ニュースより 新手法の遺伝子治療を実施 国内初、北大病院で
新手法の遺伝子治療を実施 国内初、北大病院で 遺伝子の異常で重症の免疫不全になるアデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症の女児(4つ)について、北海道大病院(杉原平樹病院長)は22日、造血幹細胞への遺伝子治療を実施した。 北大病院によると、ADA欠損症で、造血幹細胞に遺伝子治療を実施するのは国内初。 多様な細胞に分化する前の造血幹細胞を女児の骨髄から取り出し、正常なADA遺伝子を造血幹細胞に導入、点滴で体内に戻した。分化後のリンパ球への遺伝子治療では、定期的に治療を繰り返す必要があったが、今回の治療は半永久的な効果が期待できる。 治療計画は昨年6月、厚生労働省が承認したが、同9月、フランスで遺伝子治療を受けた患者が白血病を発症し、一時中断。今年10月になり、再開が承認された。 北大病院は、がんなどの副作用の危険性を女児の家族に説明した上で治療した。来年3月ごろには効果の有無が分かる。同症の男子中学生(13)にも同じ治療を行う方針。 執刀した崎山幸雄教授は「今後、ADA遺伝子が女児の遺伝子のどこに組み込まれたか、定期的に調べる。根治を期待している」と話した。(共同通信)[12月22日20時22分更新] 胡蝶蘭