きみちゃんの「名言集」と「写真展」
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Good morning. How are you, everyone? Today too "My Love Day's". Please read "the morning drama diary of a long piece"!
母(富子)は、地元の砂川建設(有)に我が家の建築依頼を、立川市高松町の自宅兼事務所に出かけたのである。木造土壁の平屋瓦葺の設計で、純日本風の予定でお願いに伺ったのである。 昭和34年の3月15日は、母の誕生月である。記念の日として建築依頼だったのである。日本人として、最高の幸せと喜びを目の前にしたのである。 契約を済ませて、4月から着工の予定であったが、4月を過ぎて5月になっても建設が始まらなかった。5月の中頃のお昼頃、事務所にお伺いしたのである。事務所には誰も居(お)らず、閑散としていた。母(富子)は少し心配と焦(あせ)りを感じたが、今までの商売根性で、毎日、事務所に様子を見に来ることにしたのだった。 一週間過ぎた頃、夕方に漸(ようや)く、社長と社長婦人に会えたのであった。お茶を飲みながらの懇談的会話であった。社長からのお詫びと弁解の内容を詳細に聞いた母は、やっと理解ができた。つまり、契約建設の半金が、前年度の不足金に流用したのであった。いわゆる「自転車操業」をしていたのである。それでも母は、残りの半金全額を手渡し、現在ある全ての材料を掻き集めてでも、何とか建築の成功をお願いしたのである。 世間一般ではこの話からすると、「騙されたから泣き寝入りせよ」か「裁判にかけろ」と言われるかもしれないが、敢(あ)えてそうしなかったのは、母の「人の心を動かす力量」と感じてならないのである。 この年の秋も過ぎて、落ち葉が散る11月中旬に、我が家の完成となったのである。継ぎ足し継ぎ足しの不格好な木造土壁の家であるが、自分達の手作りの家としての喜びになったのである。 ~~~~~朝ドラ日記連載中~~~~~