きみちゃんの「名言集」と「写真展」
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Good morning. How are you, everyone? Today too "My Love Day's". Please read "the morning drama diary of a long piece"!
「こんにちは!兄貴1お母さんは元気ですか!」と言って、弟夫婦が玄関から入ってきた。 秋の夕日も立ち込めてきた。中古車と言え、日本の車ではなさそうだ。 「や~純也、急に今時なんだね、入って、話でも聞こうか。」と言って、一雄は弟夫婦を部屋に誘った。 よそよそしい態度の二人である。早くも気付いた妻の智子が、お茶を出しながら言う。 「今日は、どちらへお出かけですか。」と訪ねた。 「いいえ、チョッと買い物に行く途中でよってみただけなの。」と弟の雅子。 「兄貴!相談というか、お願いがあって、来たんだが、いいかな。」と純也。 「なだよ、たった二人兄弟の中じゃないか、遠慮いらないよ。」と一雄。 「実は、俺~、妻の雅子の実家である岩手県大船渡に行ってきたんだ。妻のお父さんは、中古車解体業をしていて、一応、有限会社なんで、今まで一人で元気にやり繰りして、来たんだが、このところ身体を壊(こわ)し、病院通いしながら、経営が困難な時期になってきた。その時に、長女の旦那に手伝いをしてくれないかと、誘われたんだ。」と純也。 「ま~、良いんじゃないか。純也は真面目で働き者だし、雅子は経理や人の応対にも秀(ひい)でているから、適していると思うよ。」と一雄。 「もう一つ、お願いと言うか、相談なんだが、俺として、親父(オヤジ)やお母(オフクロ)に心配やお世話になったお礼というか、感謝のチョッとしたお礼に、車で親父の実家まで送って行くような、小旅行をさせて上げたいんだが、どうだろうか。」と純也が言った。 「それは、両親の意向と、母の病状次第だが、直接聞いてみたら。」と一雄。 純也と雅子は、隣の部屋に行って、母と父に挨拶し様子を伺った。 「こんばんは!お母様、お体のご様子はいかがですか?」と雅子。 「こんばんは。ありがとう。今んところ、こんなに元気で、家の周りを散歩出来るようになってきたの。嬉しいですね。健康に感謝していますよ。」と母の富子。 「母さん、隣の部屋で、兄貴との話しの遣り取りを聞いたと思うが、どうだろうか、親戚に挨拶をしながらの旅を、かあちゃんと、とおちゃんに、是非してもらいたいんだ。」と母の目を見つめた純也。 「純也の運転で行くのかい?今、やっと歩けるようになったばかりなんだよ。とおちゃん、どうかね?」と母(富子)。 「おまえが良けりゃ、俺の実家だから、直ぐにでも行きたいけど。どうなんだ。」と父(留治)。 「純也の気持ちを汲んで、甘えることにしようかね。」と母。 「じゃ~、決まり、いいんだね。」と純也は微笑みながら、父と母の手を握り締めた。 「良かったですね。お父様、お母様!」と雅子婦人。 二人は軽く会釈して、隣の兄貴夫婦にきた。 「お兄様、お姉さま、ご両親に挨拶と良い返事をいただきました。ありがとうございます。」と雅子婦人。 「それはそれは、結構なことでした。もう一服いかがですか。」と一雄。 「いや、これから買い出しに行くから、失敬するよ。後で両親の出かけられる日取りの電話を待っています。」と純也は言って、二人は玄関に向かった。 「じゅあ~宜しくな、純也さん、雅子さん!」と一雄が手を振った。 「今日は本当にご苦労様でした。」妻の智子も両手を膝に当てて、軽く頭を下げた。 エンジン音を響き出した外車の中古キャデラックが、夕日を浴びながら、住宅地から消えていった。その様子を見送りながら立っていた一雄と智子であった。 ~~~「我が人生にありがとう!」連載小説~~~