テーマ:TVで観た映画(3990)
カテゴリ:ヒトコトモノ
【他ブログから転載。2017年11/24(金)より】 事実は小説よりも奇なり。 TVや映画の新作が大ヒットに結びつかなくなった今、 手っ取り早く成果をあげるには、事実を基に作品を作ればいい。 これだと脚本をイチから作る手間も省けるわけで、事実だから 人々がリアリティを感じ共感し、食い付く率も高い。 そんなだからか、ハリウッドも日本も最近やたらと、史実や どこかで実際にあった話を映画化しているように思う。 私もドキュメンタリーが大好きで、そのテの番組は好んで 様々見たりする。ファンタジーものが超苦手だから、 どっちか今観なくちゃいけないなら、迷わず事実に基づく 作品を選ぶ。 新しくはないが、この前TVでやってて観たのも 実話がベースになったもので。 『しあわせの隠れ場所』(2009年) サンドラ・ブロック、キャシー・ベイツと言った ベテランが主役を支え、物語に安定感を与える。 主役はなんとこの作品がデビュー作となる黒人青年。 彼の成長物語が、役者としても主人公の青年役としても 楽しめるというのが、この作品の面白いところ。 公開当時気になっていたので、どんな内容かはわかっていた。 でも映像を観るのと話を聞いただけとは違うから・・・ たまたまチャンネルかえたら始まったのも、何かの縁。 退屈したら途中で観るの止めようと、あくまでも気楽に。 家事をしながら観たから、泣くには至らなかった。 期待してた程の感動はなかったものの、これは 感動するために観る映画じゃないと、途中で気づいた。 親に捨てられたホームレス寸前の少年通称ビッグマイクが、 ある女性とその家族との出逢いで人生が変わり始め・・・ 裕福な家族の愛情を受け、彼は大学を出てついに プロのアメフト選手へと見事な成長を遂げる。 ま、展開だけを見れば、男版シンデレラストーリーで、 たまに作られるテイストの映画の類ではある。 でもこれは人種差別や貧富の差に立ち向かうとか、 そういう熱い系のものではない。アメフトの試合は 熱いけど、ビッグマイクが闘志をむき出しにするのは 対戦相手を倒す時だけで、それ以外の時は養母に 「花の好きな牛」と称される程、ほのぼのとした存在。 だからその彼と家族のやりとりから感じるのは、熱血な 激しいものとは真逆の、じわじわと温まる陽だまりのような 心地好さであった。 それがとても自然だから、ものすごい感動とまでには、 至らない。家族なら「当たり前」の光景が、 広がっているに過ぎないから。押しつけがましさは一切なし。 白とか黒とか、そんな事気にならないくらい自然に見える。 日本では東日本大震災を経験した頃から、やたらと「絆」を 口にするようになった。語弊を承知でいうが、随分絆が軽く なってしまったと、以来この言葉を耳にする度、溜め息が。 人と人が支え合い繋がるのは、実によい事。それは認める。 けれど、それを簡単に絆と表わすのはどうなんだろう? 絆というのはビッグマイクと裕福な家族の繋がりのように、 人種や貧富の壁を越えて、互いが相手を思い遣り、無償の 愛で繋がる事、だと思う。だから日本のよく聞くそれとは、 違う。 この映画で一番心動いたのは、エンドロールの部分。 モデルとなった主人公と家族の写真が、沢山映される。 その中にある事実が、何よりホントを物語っている。 はっきり言って、ギャラの高い役者を使わないで この家族のドキュメンタリーが観たかった。 それくらいみんないい表情、愛情あふれる写真ばかり。 ちなみに原題は『THE BLIND SIDE.』。 これが良かったのに。 ★ ★ ★ ★ ★ 今日のひとこと。
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最終更新日
2019.04.08 15:58:26
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