心に太陽。
晴れてても雷鳴。突然辺りが真っ暗になり、シャワー並みの降り方をしたかと思ったら雲間から日が差し込んで・・・そんな不安定でご機嫌斜めな最近の天気。昨日も折り畳み傘は必要と天気予報のおねえさんは言ってたけれど、買い物いっぱいするから手がふさがるのヤだし、帽子もあるし、降られないような妙な自信も・・・そんな理由でロンドンの人を見習って(少々の雨じゃ傘ささないとかって話)、傘を持たずに外出。あこち回ってる間に思った以上に時間が経って、スーパーを出る頃についに雨。とはいえ、傘派とそうじゃない派と半々だから、気合を入れて我が家への道を歩き出す。マンション入り口まであと2、3分の所を歩いてると。「どちらまでお帰りですか? 傘お貸ししますよ」と、背後から間違いなく私向けに。そろり振り返ると、七福神のえびす様のような福福しい初老の男性が、鶴瓶のような懐こい垂れ目の笑みを浮かべてる。手には透明のビニール傘。それをちょっと差し出すようなポーズで。あまりに突然のことで困惑しつつも、大丈夫な理由を添え、丁寧にお礼を言い会釈して別れる。後で気づいたのだが、たしかあの方は立ち止った前のお宅のおじさんだ。近所で会社を経営してる。その家路で雨の中傘もささず、エコ袋2個を肩に食い込ませショルダーバッグもつけ、しかも手には仏花1束を握り締めた中年女が、哀れに見えた?恥ずかしさと嬉しさが混ぜこぜになり、体温が上昇したが雨でちょうど冷やされ心地好い。なにげない日常のひとコマに、心がほっこりした出来事だった。ここ数年ぽつぽつと開発が進み、私を含み新住人も随分増えたこの町は、地元の人たちが分け隔てなく、受け容れてくれる人情がまだ在る。もともとどこを歩いてても、かなりの頻度で上は80代くらいから下は幼稚園児くらいまで、老若男女に声をかけられ、しばしの会話につき合ってしまいがちなんだが、この日の収穫は、60代と70代の女性各1、そしてこの紳士。きっかけは様々だが、みんな決まって知り合いに話しかけるみたいに突然こっちを見て「・・・よねェ?」的に話しだすんで、ある程度の覚悟と相手への敬意をもって、穏やかにひたすら相槌を打つ。取材相手にインタビューしてた経験が、こんなとこで役に立つとは(苦笑)。この町で住み始めてからもすぐに、こんな出会いの連続だったから今では、その人とは一瞬一度だけの会話かもしれないけど、毎回ひそかな楽しみにも。こうしてますますこの町や人が、好きになる。こんな予測不能な梅雨の一日さえも。★ ★ ★ ★ ★今日のひとこと。「ブラジルvsドイツ、アルゼンチンvsオランダとかで観てみたい。」