に便座の前で動けなくなり「吐きそう。気持ち悪い。痛い!!」と早朝から私やダンナを呼んで大騒ぎ。案の定痛みは増すばかり。恥ずかしいことに救急車を呼ぶ始末。なのに救急隊に何を聞かれても、人見知りの激しい彼女、いつもの威勢はどこへやら、何ひとつ答えられず私達に喋らせる。一週間前とうとう、ほぼ寝たきりの姑の介護生活が始まった。意外にも私、頭で考える前に体が勝手に動いて、こんなの嫌だとかうんち汚いとか毎日辛いとかそんな気持ちも不思議とわいてこず。むしろ介護用品を買い物するにも何にしろ、夢中で動ける自分に「私何はりっきってるんだろう」と驚いている。なのに相変わらず私には、ホントの所を見せてはくれない。他人(=私)と血の繋がった息子ふたりの前とで態度が明らかに違う。息子であっても下半身を晒すのは嫌と、私をオムツ交換に指名するクセに(今はダンナも交代で交換やってるが)、汚物を替えさせる仲にまでなったにも関わらず、私にはまだ本音や最優先事項を言わない。先回りして体調や食欲、オシメの具合等今すぐ必要な事をまめに聞いても、その時には肝心な事を言わず、ダンナの前で喋る。何事も二度手間というか、あの時言ってくれたらもっと早くできたのに何で今頃・・・という苛立ちが。他人と血縁者を巧みに使い分けるそういうところのある人なのは、とっくに了解済みで、もう一生割り切ってつき合おうと決めても仕事先でも義母の心配をしていた夜。深夜帰宅後にまた同じような悔しさを感じる。彼女からすれば些細な事、が引き金となり、仕事疲れと慣れない介護疲れとでまた近所迷惑も忘れ大噴火してしまい、義母を責めながらダンナに慰められながら、大声をあげ泣いた。どんなに、何度も泣いて訴えても、あの人にどれだけ響くかは期待しない。ただただ悔しかった。それにそんな相手だとわかってるのに、どこに居ても何をしていても、職場に居る間じゅうも彼女を心配してた自分に、無性に腹が立ち、みじめになった。こうなる直前にやっと時間を作り初詣に行った八幡さまのおみくじは、凶。気持ちを入れかえ引き直したのは、末吉。そこには、今の私の心の支えになる内容が図星書かれていたから、今年の一番のお守りにする。自分の尽くすべき義務を知り、困難や苦労に耐えて清く正しい志を曲げずに守り通しなさい。時には耐え難いほど我慢せねばならない時もあるが、すぐに春風に伴われて天から恵みの風が吹いてきて、きっと幸福になれます。★ ★ ★ ★ ★今日の長めのひとこと。「先日何年越しの鬱憤を義弟を呼んでぶちまけ、義弟を泣かし、実母の世話まで手伝わせた。仕事が忙しいとか今後絶対言い訳するなよ? この先もどんどん手伝ってもらう! あなたを一番愛してる親だ。それ程先も長くないだろう。今のうちホントの親孝行しろ。覚悟しとけ。」