きみちゃんの「名言集」と「写真展」
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Good morning. How are you, everyone? Today too "My Love Day's". Please read "the morning drama diary of a long piece"!
西武沿線の小平駅南口から西側に小平都営住宅の木造平屋が数百件ほどである。その中央には、小平第4小学校がある。その目の前の住宅が、栗原宅であった。 「こんばんは。横瀬三郎です。栗原様の娘さんの件で参りました。突然の訪問をお許し下さい」と言って、玄関ドアーをノックした。 「 はい、こんばんは、お待ちください。」ドアーを開けたのは、父の栗原駒之助であった。 「どうぞ、お上がりください。」母の栗原ハルが、訪問者3人を和室に案内した。 和室には、長テーブルが中央に置いてあり、お茶セットがテーブルの上に用意されていた。テーブルの上座側の左側から、栗原駒之助、栗原ハル、栗原三久、栗原智子が正座して迎えて正座していた。 下座のの左から、横瀬三郎、横瀬ナツ、阿部一雄が正座して腰を下ろした。 「ご苦労様でした。」と言いながら、栗原智子が急須(きゅうす)を持って、各自の前のお茶碗にお茶を注いで、それから、静かに座った。 「初めまして、私が横瀬三郎です。阿部君の両親から仲人役を依頼されて、今日は両親の代理も兼ねて、私の妻のナツと阿部君と共に、お宅の娘さんとの結婚のための結納を交わしたく、訪問いたしました。これは結納としてのささやかの品々です。是非、お受け取りください」と言って、三郎が風呂敷を解いて、テーブルの上に、結納セットを並べたのである。 「チョッとお待ちください。そこまでされると、困ります。そんな正式な堅苦しい事をされては…。」と栗原駒之助が片手を振るったのだ。 「申し上げませんが、そこまでされるような長女の智子ではないのですよ。」と栗原ハルが付け加えた。 「いえいえ、急に押しかけての事で、こちらこそ恐縮しての気持ちなのですのよ。」と横瀬ナツが言った。 栗原ハルは、旦那の駒之助との経緯(いきさつ)を話し始めた。大田区の或る実業家の家の女中さんがハルであった。酒屋の番頭丁稚として、実業家宅の出入りしていた栗原駒之助と結婚して、実業家の女中部屋で世帯をもった。、子供が3人出来たので、近くのアパートを借りた。そこから二人は実業家の下働きとして使えていた。だから、貧乏暮らしには、慣れているし、経済的な生活には、人一倍強いことが確かである。その両親で育った娘の智子なのだ。 「そうでしたか、本当に、人生には不思議なご縁が付き物ですね。阿部くんの両親も、勤勉な働き者で、やっと、土地と家を手に入れて、二人の子供を立派に育てた。特に、阿部くんのお母さんは、戦時中の疎開先で、子供二人を抱えながら、行商をしていたのとか、それを聴くと、私は、栗原親子の気持ちに共感するしだいです。でありますから、この縁談話を直ぐにでも纏(まと)めて行こうと決心したのです。」栗原三郎も手短に話したつもりであった。 「そうでしたか、少々の時間をください。数日以内になるべくご返事を、家族会議を持ちましてから、いたしますので、よろしくお願いいたします。」と栗原駒之助が返事をした。 「お互いの家庭の事情が似ている事ですし、阿部様の両親が、お宅の智子さんを非常に気に入られているご様子です。あとはご本人同士ですよ。」と横瀬婦人が言った。 「そうですか。私には本人の口から本当の気持ちを聞いていませんが。」と笑(えみ)して栗原婦人が答えた。 「ここらへんで、お茶を飲みながら、雑談にいたしましょうか。」と始めて、兄の栗原三久が口を開いた。 栗原智子と阿部一雄は、長時間の正座にシビレを切らしていた。二人は目と目で合図して、庭の縁側に行って、縁側座って足を伸ばし、庭の草花を眺め、落ち着きを取り戻した。 白と茶色のブチ猫が、彼女の座っているスカート頭を擦(こす)り寄ってきた。この家に住み着いた「タマ」であった。人懐(ひとなつ)こい猫であった。 ~~~~~朝ドラ日記連載中~~~~~