近すぎず遠すぎず。
『地方移住者』が増えているらしい。『コロナ禍』により、各々の『価値観』が変化したのが理由として一番のよう。確か“東日本大震災後”も、このような流れになったような? あの時は再びの大地震や放射能の影響を恐れて、かなり遠くまで転居する人が多かった。私がblogで知り合った人も、関東から幼い子供のために縁も所縁もない熊本に移住した。その後暫くして遣り取りが途絶えてしまったので、もう近況を知ることはない。私のことも忘れた頃だろうが、私はと言うと5年前の大地震や近年の阿蘇山噴火等のニュースを観る度、無事でいるだろうかと、顔も知らない彼女のことを思う。関東に居た頃も自然のある穏やかに時間が過ぎる環境で、素敵な生き方をしていた彼女。今はすっかり新しい土地に馴染んで、家族と幸せに暮らしているだろう。******「“音楽業界”と関わる仕事がしたい・し続けたい」という想いが強かった頃の私は、自分は東京を拠点にずっと暮らしていくもんだと思い込んでいた。もしも途中で何かしら御縁があって結婚したとしても、「住むなら神奈川!(それも海側)」と決めていた。なぜなら私の生まれ育った“九州”に、温暖な気候も町や人の雰囲気も似てる気がしたからだ。とは言え、昼夜・平日休日を問わずアグレッシブに活動していた頃の私が、ズム―ズに仕事をするには東京か東京にだいぶ近い土地に住むのが最も適していた。だから結婚してフリーで仕事をしていた頃は、急な仕事の依頼が来ても飛んで行ける町に居たけれど・・・だんだん音楽業界も衰退し、共に業界で切磋琢磨してきた仲間達も減り、私の流行り音楽への興味もなくなって・・・そのうち闘病が暮らしの中心になり、ダンナも激務と人間関係で体調崩して・・・そんなことを繰り返すうち、“都会”で踏ん張り続けることに二人とも疲れてしまった。そんな時、たまたま今住む町に辿り着き、“終の棲家”と出合うのである。ココなら東京にも近いと言えば近いし、欲しいモノ・コトは意外と何でも手に入る。それでいて周りには自然が多くあり、澄んだ空気が漂い、のんび~りと時間が過ぎてゆく。ラフな格好でも平気だし、何しろ食材が新鮮で安くて旨い!この程良い“田舎味”が私やダンナの故郷とも似ていて、縁も所縁もない町だったのに、すんなり馴染むことができた。距離的に“都会”を離れたことで、都会の好い部分にも気づけた。しかし、仕事や人間関係についての『価値観』が変わったのだ。引っ越し前から毎日のように多くのアクシデントと向き合い、新居でも悩んだり考えたりしたけど、心機一転、二人ともこれまでの仕事を辞めて、暮らし方を変えていった。若いうちは多少の無理も利いた。だからワーカホリック気味で、忙しいことに酔っていたけれど、歳を取るにつれ仕事の疲れは抜けにくくなる。そこに親の介護介助や死が立て続けに降り掛かれば、“自由になる時間“は奪われてゆくだけで尚更気の休まる暇はない。生きるには『お金』が必要だ。でも、その前に『心と体に余裕』がなけれはば、働くのも難しい。これまで二人ともアクセル全開で生きてきた。だから、これからは歩く速さでひとつひとつ丁寧に欲張らずに、仕事していこうと決め、今に至る。******最近の『地方移住者』もコロナ禍を機に、働き方を変えた人達が多いとのこと。リモートワークで今までの仕事を続ける人もモチロン居るし、全く異業種へと転職した人やアーリーリタイアした人も・・・ダンナの職場関係でも、関東の奥の方に移住を決めた家族が。通うとしても2時間超の通勤時間? 今は交通手段も豊かだから、慣れてしまったらそんなにストレスないのかもな。東京で働いていた者が地方で暮らす場合、収入減というデメリットも確かにある。私自身も仕事量を減らしたのもあるが、収入は激減した。それでも彼等は言う。「1ヶ月に一度くらいの感じで東京に行く方が、楽しい」と。若い頃は何でも手に入る『刺激的』な眠らない街が、私は大好きだった。活き活きとした華やかな街に浸る自分も活き活きとしてる風に思えて(錯覚)、都会の夜景を眺めながら狭いワンルームで暮らす自分にベロンベロンに酔っていた。そんな私だったけど・・・新型コロナ拡大で都内への満員電車通勤を避け本業を休んでしまって以来、電車に乗るのも人混みに行くのも恐さが先に立つようになった。出版界も厳しいから、本業はこのままフェードアウトするかもしれない。電車が怖くなった今、それでもいいやと思い始めてる。今なら『地方移住』をした人達の気持ちがスゴく解る。ま、私の居る所なんて微妙なエリアだから、「そこを一緒にするな」と言われそうだが。いや、“都会”で長年暮らしていた私が初めてココを訪れたとき、色んなモノに“カルチャーショック”を受けたから、“そこそこ田舎”なんだと思う。そんな町が居心地良すぎて、都会暮らしには二度と戻れない。大学入学直前、世話になった従姉妹に「歳を取ったら、田舎が恋しくなるよ」と言われて、あの当時は全く響かなかったけれど・・・“こういう気持ち”だったんだなぁ。★ ★ ★ ★ ★今日のひとこと。「最近ねむくて眠くてネムクテもうね・・・😪💤」ハナレグミと冨田ラボの音聴いてまったり~♨♨な快晴の午後。